第4話 俺たちの戦いは買い物のあとだ!
「え⁉︎ スッポン怪人が‼︎」
浴場で起きた
異世界に転移してから二時間後、彼らファイブカラーズは王城を出て、城下町に向かい歩いていた。
「ホンマ驚いたで。あの感じやと、今まで倒した怪人らもこっちに来とるんかもな」
レッドの言葉に、イエローが返す。
街並みは徐々に王族の気品ある豪邸から、庶民的な民家へと変わりつつあった。
「あー、まじめんどーい」
今後予想される戦闘にピンクは
垂れ下がった黒髪は
「フッ、なるほど。つまりどういうことですか?」
いつも通り頭がついて来てないブルーが、メガネに指を
「魔王討伐にいく道中、今まで倒した怪人をまた倒し、今度は確実に土に
グリーンがバカ(ブルー)にもわかるよう説明した。
「還すって、あっちの世界のバケモンやけどな。けど案外、怪人らはこっちの住人やったんかもな」
独自の
「どういうこと?」
「ピンクが
「茹でたの!? そして、あげたの!?」
レッドは驚きの余り、普段は出さない声のボリュームが出た。
「るろうに剣心で
「志々雄様は人型スッポンを殺して食えとまでは言ってないよ」
「まあ、そんなことはええねん。それよか、旅の買い出し
城下町の中心にあるその市場は、まるで南米のようだった。木箱に崩れそうなほど商品が詰まれ、
様々な人種の人間が談笑し、金銭と物品を交換していた。
扱っている品は、レッドたちがいた世界の物と似ているがどこか違うといった
「女は何かと買わないかん物があるさかい、(男どもは)各々、旅に必要なもん
「よろしくねー」
言うだけ言って、イエローとピンクの女子コンビは去っていった。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
一時間後、
「ごくろーさん」
すでに市場入口に戻っていたレッド、ブルー、グリーンの男子トリオに、声をかけるイエロー。
その後ろにピンク、さらに後ろに大量の荷物を
「ありがとねー。今度、買い物に来た時デートしてあげる。……とうぶん来ないけど」
「で、なに
「とりあえず、一番必要な
「なんでやねん!」
レッドの予想外な回答に、イエローは反射的に歴史あるツッコミワードをぶつけた。
「アニメがない生活なんて耐えられない。だから、僕が二次創作で自給自足するしかないんだ。そうしないと僕は」
(まだこっち来て一日も
「ブルーはちゃんとしたもん買うてきたんやろうな?」
「フッ、当然です。全員分のメガネを買ってきました。いるでしょ?」
「いるかボケー!」
ブルーのドヤ顔が
メガネが割れた。
「ほ、ほら、買っておいてよかった」
「お前のそれ、カッコ付けの
割れたメガネを外して見せつけるブルーに、イエローは大声を
そして、グリーンの後ろにあった荷車を指して続けた。
「グリーンを
「これは
「食えへんのかーい! なんで
イエローは思わず空に向かって叫んでいた。
「もー、お使いもろくにできないの?」
イエローの
「そ、そういうイエローたちは、なに買ってきたんだよ」
「そうだ、そうだ! メガネより必要な物などない!」
「けっこーあるわ」
声に
それをイエローが軽くいなす。
「女はねー、美容液やら、化粧水やら色々といるんだよ。
ピンクが液入りの瓶を持って言うと、
「飲めない人工液なんて旅にいらないだろ」
グリーンがばっさりと吐き捨てた。
これに露骨に嫌悪感を見せたピンクは、
「うるさいなー。男は下水でも飲んだら?」
と冷酷に言い放つ。
レッドはどうしてここまで言われなければいけないんだと思ったが、ふと一時間前のイエローの言葉を思い出した。
『女は何かと買わないかん物があるさかい、(男どもは)各々、旅に必要なもん
「……ひょっとして、各々って男たちはって意味だったの?」
文脈から省略されていた単語に、今になって気づいたレッド。そんな彼に、
「せやで」
「うん」
イエローとピンクは、何を今更といった顔で、
「なんか文句あるんか? 風呂場で全裸の女たちが襲われとる間、外でジュース飲んどったボンクラども」
痛いところを突かれた男たち。
「……いえ、ありません」
レッドは男たちを代表し、軍門に下る。
「やったら、王様んとこ行って追加の金たかりに行くんやで」
「正義の味方なのに!?」
レッドはイエローの無茶苦茶な要求を拒否したかったが、
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