逃亡1

リュウは29歳になった。


「ステータス」


ステータス


レベル37


スキル 剣術4 魔力操作5 弓術3 火魔法2 水魔法2 風魔法1 回復魔法1


固有スキル 経験値獲得1.2倍。


「あと一年で30歳か。」


ミリもリリもスクスクと育っている。

貯金だって、かなり貯まった。慎ましく生きていけばお金で苦労することもないだろう。


「でも、冒険者以外の仕事につくのもな。給料が低いし。」


この年から新しい職業に就くのもめんどくさい。何より給料が下がるのが嫌だ。

冒険者なら楽に大金稼げるのだから。


「リュウ様。」


「マリか。」


マリは髪が長くなり、胸も尻も一回り大きくなり、よりエロくなった。


「何かお悩み事ですか?」


「まあな。冒険者を何歳まで続けられるかってな。」


「体が健康なら何歳でも大丈夫なんじゃないんですか?」


「そうだな。冒険者はバカだからな。健康に気を遣わないし。」


冒険者は後先考えずにすぐ死ぬ。


「そうですね。リュウ様は特別です。」


「まあ、とりあえずできる年までやっていくか。」


「はい。」


獣人は強いオスに魅力を感じるのだ。マリは少し違うが。

それでもやはり、強くあって欲しいんだろ。


ーーーーーーーーー

俺は森でオークナイトを探していた。

薬屋からの仕事の依頼で探しているのもあるが、俺用の薬を作ってもらうためでもある。

オークナイトの睾丸から作る精力剤である。

オーク、オークソルジャーの睾丸から作った精力剤では、マリの精力と技術に性的敗北を喫していた。


「あれが、あれば勝てるんだ。絶対に。」


そろそろ、マリに性的に勝たないと。立場をはっきりさせないと。

俺は一匹のオークナイトと十匹ほどのオークソルジャー、数十匹のオークの集団がいたので、木の上から奇襲をかけることにした。


「まずは。オークナイトの頭をぶち抜く。」


森を背負いながら動き回れるほどの弓をオークナイトに向けて打つ抜く。


「ブギィぃぃ!!」


これだけではもちろんオークナイトは死なない。

しかし、鏃にオーク系の魔物を錯乱させる薬を塗っていたので、オークナイトはむやみやたらに周りのオーク達に切り掛かる。


「更に、弓矢で間引いていくか。」


周囲のオークソルジャーにも同じ矢を打ち込んで、オーク達は乱闘になっていく。


5分後


「そろそろ、いいだろ。」


俺は、木の上から飛び降りて、いまだに少し錯乱状態にある、オークナイトの首を掻っ切る。

ついでに他のオーク達もきりかかる。


「さっさと金玉、剥ぎ取って帰るか。血の匂いで魔物達が寄ってきちまう。」


俺はオークナイトとオークソルジャーの金玉を剥ぎ取って、街に帰宅した。

これだけで銀貨30枚。

つまり、日給30万円なのだ。簡単すぎて笑ってしまう。


ーーーーーーーー

数日後、薬屋の婆さんにオークナイトの片方の金玉から作った精力剤を取りに行った。


「あんたも好きだねぇ。」


「これはプライドの問題だ。負けられない。」


「そうかい。それよりもあんたスタンピードの話を知ってるか?」


「スタンピード?」


「ああ。大きい魔物の群れがこの街を襲うんじゃないかって噂だよ。」


「知らんな。有名なのか?」


「まだ、一部の商人にしか伝わってないよ。」


「そうか。それは確かな話なのか?」


「確かな筋からの話だよ。あんたも逃げた方がいい。」


「逃げる?そういう場合は騎士が来るんじゃないのか?」


「来る時もあれば来ない時もある。騎士を集めるのに時間がかかったら私たちは見捨てられるさ。」


「なるほどな。俺も少し調べてみるさ。」


「ああ。私は家族のところに先に逃げとくさ。」


「分かった。世話になったな。」


「お互い様さ。あんたには稼がせてもらった。」


「そうか。ありがとな。」


ーーーーーーーーーー

マリに精力剤を使うのは後にした。

まずは、情報収集だ。

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