第七章 羅生門

GM:症状がいったん収まるまでの数分間は、数時間にも感じられるだろう。

 1人平常に煙草を吹かす拓光は何を想うのだろうか…。

 何はともあれ、地獄はひとまず終わりだ。不定症状を残し、君たちはとりあえずの快復を見せる。


拓光:「……。」ゆっくりと六華から手を離し、煙草の吸い殻を携帯吸い殻入れに入れる

六華:「うぅ…。ぅ…あ…東地さん…陸奥さん…わ、私…。」恐怖している表情は残りつつも、自分が2人に言ってしまった言葉を思い出しハッとする

陸奥:「…大丈夫です。至極、当然の事だと思います。巻き込んだのは、私ですから…。」

六華:「わ、私…あ、あの…私…ご、ごめんなさい…そんな…。」束縛が解かれ立ち上がるも、恐怖心のせいかオドオドしながら視線が泳ぐ

紫苑:「あぅ…私…なにして…。」

蓮:「…っ。」立ち上がる

紫苑:「ぁ…なんか…蓮さん…ごめんなさい…こ、怖がらせちゃって…。」

蓮:「あ、えっと…いや…。」目をそらす

紫苑:「……。(目…そらされちゃった…私どんなふうに見えてたんだろ…?蓮さんのことも怖がらせちゃったし…心なしか拓光にも引かれてた気がする…)」

蓮:「…いや、こちらこそ申し訳ない。日々金さんこそ大丈夫…ですか?」

紫苑:「ぜんぜん!私自身はまねっこしちゃってただけなので…。」

陸奥:「…私は…。いえ…何でも。…皆様、大丈夫ですか?」

紫苑:「大丈夫です…進みましょうか…。(大丈夫な人は拓光くらいだけど)」

六華:「陸奥さん…私は大丈夫です。う…うぅ、蜘蛛が…は、早く先に進みましょう…。」そう言いながら腕をガリガリと掻いたり摩ったりしている


GM:錆び軋む鉄扉を押し開けると、途端、冷たい空気と共に濃密な土と草木の青い匂いが満ち広がる。そして、それに幽かに混ざるのは、毒のような甘い香りだ。


 そこに広がるのは、一面の緋と紫である。


 曼珠沙華と鳥兜が眼前、山の斜面に咲き乱れ一様に天を仰いでいる。

花を覆うように鮮烈に染まった紅葉が、ひらり、ひらりと舞い散る。

 花と葉に埋もれるように、旧く長い石段が、両に朱の灯篭を連ねながら山に向かって茫と伸び、頂からは巨大な石鳥居が、その遥か先からは刀疵のような紅の下弦の月が、夜闇に浮かび睥睨する。

 秋の冷たい山風がびょうと吹き、石段の麓に燃える松明の焔が揺れ、火の粉が夜空に舞い上がる。

 炎に照らされた石段の上に、先へ続く赤い跡が点々と浮かぶ。


六華:「こ、この光景は…夢の中でみた光景そのままです…。」

紫苑:「一面…有毒植物…。」


GM:歩みを進めようとした時だった。背後から悲痛な叫びが響く。


陸奥:「怖くは…!怖くは、ないのですか…?私は…怖い…!」


六華:「わ、…私も怖いです。でも、夢で何度も苦しみながらこの光景を見てるので…。それに、この先に私の痣を治す術がある気がします…うぅ…。」首横を爪でガリ…と掻く


陸奥:「見てください、今も、このランタンを持つ手が震えているのです。…これくらいはしなくてはと、そう思い買って出ても、それすら出来なくなりそうで。…私は、なんのために…!」


紫苑:「……。(怖い…怖いかぁ…そうだよね…明らかにやばそうだし…このままみんな死んじゃうのかなぁ…)」


六華:「わ…たしは…私は行きます…!もしここで皆が踵を返しても…私は!私は行きます…!…怖いなら…怖いなら…!来なくても良い!」恐怖に対抗すべく唇を噛みしめ決意にあふれる目にも、希望にすがる目にも見えるがそのまま階段を上り始める


紫苑:「…………。(でもどうせ死ぬなら、拓光の役にたって死にたいし…拓光は行方不明の親友…きっと親友以上の大事な人が…この先に居るかもなんだもんね…あぁつらいな…でも。)」


