第23話 チームとチームメイト

ジュリアスの衝撃的な報告から3か月。季節が秋へと移り変少し肌寒くなってきたころ日課の真希との模擬戦を終え帰路に就く。カバンからイヤホンを取り出しスマホへ刺す衝撃的な報告から3か月。いつまでたっても慣れない首の締め付けを感じながら


季節が秋へと移り変少し肌寒くなってきたころ。日課の真希との模擬戦を終え、いつまでたっても慣れない首の締め付けを感じながら帰路に就く。カバンからイヤホンを取り出しスマホへ取り付け耳へとすけようとした瞬間。


「やー!信二くん!」


背後からバカみたいな声量で僕を呼ぶ声がする。


「どうしました。優さん?そろそろトーナメントが近いから色々とやらなきゃいけないことが多くて」


「そのことでちょっとね」


はて?どうしたのだろう?


「今年は形式が変わってチーム戦のバトロワになることが今さっき決まったらしいよ」


「は?え?それまた何で?」


「今の世界情勢は知ってるね」


「ソ連は半分がダールに占領され、各国もいつ内戦が起きてもおかしくない状況だって」


「それを踏まえてより実践的な模擬戦が望ましいって」


なるほど、確かにいい判断かもしれない。


「ちなみに私が本校の代表チームのリーダーに抜擢されたからヨロ!」


「要件は、それだけですか?申し訳ないんですけど課題も出てるんで早く帰らないとやばくて」


「まだあるよ。さっき私がリーダーって言ったじゃん?だからチームメンバーを探してるんだよね。そいで君に一緒に出てほしいんだよね」


「マジですか!?」


「マジだよ。信二くんメキメキ強くなってこの学校だと割と上澄みなんだから。それでどう?」


もちろん答えは決まっている。


「やります!」




それから、残りのメンバー探しが始まった。


現状のメンバーは僕と優さん。僕は、近距離インファイトしかできないから前衛なのは確定として優さんは指揮官兼砲台だ。後方からバシバシ剣を飛ばしてもらう。それに、脳のリソースをより戦術面に割いてもらいたいから仕事はできるだけ増やしたくない。だから足りないのは高火力な魔法を使えるかバフとか回復とかできる後衛と中衛だ。最悪、本当に最悪のパターンだが高火力は優さんにやってもらうとして絶対に必要なのは、中衛はバランス型の人か・・・


そんなことを、弁当をつつきながら考えていると目の前を金髪チャラ男が横切る。

金髪?チャラ男?蘆屋雷斗!!


「蘆屋雷斗!あいつならバランスいいんじゃね!?うおおおおおお!」


おっと、思いついた嬉しさに叫んでしまった。周りの視線が痛い。それでも、関りがある良さげな人がいてよかった。ありがとう。誰とも知れぬ金髪チャラ男くん。早速、頼みに行くぞ!


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「なんだよ?いきなり!しかも息を切らして!怖いわ!」


当然だ。こんなに息を切らした奴がいきなり話しかけてきたら誰でも引く。だがそんなのお構いなしで説明をした。何故って?予定を決められたら困るからな!


「と、いうわけだ」


「なるほど?!」


理解が早くて助かるよ。


「やってくれる?」


「ああ、やるぜ!当たり前だろ願ってもないことだ。お前と組むのはちょっと癪だがな」


ガチでありがたい。なんか不服そうだがそんなの関係ないあとは後衛のサポートを見つけなきゃいけないな。蘆屋なら人脈広いからだれか知ってるかもだし一応聞くか。


「ちなみに後衛をできそうな人知ってたりする?」


「お前、自分で探す気はないのか?」


「僕は、人脈狭くてね」


そう、俺はこの三ヶ月間知り合いいるから新しい関係を作る必要ないなって思ってたら終わってた。自慢ではないが俺は陰キャだ!自信満々に言った僕の言葉を聞き蘆屋は、何かかわいそうなものを見る目で僕を見つめていた。


「まあ、当てがないわけではないからな。ほら行くぞ」


僕は、芦屋に引っ張られ教室を去った。




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