第11話 因縁
編入から二日目、クラスメイトに僕は、因縁をつけられた。
廊下を歩いていると突然肩をぶつけられる。
「ごめんなさい」
いかにもチャラそうだし。しかも自分からぶつかってくるような奴だ。関わり合いにならない方が得策だ。取りあえず謝罪をして逃げるか。
「お前、聞かない苗字だな?」
ほら、突っかかってきた。揉め事は起こしたくないんだけど。
「えっと、あなたは?」
「俺は、蘆屋雷斗。蘆屋家の長男だ。お前は、神宮何とかだっけ?どこかの分家だ?」
確か、蘆屋家って確か日本魔術の名家だって優さんから聞いたな。確か雷魔術が得意な家系だって。
「そんな大層な家系じゃないですよ。一般家庭です」
「そうか」
僕の返答を聞き、蘆屋の取り巻きがクスクスと笑いだした。嫌な思い出がフラッシュバックする。
「何なんですか!?」
「お前は、一学期の授業を聞いてないから知らないと思うが、この魔術社会は基本一般人は居ない。僕たち蘆屋家のような名家かその分家がほとんどを占める。そして、基本的に魔力量と家の地位は本家に近ければ近いほど上がる。つまり、一般人のお前は、異物であり底辺の存在ということだ。俺の言いたいことは分かったか?」
「気にくわないんですか?僕のことが」
「ああ、すこぶるな。特別扱いされてるお前がな」
特別扱いをされた覚えはないがのだが。いや、能力の件か。
「俺と勝負しろ!格の違いを見せてやる」
は?こいつは、何を言ってるんだ?でも、ここで処理しとかないとまた小学生のときみたいに・・・
「分かった。やろう」
啖呵を切った僕は、蘆屋と共に模擬戦室へと向かう
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「ルールは、相手を降参させるか意識を失わせれば勝ち。これでいいか?」
蘆屋の提案に僕は頷き、短剣を構える。落ち着け僕は、実戦を経験したし優さんにしばかれた。きっと勝てるさ。と自分に言い聞かせた。
レディ
ぐっと力を籠める。思い出せあの時を!あの時の感覚を!
ファイト
開始の合図とともに、地形が砂漠へと変化する。開始の瞬間先手必勝と言わんばかりに雷を纏った札のようなものを投げ飛ばしてくる。攻撃のためだけじゃない気がする。これをばらまかれると碌なことにはならない、そんな予感がする。身体強化はまだ発動しないが、何とか札を避ける。
「思ったよりやるんだな」
「そりゃどうも」
「じゃあ、お前の魔術も見せてもらおうか!」
クソ、見せれるなら見せてるわ!どうする!このままじゃジリ貧だ。何としても身体強化をものにしなくちゃ。
「ほら、逃げてばっかじゃ勝てねえぞ。それにそろそろ俺の術が完成する」
多分札だ。札に不思議な形の魔力が練りこまれてた。今の札の場所は、僕と蘆屋を囲んでる?陣を張る術か!
「雷電結界」
蘆屋がそう叫ぶと僕を囲んだ札から雷の檻が出現する。
「お前は、すばしっこいから囲ませてもらった」
マズイ、この範囲だと避けることもできない。クソ!
「これで終わりだ!」
そう言い蘆屋は雷を纏わせた刀で切りかかってくる。
ヤバイ、負ける。負けたくない。きっと負けたら学院での生活が地獄になる。晒しものだ。もういじめられたくない!
体に力を籠める。あの時のように。速く、もっと速く。刀を避けられるように!
体に力が湧く。成功したのか?これなら!
「当たるかよ!」
斬撃を避けたことに驚きの声を上げた蘆屋をしり目に地面を叩き砂を舞い上がらせる。
「クソ!どこだ!」
優さんが言ってた。魔術師は魔力探知で相手のことを認識するって。でも!僕は魔力探知に引っかかりにくいなら!視界さえ奪ってしまえば、勝てる!
蘆屋の死角から飛び出し短剣で首を切りつける。
「これでどうだ!」
「この程度!!」
そう言い切り返してくる。左腕に直撃し骨が砕けた。こいつなかなか強いぞ。あのヤツメウナギことガーゴイルでさえくたばったってのに!ここはまた砂に紛れて。
「させるかよ!」
獲れえられた!マズイ!
「ライトニングショット!」
こちらに左腕を向け術を放ってきた。
雷を打ち出す魔法か!避けられない!
瞬間体がしびれ、肉が焼けていく。その感覚に思わず声を上げ倒れる。
「これで終わりだ!」
そう言い刀を振りかぶるが、彼は知らない。僕の能力を!瞬時に体を再生させ、斬撃を避け脳天を勝ち割るように短剣を振り下ろす。流石に彼も予想外だったのか反応が遅れ、見事直撃する。
「終わりはそっちだったみたいですね」
倒れ、意識を失った蘆屋に語りかける。
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