紫苑:「前に進まなきゃ…だよね…。」と拓光の顔を見た後、ボソリとつぶやき六華に続いて階段を登る


蓮:「無理についてこなくても構わない。明かり役なら誰だってできる。ここで待っていたって帰ったって誰も陸奥さんを咎めないでしょう。それだけの異常さがこの場にはある。だが、今回は陸奥さんについていくことは出来ない。ここまで知っておいて自分だけ関係ないは出来ないんで。」


陸奥:「…。私も、ここで一歩を踏み出したなら、もう戻れない気がしていました。でも、あなた達と一緒なら。響と、薄緑と、この京の都と縁のあるあなた達と一緒なら、きっと……。私は、私は響を助けに来ました…!」


拓光:「……。」煙草に火をつけながら、石段の上を見上げる。


 拓光は全員が脚を進めるのを煙草を吸いながら見届けた後、半分以上残った煙草を足元に捨て火を消すように踏みつける。

 その後、石段を2段飛ばしで上り、先頭に進む。

 刀袋から出した「鬼切丸國綱」を左手で強く握り絞めた───


GM:頂上に目を凝らすと、幻視で見た光景とは異なる点がある。

 階段の頂上に何かが光っているのだ。石段を登っていくと、刀が石畳に突き立っており、月光を反射し妖しく光っている。この世のものとは思えない妖艶な刃は、紛れもなく薄緑であろう。

 薄緑の刀身からは石段の方まで、青とも緑とも分からぬ色をした謎の液体が垂れている。

 最上段まで上れば石段から鳥居をくぐるように石畳が伸び、その先には切り立った岩壁がそびえ、注連縄の張られた洞窟が口を開けている。石畳には巨大な何かが這ったような跡があり、ところどころが派手に砕け、それは洞窟まで続く。

