日にち三

無茶をする。

といっても、冒険者ギルドからの信頼を勝ち取るために与えられたチャンスを掴むだけだ。

俺が魔力操作のスキルレベルが4になったことから飛躍的に強くなった。と思うのでどこまで行けるか試したいのだ。

今までは、安全な依頼ばかりしていたからな。1ランク上の仕事をする。


「オーガの討伐ですか。」


「ああ。こいつなら問題ないだろ。」


「そうですね。オーガなら文句のつけようがないかと。」


「俺に使命依頼くれてる奴らに俺が成長したと分からせないと、いつまでも稼げないからな。」


「そうですね。ご武運を。」


「ああ。」


オーガとは冒険者の中での一つの指標なのだ。

中級冒険者になったのだと。オーガを倒したともあれば仕事のランクが1つ上がる。

そして、冒険者ギルドには証明してほしいのだ。俺は確かにオーガを倒したのだと。


「緊張する。異世界に来て最初ぶりに無理をするのか。」


俺は、この日のために入念に準備を進めていた。

オーガの生息地域と有効な罠、毒。気をつけるべき攻撃など

全てを網羅していたのだ。オーガ検定があったら俺は1級を取れる自信がある。


ーーーーーーーーーー

いつもより、森の少し深い場所に入っていき、単独のオーガを見つけるまで探す。


「やっといた。」


オーガはあまり群れないが、それでも一匹というのは見つけにくい。

なんとか、単独のオーガを見つけ交戦する。

俺が一匹のオーガにこだわっていたのには理由がある。

自分の現在の実力を正しく把握しておくためだ。

1匹なら、逃げれるしな。


「ガァァ!!!」


オーガの特徴は単純。

力強く、速くて頑丈。だが、武器は使わずに己の肉体のみで戦う。

俺は、自分の体と剣にありったけの魔力を注ぎ込んで戦う。

カウンター狙いの守りの戦いだ。


5分後。


「強すぎ!!」


俺は、走って逃げた。

オーガは強すぎる。俺は薬屋で買ったオーガに効くであろう煙玉を使った。

効果は一時的な錯乱状態になる。

この隙に走って逃げた。

俺は、家に帰り、オーガの動きを忘れない間に、鍛錬に励んだ。


この生活を1週間続けて、ようやくオーガを1匹討伐できるようになった。


しかし、中級冒険者と認めてもらうためには1パーティーで複数のオーガを相手にする必要があるため、一人の俺は、複数のオーガを一人で相手にしなければならない。



「まあ、でもどうせ、オーガなんだし。大丈夫か。」


自信がついていた。オーガなら俺は負けないと、研究室し尽くしたと。

意気揚々と森で3匹のオーガと対峙して命からがら逃げてきた。


「複数体だとあそこまで強くなるのか。冒険者がパーティーを組むのも納得だな。」


俺は、段階的にオーガを倒すことにした。


「弓を使えるようになろう。」


弓が使えたら、先制攻撃ができるため、戦況を有利に運べる。

マリが弓を少し使えるらしく教えてもらった。


そんなこんなで試行錯誤して、オーガを複数体相手できるようになるまで3ヶ月かかった。


ーーーーーーーーーー


「やっと、倒せたか。」


俺は五匹のオーガの死体の上に立っていた。


「ステータス。」


「ステータス」


ステータス


レベル27


スキル 剣術4 弓術1 魔力操作4 火魔法1 水魔法1


固有スキル 経験値獲得1.2倍。


「おっ!レベル上がってる。」


レベルが上がっても、そこまで能力は上がらない。レベル1の時と比べたら雲泥の差かもしれないが。

絶対にレベル上げより、スキルの鍛錬をした方がいい。

といううか。単純に身体能力上げたかったら、筋トレした方が早く上がりそうだ。

まあ、不必要な筋肉なんて先頭に邪魔なだけだから、過度にしないが。


オーガ5匹の死体の心臓をくり抜き、冒険者ギルドと薬屋に持っていく。

これで、俺も中級冒険者だ。


流石に合計で100個以上オーガの心臓を持って行っていたら、俺の実力を認めざる負えないだろう。


「弓は結構強いな。明日から鍛錬してくか。」


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