第3話
ジーンは恐怖のどん底にいた。
(俺は部屋でゴロゴロしてただけなのに何でこうなったんだよ!助けて、でぃーしぃー!!!!)
ジーンは帝国の戦艦に乗っている。
(俺が何したって言うんだよ!イヤ何もしてなかったから勘違いして助かったと思うしかないけどね。間違ってもスキル使ってるとこ見られたら口封じに殺されてたかもしれんし。)
ジーン ATM(不健康)
レベル10 種族:ダンジョンマスター★
HP:20/20 MP:1000/1000
力:6 素早さ:4
体力:6 器用さ:7
知識:5
スキル
異世界言語、鑑定、アイテムボックス、不老、魔晶石精製(MP消費減少)、魔石錬成(MP消費減少)
必要維持MP減少、単独行動(発動中)、ダンジョン召喚、ダンジョン生成
ラウル 帝国兵(健康)
レベル1 種族:人間
HP100 MP0/0
力:78 素早さ:64
体力:66 器用さ:57
知識:45
(圧倒的なステータス差だよね?ステータスの差は戦力の決定的な差になるよ!!いつの間にか名前の横に職業っぽいのついてるしレベルアップの影響かな?けどATMって酷くない?確かにスキルで色々と出してるけどね)
それは帝国兵が小惑星の脱走を始めた時だった。
ジーンはゴロゴロしながら漫画を読んでいた時だった。
「ここはカギが掛かってないぞ。お!まだ居るじゃねえか。お前なにボサッとしてるんだ!皆でここを出て帝都に戻るぞ!!」
その時に反射的にジーンの社畜陰キャモードが全開となった。
「はい!よろこんで」
ヨシ!っと頷くと帝国兵はジーンと走り出した。・・・がスグに息切れを起こす。
「何へばってんだ?仕方ねえ肩を貸してやるから頑張れ!こんな無茶苦茶なところにいたら実験で殺されちまうぞ」
「あ・りが・と」「無理にしゃべるな。・・・居た!ルッツ准将こっちは全員解放してきました」
「そっちの彼は大丈夫なのか?」
その時にグ~~っとジーンのお腹がなる。
「そうか貴君は食事を抜かれたんだな。もし艦にあったら君に優先的に回すように手配しよう」
「ハァハァ、あり・がとう・ござい・ま・す」
「後は何とか我らの艦隊を探さないと」
(あ!このままだと、ひたすら走らされる)そのことに気づいたジーンはこれ以上走りたくない気持ちでいっぱいだった。
「艦隊・・場所・・・しってま・す」
「空腹も耐えながらも脱出のためにお前も頑張っていたんだな。俺はラウルって言うんだヨロシクな。相棒!」
そう肩を貸してくれていた帝国兵が名乗ったがジーンは、それどころではなかった。
何とかして早く休みたいゴロゴロしたい。そのことで頭が一杯だった。
そこから最短ルートで彼らを案内し戦艦へと乗り込みやっと一息つける。
食堂で休憩しているジーンにスープとパンを持ってくるラウル
「ジーンお前のお陰で艦隊はスグに出発で来たその祝いに豪華な飯をやりたいんだが。お前の体調の事を考えたらスープとパンの方がいいっていうもんだから持ってきたぞ!食え」
そう言ってジーンの対面に座る。
「もう少し休ませてくれ」
情けない声を出しながら情けないことを言うジーン(主人公)
「多少無理でも食ったほうが良いパンはスープで柔らかくしてから食えよ」
「わかった。わかった」
シブシブとパンとスープを食べ始めるジーン
「お前、帝国兵にしては細いけどよく今までやってこれたな」
ジーンはドキッとした。
そこで即興で言い訳を考える。社畜はそれっぽい言い訳に強い・・・はずだと思い重苦しい雰囲気で話始める。
「実は・・・俺はこの部隊の人間じゃないんだ。」
「何?本当か?じゃあお前はいったい何者なんだ?敵って風には見えないし艦隊の場所を教えてくれた理由が分からねぇ」
「俺は敵ではないむしろ味方だ」
その時に食堂の入り口から声がした。
「ここにジーンが居ると聞いてきた。いたら返事をしろ。」
「こっちにいる。こいつがジーンだ」