 刀身から垂れている液体は前方の洞窟へと点々と続いている。また洞窟との間、石畳の上に1メートル以上はある黒い大きな塊が転がっている。


拓光:黒塊に近づく


GM:黒い塊に近づいてみると、小指の爪ほどの黒光りする小蜘蛛がびっしりと覆いつくし蠢いている。

 光源を向けたり棒などで掻き分けて見ようとすると、小蜘蛛は一斉にその探索者の足や持っている棒などから登り始め、体に纏わりつく。


拓光:【日本刀】1D100<= 85 > 25 ⇒ 成功


GM:鬼切を伝いまとわりつく小蜘蛛を振り払うことに成功する。

 小蜘蛛は文字通り蜘蛛の子を散らすように逃げていく。小蜘蛛がいなくなった後、群がっていたものを見ると、それは足だった。人間のものではない。

 大人の背丈ほどもある巨大な蜘蛛の足だ。

醜悪にしておぞましい強大な蜘蛛を想起し、背筋が冷えるのを感じるだろう。もちろんSANチェックだ。


拓光:【SAN値チェック】1D100<= 61 > 65 ⇒ 失敗

紫苑:【SAN値チェック】1D100<= 27 > 4 ⇒ 成功

六華:【SAN値チェック】1D100<= 54 > 41 ⇒ 成功

蓮:【SAN値チェック】1D100<= 51 > 97 ⇒ 失敗


[東地拓光]SAN減少:61 → 60

[大原蓮]SAN減少:51 → 50


六華:「…っ!な、なんですかこれは…く、蜘蛛の足…?信じられない大きさ…。」と蜘蛛の足の写真を撮る


GM:〈生物学〉が振れるよ。あと拓光は〈日本刀〉を半分でどうぞ。


紫苑:【生物学】1D100<= 50 > 55 ⇒ 失敗

拓光:【日本刀1/2】1D100<= 42 > 27 ⇒ 成功


GM:この切り口を見た拓光は、かつて響の切った巻藁を想起した。


紫苑:「でっかぁ…。(響さんはこんなの相手にしてるってこと…?こんなの普通の人の手に負えるものじゃないでしょ…)」

拓光:「九頭龍が切ったのか…。」

六華:「響さんはまだ生きてる…そう信じましょう。」


GM:青緑の液体は不気味な色をした粘度の高そうな液体だ。〈医学〉が振れる


紫苑:【医学】1D100<= 85 > 83 ⇒ 成功


GM:その液体は人間ではない生物の血液だと分かる。哺乳類や鳥類、爬虫類でもない。虫のものではないのだろうかと予想できる。


蓮:「この刀…なんだこの光…どういう原理で…。」

六華:「光ってる…?」


・薄緑

 薄緑の柄を握ると、刀はまるで生き物かのようで、握った者の精神を食らってくるかのような異様な感覚を覚える。


蓮:「コレなんか変な感じがするから気をつけろ。」薄緑を東地に手渡す

拓光:「……。」


 拓光は黙って鬼切丸を紫苑に渡し、薄緑を漣から受け取り、緑の液体を払う。

その後、陸奥から薄緑の鞘を受け取り、刀身を収めた。

 謎の液体がスーツの肘窩部分に付いたが、不思議と嫌な気はせず、前に進む決意がより強くなった。


紫苑:「か…刀なんて扱ったことないけど…。」

六華:「……。」

紫苑:「……。(こっそり拓光の練習風景見に行ったりしたことはあるから…なんとなく見様見真似でならできる…の、かなぁ…でも…)」


六華:この刀が土蜘蛛を倒すためのキーだと確信している。東地と薄緑を祈るような気持ちで見つめつつ奥へ向かう決心を再度持つ


 点々と続く液体と何かが這ったような跡を追っていく。

 近くで見た洞窟は想像以上に大きく、まるで地獄へと続くような闇を開いている。

 石畳の何かが這ったような跡は、洞窟の中へと続いている。また、洞窟の入り口両脇には松明があり、赤々と燃え上がっている。

 洞窟の壁面には小さな蜘蛛がびっしりと犇めき、また人間の腕ほどにも束ねられた蜘蛛の糸が縦横無尽に張られているのが見える。

 まるでこの洞窟自体が一つの巨大な蜘蛛の巣であるかのようだ。容易ではないが進めないことはない。


GM:洞窟内では蜘蛛の糸や網に足を取られ〈回避〉ロールの成功率が半減される。

 さらに、洞窟に火を放てば、火は蜘蛛の糸を伝わって瞬く間に燃え広がり、洞窟全体が炎に包まれることは容易に想像がつくでしょう。


紫苑:【医学】1D100<= 85 > 79 ⇒ 成功


GM:地面には奥まで大量の人骨が続いている。

〈医学〉に成功すると、骨盤の形状からこれらが全て女性のものであると分かる。

また骨の一部が変色していることから、毒物による中毒死ではないかと推察できる。


六華:「く、蜘蛛が…骨が…。」肌を搔きむしりながら周りを見渡す


GM:〈目星〉さらに〈聞き耳〉をどうぞ


六華:【目星】1D100<= 85 > 44 ⇒ 成功

六華:【聞き耳】1D100<= 74 > 40 ⇒ 成功


GM:〈目星〉に成功すると、人骨に混ざって水筒が転がっているのを見つける。

 また〈聞き耳〉に成功すると、腐臭と獣臭に混ざる珈琲の香りに気づく。

 拓光はそれが響が持ち歩いていた水筒だと気づいても良い。


六華:「ひどい臭い…。あれ…こんなにひどい臭いがしてるのにコーヒーの匂いが…な、なんででしょう…。それに、こんな所に水筒が…クンクン…この中にコーヒーが入っていたみたいですね…?」と水筒を拾い上げる


GM:きしきしと、虫の食む音が聴こえてくる。

 洞窟の闇に目を向けると、その中に赤く燃える八つの眼が浮かぶ。

この白糸の縦横無尽に張り巡らされた巣穴の主が、少しずつその姿を表す。


 黒く、鋭い牛刀のような牙が、紫の毒々しい液体で濡れている。幾つものイボが膨れ上がった胴部に生える足は、太く長い。


 腹部はトリカブトのような紫で、上半身になるに連れて藍色に変化していく。

 それは醜悪な巨躯を悠然と揺らし、巣に絡め取られた獲物の前へと歩みを進める。だが、その足は七本しか無く、一番手前の足が深く、頭ごと袈裟斬りにされている。


 割られた頭部から緑青のような体液が流れ落ち、傷口には波打っている脳のようなものが見え隠れする。蜘蛛は、きしきしと牙を鳴らしながら響に歩み寄る。


 程無く、この化け蜘蛛は響の白い首に鋭い牙を突き立て、体液を瞬く間に吸い尽くしてしまうだろう。


GM:さぁ、最後のSANチェックだ!!


拓光:【SAN値チェック】1D100<= 60 > 28 ⇒ 成功

紫苑:【SAN値チェック】1D100<= 27 > 13 ⇒ 成功

六華:【SAN値チェック】1D100<= 54 > 43 ⇒ 成功

蓮:【SAN値チェック】1D100<= 50 > 16 ⇒ 成功

[東地拓光]SAN減少:60 → 58

[日比金紫苑]SAN減少:27 → 26

[轟六華]SAN減少:54 → 53

[大原蓮]SAN減少:50 → 49


GM:1D20だったのに…!

