第17話 ジュリアス・ロット


「これから血液検査と魔力測定ほかにも色々するよ。あと、君は後天的に魔力を備えたそうじゃないか。そのことについて詳しく聞かせて」


引きずり込まれた研究室の椅子にすっと腰を下ろし要望を伝えてきた。しかし、彼女の要望に応える前に僕にも聞きたいことがある。


「ジュリアスさんってダールや能力について知ってますか?」


「教科書よりは知ってる」


「僕のことを話す代わりに教えてください」


ちょっと図々しいかな?でも早く知らなきゃいけない。敵について。なぜ僕は、こんなに焦っているんだ?分からない。


「ダメですか・・・」


「いいよ、専門じゃないから読んだ論文の知識でいいならね」


凄い、僕と年齢はそう変わらなさそうなのに。これが、天才なのかな。


「十分です」


「そう」


会話続かねぇ!ダメだって!コミュ障同士の会話キツイって!才能に偏りがすごいのか。会話の才能は無いだけなのか。自己中なのか。


「でも君が先。話して」


それから血を抜かれながらこれまでの出来事のすべてを話した。始まりの日のことを。


「血、まだ抜くんですか」


俺、結構長話したよ?眩暈がしてきた。


「貴重なサンプルだ。色々使う」


「うん、その前に死ぬ。失血死する」


「それもそうだ。ここで死なれたらもう取れなくなっちゃう」


怖い。この人怖い!マットサイエンティストか何かだろ!?もしくはバカだ!頭のいいバカだ!


「じゃあ、魔力検査に移るよ。機械に手をかざしてくれる?」


「ちょっと!待ってください。僕、話しましたよ?ジュリアスさんも話してくださいよ」


「そうだった。君は、どこまで知ってて何が知りたい。」

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