第35話 しおかタンの子宮はボクのものだぁー!





《有間愁斗―視点》



 22:40――。店の裏口で待っていると店の中から声が聞こえた。


「なぁ砂月、土日デート行こうよ」

「だから無理だって!お疲れ様っ!」


 紫陽花が出てきた。それを追うようにチャラい感じのイケメンも出てくる。


「有間さん!」


 俺を見つけた紫陽花はこっちへ小走りする。イケメンは入口で立ち止まり、それを見ながら俺を睨んだ。そして紫陽花が俺の腕を掴むと男は店なの中へ消えて行った。


 帰りながら彼女に尋ねる。


「土日にデートに誘われたの?」

「え!聞こえてました?」

「まぁ……」


「今日バイト中にさっきの人に告られたんです。……彼氏いるからって断ったんですけど、元々仲良い友達だったら遠慮がなくて……」


 告られたのか!?そりゃそうだよな……。これだけ美少女だったら他の男だって放っておかないだろう。唯一の救いは彼女が女子短大に行っていることか。共学だったら年に5、6回は告られてもおかしくない。


「紫陽花は遊びに行きたいの?」

「むっ!何でそんなこと聞くんですか?」


 何故か怒らせてしまった。こういう時、何て言えばいいんだろう?正直、俺以外の男と遊んで欲しくない。でも、それを言えば7つも年上なのに独占欲の強いキモ男になってしまう気がする。


「何となく……」

「心配してますか?」

「うん」

「私が他の男の子と遊びたって言ったらどうしますか?」


 うっ……そんなの嫌に決まってる!


「君は凄く可愛いし、俺……紫陽花のこと大好きだから滅茶苦茶心配すると思う。独占欲、強くてごめん」


「へ、へぇー? ふ、ふーん? へぇー? ヤキモチ妬きですね?」


 ちょっと口元ニヤニヤしてるけど……なんなんだ?


「そりゃ妬くよ。こんなに、って言うか……これ程まで好きになった子、今ままでいないし……これからも絶対に現れないって確信できるから……」


 歩きながら俺の腕を両手できつくホールドする紫陽花。俯いていて顔は見えない。


「私も有間さんのこと……大好き」

「え?」


 最後、声小さくて聞き取り辛かった。大輔おとうさんって聞こえたけど……、まあいいか。




 紫陽花の実家で彼女が風呂に入っている間、俺はビールを1本だけ頂くことになった。たくさん飲んでと勧められたが、飲み過ぎると酒臭くて彼女を不快にさせる。


 リビングのソファーでテレビを見ながら待っていると向日葵さんが来た。

 一言二言挨拶をし、向日葵さんもチューハイを持ってソファーに座った。


「昨日、やってたでしょ?」


 ニヤニヤ笑いながら聞かれた。


「なにを?」

「エッチですよ。ギシギシ煩かったもん!大丈夫、お母さんには秘密にしておきますから」


「やってないですよ」


 俺が真顔で答えると向日葵さんはケラケラ笑った。


「よくそんな、本当にやってなさそうな顔で嘘言えますね。ふふふ、おもしろぉ~い」


 昨日、確かに俺はパトラッシュした。

 でもお互い服は着ていたし、当然セックスもしていない。ただ、そんな状況でパトラッシュしてしまった自分が情けなくはある。


「いや、本当にやってないですよ……」

「はいはい。わかりましたー♪紫陽花に口止めされてるのかな?それで、気持ち良かったぁ?」

「……ええ…まぁ…はい。良かったです」

「くくく、ふふふふふ、ほぉらっ、やってるじゃん。バレバレだって」


 上手く自白させられたような気がする。世の中の冤罪はこうやって生まれるんだな。


「ところで恋愛パイセンの向日葵さんに相談があるんですけど……」

「ん?どんなこと?」

「恥ずかしい話なんですが、彼女をそれとなく束縛する方法ってありますか?」


 さっきのことが気になってしょうがない。


「紫陽花を束縛したいんですか?」

「……そ、そうですね」

「うーん、紫陽花は真面目というか、融通が利かないというか、あの子器用じゃないから二股とか浮気なんてできないと思いますよ。有間さんが余程嫌われることしなければ大丈夫じゃないですか?」