PL:いえーーーーい!!


GM:土蜘蛛が響に向かって左右に大きく体を揺らしながら、ふらふらと千鳥足で歩み寄り、そのまま静止する。


GM:探索者は、響が珈琲を浴びせたことにより、土蜘蛛はカフェインで酩酊状態になり、わずかな時間だが中枢神経が麻痺してしまっていることに気づく。この間、土蜘蛛は痛みを感じることも、こちらを認識することもないだろう。


拓光:「スゥ…。」


 息を吸い、今後にしなくてはいけないことを考える。集中し刀に手を添える。


紫苑:「響さん…!!!に…大きな蜘蛛…やっぱり怖い…けど私は、私にできることをしなきゃ…。」と六華を見るよ

六華:「え…!…し、紫苑さん…。」

紫苑:「六華さん…この刀はあなたに託します。実は左腕がダメになっちゃってるので…それに、散々毒で迷惑をかけられたんですから、あいつに一発入れてやってください。」


 震える手で刀に触れる。自分の震える手が憎い。唇を更に血がにじむほど噛み、震える手を上書きするように刀を強く握り受け取る。


六華:「……私に…私に任せてください…!私があのバケモノに…!1発ぶちかましてやります!!」


 六華はしっかり地面を踏みしめ、鞘から刀を出す。震える手で拙く力を込める、その瞳には既に恐怖は無く、決意に満ちている。その力強い眼差しで土蜘蛛を強く睨みつけるのだった。


蓮:「荒事は得意じゃないんだが…まぁ文句を言ってられる状況じゃないか。陸奥さんは下がっていてください。」


 蓮はいつもの軽い調子で応えるが、その両脚はしっかりと地を踏み締め、蜘蛛から目をそらさずに深く、長く息を吐く。


陸奥:「響を…どうか響を、助けてください…!」


【戦闘開始】


【第1ラウンド:六華ターン】


六華:「この状況はまずいですね…先に響さんを助けなければ…!」


六華:鬼切で響を捕らえている蜘蛛の巣の破壊を宣言する


 六華は酩酊した蜘蛛の懐に踏み込み、蜘蛛の白糸に対し闇雲な一閃を仕掛ける。

 恐怖で震える手から繰り出される剣術とは言い難いその一撃。しかし、その刃はするりと紙を断つかのように糸を切断していく。

 響はどさっと地に落ち、巣から解放されたのだった!


【第1ラウンド:拓光ターン】


拓光:東地は蜘蛛の糸から助けられた九頭龍と土蜘蛛の間に入り、土蜘蛛に攻撃をするべく、刀を抜きにかかる。居合との組み合わせで攻撃します。


拓光:【居合】1D100<= 85 > 7 ⇒ 成功

拓光:【日本刀】1D100<= 85 > 44 ⇒ 成功

拓光:【SAN値消費】3D10 > 24 / SAN減少:58 → 34

拓光:1D10+1D4+24 > 5+3+24 > 32点ダメージ!


GM:己の命を吸い輝く刀身を抜き放ち、蜘蛛を一閃する。

その攻撃は包丁を弾くほどの甲殻をいともたやすく断ち切り、明確にダメージを与えていく!


【第1ラウンド:紫苑ターン】


紫苑:ディレイ宣言。蓮と行動順を合わせて、一緒に響を安全域まで移動します。


紫苑:「響さん!!そのままじゃ危ないかも…でも私は左腕が…蓮さん!!陸奥さんのとこまで運ぶのを手伝ってくれませんか!!」


GM:解放された響を安全域まで引きずりだそうとするも、動かない左腕は枷となり、響の身体は重く感じられるのだった。


【第1ラウンド:蓮ターン】


蓮:「あぁ、急ごう!!」響と紫苑のもとへ向かう


GM:紫苑、蓮による協力筋力対抗ロール。代表者:蓮 / 成功率50%


蓮:【STR対抗】1D100<= 50 > 69 ⇒ 失敗

[大原蓮]幸運値使用:69 → 50 ⇒ 成功


GM:一瞬、糸に足を取られたかのように思えたが、直後、縦横無尽に張られた網がゆりかごのように蓮の身体を支える。蜘蛛に変じた少女たちの思いが、蓮と紫苑の背を押すかのようで。

 蓮は駆けつけ、紫苑と共に響を救出し、後方で控える陸奥に受け渡す。しっかりと抱き止められた響を確認し、二人は戦場へと舞い戻るのだった。


【第1ラウンド:土蜘蛛ターン】


GM:土蜘蛛は酩酊により行動不能!!


