明るい世界

色鮮やかな世界

私たち日本人は、いや日本人以外も、充実した日常をこう表現することがある。

これを聞いて私はふと思うことがある。

なら、その逆は?

もちろん、モノクロの世界になるだろう。

色とりどり、色鮮やかな世界。

それは皆が求める『明るい世界』に違いない。

では、モノクロの世界は暗くてつまらないのだろうか。

先日、カラー写真を白黒写真に加工した。

そうすると、夕日の写真であれば陽の輝きが、

積乱雲の写真ならばコントラストが、はっきりと見えてきた。

本来そこにある明暗が、白と黒、無彩の中に浮かび上がる。

面白い。

私は素直にそう思った。

色は世界におけるアクセントだ。

そのアクセントが強くなってしまえば普遍的に存在した光は見えなくなる。

私たちが色に囚われ、気にしなくなった光と影の一つ一つ。

それがしっかりと見えてくるのだ。

色が明るさなのではない。

『光の再発見』

それを成したとき、そこには色とは違った趣ある「明るい世界」が広がっている。

そして、モノクロームがそれを教える。

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光の色 短夜 @abelia_ar

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