第3話 やっぱり俺のことが嫌いな後輩
「改めてお礼を言っておきます、昨日はありがとうございました。それと、妹とがずっと会いたいと言って駄々をこねるので近いうちに顔を見に来てください」
今日から3日間はバイトだし、月曜日と金曜日は来羽がご飯を作って待ってくれているので遊んでいる暇は無い。
「俺はバイトと妹の都合で土曜日しか時間が無いから行くのは土曜日でいいか?」
「それじゃあ妹にもそう伝えておきますね。妹が途中で寝てしまうと思うのでそうしたらすぐに帰ってください」
妹が俺に会いたいと言ってるだけなのでその妹が寝てしまったら俺を直ぐに家から追い出すということだろう。アドレスを教えたとはいえやっぱり星野は俺の事がまだまだ嫌いなままみたいだ。
でも、今一緒にご飯を食べてくれていることや、話せていることを考えたら前よりはマシだ。前に関して目を合わせることすらしなかったし合ったらすぐに逸らされていた。
「うんうん、楓が隼人と友達になって楽しそうでよかったよ。土曜日って僕も行っていいのかな?」
「小鳥遊先輩なら大歓迎ですよ。澄風先輩は来なくても別にいい……いや妹のためにもやっぱり来てください」
星野本人は小鳥遊にだけ来て欲しいと思ってるのだろう、そこまで露骨に妹のためというのをアピールされたら俺としても行きずらい。まぁ本当に星野が俺に来て欲しくないと思ってるのならアドレスなんて渡してこないし、この話をしてこなかっただろう。
「小鳥遊は星野の家に行ったことがあるのか?」
「結構な回数行ったことあるね。その時はまだ母親もいたし、普通に遊んでたりしたかな、今はそんな気楽に遊べないと思うけど。良かったら僕達も色々手伝おうか?」
「お気持ちだけで十分です、家庭の事情を他人に手伝ってもらう訳には行きませんから」
テスト勉強もあるし、1人で妹の面倒を見るのは大変だとは思うがそこは星野自身の責任感があるのだろう。親から妹を任せられたから自分で何とかしてみせると、俺は自分で背負い込まずに他人に頼ってもいいと思うけどな。
来羽は俺がいなくても大丈夫だし、誰かに世話を手伝ってもらうことなんてないがもし来羽が星野の妹みたいに誰かの世話が必要だった場合は必ず誰かの力を借りてるだろう。
親が帰ってくるのが1番いいが出張だししばらくは帰ってこないだろう。ぶっちゃけ俺の両親もいつ帰ってくるか分からない、結構前から居ないしもうすぐだとは思うんだけど。
まぁその場合はお母さんかお父さんから連絡が来るだろうしその時まで気長に待つとしよう。
星野と小鳥遊が雑談をしている間にご飯を食べ終わったので教室に戻る。スマホが振動したので見てみると星野から連絡が来ていた。
『澄風先輩、来ることになったのは仕方ないので認めますけど妹を甘やかしすぎないでくださいね、また会いたいと言ってしまうので』
『正直俺はあんまり子どもと関わったことがないからどこまでが甘やかしすぎに入るのか分からないんだ』
両親が仕事にまではずっと甘やかされてきた側だし、来羽と一緒に甘やかされてきたので来羽を甘やかしたことがない。別に親にも厳しくされた訳では無いが今となってはとても立派に成長している。
『なら私が言ったこと以外やらないでください。澄風先輩はロリコンですから、信用なりません』
『まだ俺の事をロリコンと言うか。そもそも俺は小さい子どころか普通の女の子にすら興味無いからな?』
興味がないというか興味を持つ時間が無いと言った方が正しいか。俺の1週間はバイトが4日での休みの2日は存分に休んでいる、そんな中で彼女なんて作ってもその彼女の時間を作れずに別れるのが目に見えている。
そもそもとしてロリコン全員が悪い人という訳では無いし、大体の人に関しては3次元じゃなくて2次元のキャラクターとしてロリが好きなだけだと思う。
『それでも本当に男の子なんですか? 男の子ってもっと付き合うために無理やり何かするものだと思ってるんですけど』
『やっぱり男子に対して偏見を持ちすぎだろ。実際小鳥遊はそんなやつじゃないだろ?』
『小鳥遊先輩が珍しくそういう人だっただけで澄風先輩はそうかもしれないじゃないですか』
どれだけ信用されてないんだよ俺、そんなことを思いながらスマホを片付けた。あと授業が2回終わればバイトか。
バイト先には俺を毎回からかってくる先輩がいるが逆にその人がいないとバイトをしている気分がないというのが現状である。何よりあのバイト先はあの人がいるからこそ楽しくやれているまである。
まぁあの人はいざと言う時に頼りになるし、俺をからかうということをしなければ完璧超人のバイターだ。
それから授業が2回終わって来羽に連絡をしてからバイト先に向かう。バイト先の位置は家の近くなのでそこまで時間はかからない。
「お、澄風くん今日も学校で疲れているだろうからお姉さんが抱きしめてあげよう!」
バイト先について真っ先にあの人、先輩である
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