【第2ラウンド:六華ターン】


六華:【MP消費】15 → 8

六華:【日本刀】1D100<= 40 > 76 ⇒ 失敗

[轟六華]幸運値使用:75 → 49 ⇒ 成功


六華:【HP消費】13 → 3

六華:1D10+10 > 8+10 > 18点ダメージ!


 六華は地面を深く踏みしめる。土蜘蛛を強く睨みつけ思い切り刀身を振るう。


六華:「土蜘蛛!お前を殺して私は生きる…!!…例えこの痣が消えなくても…絶対に生き延びてやる!! ハァッ!!!くたばりなさいバケモノ!!!!!」


GM:六華は妖刀に全身の力を吸い取られるような感覚を覚えながらも、拙い剣術のようなものを繰り出す。

 幸運の成せる技、執念が見せた一寸の輝きか、それは奇跡的に剣術足りえる軌道を描き、土蜘蛛の身体を逆袈裟に切り上げる!

 蜘蛛は動きが鈍く、かなり出血も多い。思ったよりも深く切り込んだのだろう。

六華は文字通り、一撃食らわせてやったのだった。


GM:土蜘蛛は、確実に弱っている!!


【第2ラウンド:拓光ターン】


拓光:引き続き攻撃します。もーそろそろ倒れるでしょ!


拓光:【日本刀】1D100<= 85 > 68 ⇒ 成功

拓光:1D10+1D4 > 7+1 > 8点ダメージ!


拓光:「フンッ!」


GM:拓光は、返す刀で十文字に傷を刻む。その手には、確かに手ごたえを感じた。

体液が滴る頭部の傷に刻まれた。

 2人で刻んだ新たな十文字は脳漿を飛び散らせ、徐々にその巨大な命の鳴動を静かに止めていく。

 ふらふらと千鳥足のままで、その足取りは力なく一本、また一本と折れ、7本の脚は畳まれ、その巨体の自重を支えられなくなっていく。

 そうして、動かなくなったのだった。


【戦闘終了】


GM:土蜘蛛の死骸に壁の小蜘蛛が一斉に群がり始め食い尽くされていく。

 呪いを受けた探索者は、蜘蛛の痣が消えていることに気づく。六華の《蜘蛛の呪い》は解除された。

 拓光は洞窟の入り口付近まで戻り、陸奥に声を掛ける。


拓光:「九頭龍の様子は!?」


 響を助け起こし呼びかけると、少しだけ目を開き、虚ろな目のまま「初音…」とだけ呟き、意識を失う。

 脈は弱く、体温も低い。ただちに病院へ搬送する必要がある。そうすれば命には別状はないだろう。


紫苑:「よかった…響さん…大変な状態ではあるけど、直ぐに病院に連れていけば命に別状はなさそうだよ。」

拓光:「そうか…。」煙草に火をつけて安堵する。

六華:「ハァ…ハァ…。」


 六華は響達を横目に見ながら、地面に膝をつき、刀でどうにか体を支えている状態の中、自分の服をずらして痣の消失を確認する。

 死と隣り合わせという緊張状態が切れたのか、そのままズルリと体を支えられなくなり倒れ込みながら力なく笑うのだった。 


六華:「ハァ……ハハ…アハハハ…消えてる…痣が…消えてる…!」


 拓光はその様子にドン引きしながらも六華から刀を回収し、鞘に収める。


蓮:「轟さんが刀を振ってくれて助かった。立てるか?」右手を差し出す

六華:「ハァ…ハァ…。ぁ…蓮さん…、私…へへ…やってやりまし…た…。」と蓮の手を取ろうとするも、ふらりと蓮に倒れこむ


蓮:GM、片腕と体で受け止めようとするができますかね?出来たことにしませんか?

