新生活3

ユニコーンの角は万病に聞くと言われている。

採取する時の気をつける点は生きたまま、角を回収しないといけないことだ。

警戒心の強い魔物だから、かなりめんどくさい。

でも、数年前にできたことなんだし、今回もできるだろ。


実際できた。ユニコーンに睡眠薬入りの水を飲ませてから、息を殺して近づき、ツノを切り落として逃げる。


「簡単な仕事だった。これで金貨一枚とは。」


金貨一枚は100万円ほどの価値だ。まあ、数日準備期間が必要だから、そこまでうまい仕事ではないが。


ーーーーーーー


「ところで、リュウさんは他に嫁を取らないんですか?」


「なんでだ?」


「強いオスが複数のメスを妻にするのは当たり前ですから。」


「それは獣人の常識だろ。」


「いえ、種族共通の常識です。」


「えっ?そうなの?」


「はい。」


人がよく死ぬこの世界では普通のことなのだろうか?


「今のところは特に考えてないな。俺にはマリがいるしな。」


マリ一人満足にだけない俺に複数の女を妻にするなんて不可能だ。性的に死ぬ。

でも、家事を代わりにやってくれる人は欲しいな。


ーーーーーーーーー

道場。現役引退した騎士や冒険者が自分の経験や知識を売ってくれる場所。

スキルや、魔法。魔力操作。魔物対策など色々な情報が聞ける。

これも大きな街ならではのものらしい。


「今日も色々な気づきを得た。」


「そうですね。楽しかったです。」


特に房中術の知識が面白かった。

女性と男性が性行為をしながら魔力操作を違いに行うことで魔力操作がより上手くなるとのこと。


「房中術やってみよう。」


「そうですね。そう言うと思いました。」


最高に気持ち良かった。これからもやっていこう。


ーーーーーー


俺がとったユニコーンのツノからとった薬が金貨10枚で売られたらしい。


「俺は薬屋になる。」


無茶苦茶楽な仕事だ。調合に必要な知識と魔力操作さえできれば体力はいらない。火魔法と水魔法などの魔法を使えばなお楽に仕事できる。

年齢による引退もないし。


「良いと思います。薬はどこに行っても必要とされますから。」


薬屋のジジイから、素材を無料でとってくる代わりに薬のレシピを教えてくれることになった。


薬屋はアホみたいに楽に稼げる仕事なのに就こうとしない奴が多いのは理由があった。

魔力操作のスキルレベルが7になるまで、稼ぎが悪いのだ。

今、俺が薬屋なったら収入が三分の一ぐらいになる。


「まぁ、でも戦闘が出来なくなった時のために手に職つけとくか。材料は自分で取ってくればいいしな。」


俺は半分冒険者、半分薬屋になった。

薬の調合する用の家を買って、暇な時に薬の調合を少しずつ努力した。


ーーーーーーーーー

「クランへの勧誘か。」


冒険者同士の組合。クラン。

実力がある程度あったら基本どこかに勧誘される。

今の俺の実力はこの街に置いて中の上ぐらいだ。

マリは中の下ぐらい。


「どうしましょう?」


「入って損しないしな。大きそうなクランに入るか。」


「そうですね。」


この街、最大のクラン。

カンザスクランに入会した。

クランの役割は主に情報交換だ。所属しているクランの大きさによって、自分たちが襲われにくくなることもある。パーティを組めたりもする。


冒険者達の情報は、飯の話か娼館の話。

どういう魔物を倒したか、どうやって素材を採取したかなど。

特に、目新しいものもなかった。

いつか、こいつらに俺の作った薬を売りつけよう。


「皆さん、お強そうでしたね。」


「だろうな。才能があったか、長いこと冒険者を続けてるんだろ。」



普通の才能の俺は石橋を叩いて過ごそう。

いつも通りだ。

ーーーーーーーーー

「よし、今日はオーガを相手にしよう。」


「大丈夫でしょうか?」


「俺もいるし、大丈夫だよ。」


マリには少し早いが、それでも経験を合わせておきたい。


「弓でいいぞ。毒も使っていいし。」


「分かりました。」


「俺は下で待機してる。」

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