「そうなんですかね……」


 嫌われないように頑張るしかないか……望むところだ。


「あとは、ペアリングなんていいんじゃないですか?」

「指輪ですよね?」

「そうそう、私もしてたんですけど……右手の薬指。たまにチラっと目に入ってその度に彼氏のこと思い出すんですよねぇ。まぁ最初だけですけど」


 ペアリングか……、いいかもしれない。


「ありがとうございます。二人で気に入るの探してみます」

「たぶん、紫陽花も喜ぶと思いますよ」


 それから暫くスマホでベアリングのカタログを見ながら向日葵さんと雑談していると寝支度を終えた紫陽花が戻ってきた。






 電気を消してベットに入り、取り敢えず一度、紫陽花を抱き締める。

 こうして抱いていると華奢で小さくて暖かくていい香りがして……愛おしい。安心する。ずっとこうしていたい。


「今日も……やりますか?」


 彼女が俺の胸の中で囁く。


「練習?」

「……うん」


 やりたいのかな?昨日は何だかんだで楽しそうにしてたし……。

 でも明日遊びに行くのにまたパトラッシュしてパンツ汚したら面倒くさいな。

 つかそろそろコンドームを買っておいた方が良い気がする。


「その前に見てほしいのがあるんだけど……」

「ん?」


 俺はスマホを開いて、さっきブックマークしたカタログを見せる。


「指輪ですか?」

「うん……どうかなって?」

「どうしたんですか?急に……」

「えーっと、その…………紫陽花をそれとなく束縛する方法はないかなって……ははは」


 めっちゃ正直に答えてるよ、俺!恥ずかしい。ここは君とお揃いの指輪が欲しいでいいだろ……。


「それとなく束縛って、念能力みたいですね、ふふふ」

「ごめん、なんか呪いみたいだよね……。やめとくか」

「えぇー、嫌だ、私もベアリング欲しいです」

「ほんと?じゃぁどんなのがあるか、ちょっと見てみる?」

「うん」


 それから二人でスマホを見ながら指輪の話をした。紫陽花はシンプルでさり気なく装飾や宝石が入っている細いタイプの指輪が好きそうだった。俺は別に何でもいいので彼女の好みに合わせる積もりだ。


 で、指輪を見終わってから。


「有間さん、好きな下着のデザインってありますか?」

「特にないけど、下着買うの?」

「私、可愛いの持ってないから欲しくて」


 スタイルいいから何着けても可愛く見えそうだけど……


「紐パンとか、ちょっと憧れるよね」

「ひ、紐ですか?」

「まぁ、うん、紐を引っ張って、チラ……みたいな?……ははは」


 ヤバっ、想像しただけでエッロ。


「紐のパンツ買うの、か、かなり勇気いりますね……恥ずかしくてお店じゃ買えないかも」

「俺の趣味は無視して、紫陽花が気にいるのでいいと思うよ。紫陽花ならウサギさんパンツでも可愛いと思うから」

「バカにしてますか?……日曜日、一人で買い物に行ってきます。有間さんも一緒にきますか?」

「日曜は家の事やらないといけないし、ちょっと用事もあるから会うの夕方くらいになっちゃうな」


 日曜は麻莉ちゃんに会う。それは絶対に秘密だ。自分は独占欲が強いのに、理由はどうあれ内緒で女と会おうとしている。俺って最悪だな。


「じゃあ、一人で行ってきます」

「……すまん」


 紫陽花はスマホを見て。


「もう1時半なんですね。時間経つの早いな…、明日何時に出ます?」


 明日は土曜日、彼女と一日デートする。お泊りからデートって流れはずっと一緒にいられて凄くいい。


「朝ご飯食べて、ゆっくり準備して10時半くらいに出る?」

「わかりました。もう寝ますよね?最近早く寝るようにかったから、この時間になると眠くなります、ふふふ」

「寝ようか……あ、寝る前に少し抱き締めてもいい?」

「暑いですよ?」

「だよね。じゃぁ寝よう……って、え?」


 紫陽花が俺の手を引っ張って自分の頭の下に移動させ腕枕すると、横向きで寝ている俺に背中を向けて体をくっ付けた。

 更に残された反対の俺の手を引っ張って彼女の胸の前に移動させる。


 俺はそのまま後ろから紫陽花を抱き締める。彼女の頭皮に鼻を密着させると、甘い匂いが鼻孔を抜けた。その香りだけで頭がクラクラしてどうにかなってしまいそうだった。


「後ろから抱っこされると安心する……」



 暫く紫陽花を抱きしめてから。

「キス……したい」


 俺がそう言うと紫陽花は上半身と首を捻って「んっ」っと唇を差し出す。


「ちゅ ちゅっ んんっ」


 キスをしながら胸に触れると紫陽花はブラを着けていた。


「ブラ、外さないの?」


「有間さん……外して」


 彼女はキスをやめると俺にの背中向けた。Tシャツの隙間に手を忍ばせブラホックを外す。


 そのまま手を胸に回しブラをずらすと指先に生胸の感触が……。


 おっぱいって、こ、こんな感じなのか……、少し汗ばんでいて……や、柔らかい。


 更に奥へ侵入すると人差し指の先が紫陽花のラズベリーに触れた。

 軽く摘んで悪戯してみる。

 その瞬間、紫陽花の体がビクンと震えた。


「ご、ごめん……。ブラ自分で取れる?」

「うん」


 彼女はシャツを着たまま器用に自分でブラを脱いだ。


「硬くなってる……」


 俺のシメジはいつの間にか松茸に成長していたようで、そいつが紫陽花の尻に当たっていた。


 俺は紫陽花を後ろから抱き締める。相変わらず当たってるけど、嫌がらないから大丈夫なのか?


 このままだと、俺は我慢できずに「しおかタンの子宮はボクのものだぁー!」とか言って襲ってしまう。


「……寝ようか」


 俺は呟き、抱きしめるのをやめて仰向けになった。


 その後何度かキスしたり抱きあっりとイチャイチャして俺達は眠りについた。








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