GM:いいでしょう、男をみせろ。


蓮:「おっと…。」


 蓮が咄嗟に支え、六華は抱き止められる形で何とか立ち上がる。

その時、洞窟の奥から小蜘蛛の足音に混じって、足音が響いてくるのだった。


???:「そんな…土蜘蛛様が…。」


GM:片腕の老婆が左手で右腕のあったところを押さえながら、ふらふらと歩いてくる。写真を見た探索者は、この人物が六角長光だと分かる。


六角長光:「お、おぬしら…ァ!」と睨みつける

拓光:「…お前は六角か…?」眉間にしわを寄せながら問いかける。

六角長光:「ひっひっひ…いかにも…。わしこそが、六角暴力団…いや、那落迦宗首魁、六角長光である…!」

拓光:「まず、何故このようなことをしているのか聞こうか…。」

六角長光:「阿烙子を阿多邏倶天に捧げれば、この上ない幸運が訪れる!わしらの血族はそうやって勢力を伸ばしてきたのじゃ!」

拓光:「幸運ねぇ…。」煙草の煙を吐いた後、煙草を咥える。

六角長光:「なんじゃ、どうした?わしは行き場のない娘どもに価値を見出してやっただけじゃ!何をそこまで言われることがあるのか…。」


拓光:ぶん殴っていい?

GM:どうぞどうぞ


拓光:【こぶし】1D100<= 85 > 62 ⇒ 成功


GM:狂い切った思想を大仰に謳うその顔面に、大きな拳が叩き込まれる。


六角長光:「ぶべらぁ!!きっ、貴様ァ…何をするか!その女は五反田の邸宅で無関係な者まで殺したぞ!その女は正義で、わしは悪なのか?ええ!?」


拓光:気絶しねえの!?

六華:元気だな…

蓮:腕一本飛んでるのにな…

紫苑:腐ってもキモは極道ものかぁ


拓光:「こいつはどうする?」老婆の声を無視しつつ、一行に声をかける。

蓮:「野放しにするわけにはいかないだろう。」

六角長光:「わしは、その女のした事が悪いとは思うておらぬ。復讐せねば気が収まらんのじゃろ。その女は己の欲を露わとした。仕方のない事じゃ。…されば今また、わしのしていた事も悪い事とは思わぬぞよ。これとてもやはり、わしの欲じゃて、仕方がない事じゃわいのぉ。」

六華:「な、なんですかその言い方は…!どこまで最低な人間なんですか…!どれ程の人が苦しみ犠牲になったか分かっているんですか…!」蓮に礼を伝えつつグッと起き上がる

紫苑:「罪は償ってもらわないと…ですよね。少なくともたくさんの少女たちを手にかけたことは事実。極道の頭なら警察に明け渡したところで意味はないかも…。」

拓光:「なら、価値を見出した娘さんに、こいつの処遇を決めてもらうとするか…?」


 拓光は不気味なほど優しそうな笑顔を見せながらそう言う。一行は東地の笑顔を初めて見ることになった。


蓮:「その身自ら主の餌の餌になるのはこの上ない幸福だな?」

紫苑:「……。(拓光の表情筋がこんなに動いてるの初めてみた…。笑ってるけど全然目は笑ってない…)」

六華:「…え?え?み、みなさん…?ど、どういう意味ですか…?」


GM:ゴリラががっちり老婆の残る腕を取り上げ、地下室の大部屋まで連行する。

 そう、そこは石造りの部屋の真ん中。トリカブトの意匠の入った金属の円盤がある。その中にあるものは、もう知っている。


六華:「え?え?皆さーーん!?」1人おいて行かれ、パタパタと皆の後を追いかける


六角長光:「おお、阿烙子の壺か。なるほど。ここに放り込もうという算段か。ここまで来て手を汚したくないとは、都合のよい連中だのぉ…!」

蓮:「嬉しいだろう?主の一部になれるのは。あ、もういないんだったか。」

紫苑:「人間なんてみんな都合のいい者ですよ…もちろん私も…(拓光を少し悲しげな笑顔で見て)あなたも含めてね。(老婆のことも哀れんだ瞳で見る)」

六華:「ひっ…!こ、この部屋は…。わ、私…外で待ってます…。」やっと理解し部屋に入らず外で耳を塞ぎしゃがみこむ

六角長光:「くくく、くふふ…ひゃっはっはっはっは…!!好きにするのがよいわ。この身も糧となりていずれ土蜘蛛様の元に…!!」

拓光:「娘さんに決めてもらいな。」と背中を強く押す


GM:では、背中を強く押され、六角は腐臭の穴の中に吸い込まれていく。

高笑いを上げながら、四肢が引き千切れる音と共に、冥い壺の底へと消えていったのだった。


GM:次回、エンディング!

拓光:あぁ、もう終わるのかぁ

GM:そうだ、始まったものはいつか終わり、永劫続くことはない。楽しかった時間にもお別れを告げる時だ。

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