ラウルが勝手に返事をしてしまう
「そうか、ルッツ准将がお呼びだ艦長室へ来い」
帝国兵は要件を言うとさっさと何処かへ行ってしまった。
「准将が読んでるなら仕方ない。艦長室へは俺が案内してやるが俺も話に参加させてもらう。お前を連れてきた責任もあるしな」
そう言ってジーンを立たすとラウルに艦長室まで連行された。
「ジーンを連れてきました」
ラウルはドアの横に設置されているモニターでやり取りしている。
「入ろう」
ラウルに続いて部屋へと入る。
「ありがとう。良く来てくれた。君のお陰で無事に脱出することができた」
そう出迎えてくれたルッツはラウルとジーンをイスへと促す。
「いえ。私も必死だったので」
そう言いながらイスへと座った。
「ジーン。その名前の帝国兵は確かに居る。だがデータベースを確認したら君ではなかった。君は何者なんだい?我々に有利な情報をくれたから敵ではないと考えたい。教えてくれ。君は何者だ?」
「わかりました」
ジーンはここに来るまでに考えた設定を話す事にした。
自分はある惑星の住人の最後の1人だと。ある時、あの軍隊がやってきて自分たちの文明を滅ぼし住民を人体実験に使いその結果、異形の者に変貌していってしまった。他の星の住民の成れの果てがあのモンスター達だと。
そしてその実験とは「魔法」を扱うことだった。
魔法と科学の融合で彼女達の技術は飛躍的に向上した。
その事に満足したのか自分だけが生き残ってしまったのだと。何もしなかったら自由に出入りも許されていたので散歩していて艦隊の場所も知ったのだと言った。
「君のことは分かった。だが魔法など本当にあるのか?」
「魔法では、ありませんが魔法の力が宿った石です」
そう言いながらポケットから出すフリをしながら手の中で魔晶石を精製する。
「コレがそうなのか?」
「はい」
「わかった君を信じよう。ちなみにこの魔晶石というものを協力の証として譲ってくれ。そうしたら君の生活の保証は私がしよう」
(あっ。これ断ったら殺されるやつだ)
「勿論です。私は頼れる人が居ませんのでお願いします」
「そんなつれない事言うなよオレも居るから困ったときは相談しろよ」
そうラウルはジーンと肩を組む
「では程度に戻るまでジーンの事をラウル少尉に頼もう」
「はっ!了解しました」
ラウルはサッと立ち上がり敬礼する
「では、よろしく頼む君達には2人部屋を用意した。ゆっくり休んでくれ」
艦長室を出た2人は食堂へと戻る戦艦に乗れるだけ人を乗せているため食堂も人でごった返している。2人はランチを頼み部屋で食べることにした。
「騙して悪かったな」
ジーンがそう言うと勝手に俺が勘違いしただけだから気にするなとラウルは笑っていた。
その後艦隊は各領地で補給を受けながら帝都へと着いた。
「アレが帝都なのか凄い建物だな!」
そこは圧巻の光景があった広大な土地に巨大な城に出不精のジーンは珍しく感動していた。
艦隊での規則正しい生活とトレーニングで真人間に近づいたジーンは感性を取り戻しつつあった。
ジーン ニート(健康)
レベル10 種族:ダンジョンマスター★
HP:20/20 MP:800/1000
力:16 素早さ:11
体力:14 器用さ:12
知識:6
スキル
異世界言語、鑑定、アイテムボックス、不老、魔晶石精製(MP消費減少)、魔石錬成(MP消費減少)
必要維持MP減少、単独行動(発動中)、ダンジョン召喚、ダンジョン生成
この数ヶ月でステータスアップに喜ぶべきなのか職業に嘆いたらいいのか微妙なところだ。
「そうだジーン、もしかしたら陛下と謁見できるかもしれないからそのつもりで居てくれ」
ジーンの苦笑いが止まらなかった。
小惑星がダンジョン化して移動要塞になりました @iyomikan1220
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