第五章 禍根の鎖
手に入れた四条の住所へ行ってみると、そこは大きめの立派な平屋作りの一軒家だった。
生け垣と門があり、門から玄関までは石畳が敷かれた道がある。
その周りは芝の生えた庭だ。しかし、芝は乱雑に伸びており、またところどころに剥き出しの土が見えている。どうやらあまり手入れがされていない様子だ。
生け垣に大きなコガネグモが見事な幾何学模様の巣を張っており、捕らわれて自由を失った蝶が食われている。
六華:「うぅ…く、蜘蛛が……。」(コーヒー豆を強く抱く)
紫苑:「大丈夫です。あの蜘蛛はコガネグモなので毒性はないですよ…。」
六華:「あ、そうなんですね…それにしても不気味です。」
GM:庭には紫色の花が咲いている。紫苑にはそれがトリカブトだと分かる。また、紫苑は『貴方は私に死を与えた』『復讐』という花言葉を想起する。
紫苑:「ん?…あの花は…。」
隣人:「四条さんなら旅行かは知らないが最近留守ですよ。」
GM:玄関に近づいた君たちに声をかけてくる者がいた。どうやら隣人のようで、いくらか話が聞けるかもしれない
六華:「あ、教えてくださりありがとうございます。お隣さんから見て、四条さんという方はどういう方ですか?」
隣人:「そうですねえ…覚えてる限りだと……」
・夫婦仲はよくなかったようだけど旦那さんはとても愛想のいい人だ。
・奥さんは半年前に家を出てしまったらしい。
・娘さんも利発で礼儀正しい。
隣人:「…くらいかしら。」
蓮:「最近…?どれくらいかわかります?」
隣人:「そうねえ、2週間くらいかしら。おっと、じゃあ、私は用があるのでこれで。特売セールが終わっちゃうわ。」
六華:「わざわざありがとうございました。」
GM:と買い物かごを下げた隣人は去っていった。というわけで入口です。〈聞き耳〉が振れるよ
六華:【聞き耳】1D100<= 74 > 23 ⇒ 成功
拓光:【聞き耳】1D100<= 50 > 40 ⇒ 成功
紫苑:【聞き耳】1D100<= 25 > 72 ⇒ 失敗
GM:ではほんのりと風に乗って腐臭がするよ
紫苑:「ぽけ~。」
拓光:「…?」煙草に火をつける。
六華:「クンクン…ん…、なにか変な匂いがしますね…。」
GM:続いて〈追跡〉〈目星〉が振れる
六華:【目星】1D100<= 85 > 6 ⇒ 成功
紫苑:【追跡】1D100<= 42 > 63 ⇒ 失敗
拓光:【追跡】1D100<= 10 > 48 ⇒ 失敗
蓮:【目星】1D100<= 75 > 72 ⇒ 成功
GM:玄関の扉は施錠されていない。〈追跡〉〈目星〉に成功すれば、靴の足跡が家の裏に向かって続いていることが分かる。足跡は女性のもののようだ。
裏に回ると軒先のガラス戸が割られ錠が開けられていることに気づく。
拓光:「先に二人で入るから、大原と轟は周りに注意して待っていてくれ。」
蓮:「了解。」
六華:「えっ…あ、わ、分かりました。(急に喋ってびっくりした…)」
紫苑:「…。(久しぶりにちゃんと声聞いた気がする)」
GM:家の中に入ると鼻腔を刺すかのような強烈な腐乱臭に満ちている。
思わず鼻を覆わずにはいられない。ゲロ以下の匂いがプンプンするぜ!!
拓光:鬼切を刀袋から出して、居間に進む。
紫苑:「うっ…。」(すごい匂い…)
GM:居間に入る。見渡せば日用品はどれも豪奢だ。ゴルフバッグが床に転がっている。
隣室への襖が開け放たれ、隣室が見える。どうやら寝室のようだ。布団が敷かれているが、ぐちゃぐちゃに乱れている。
GM:しかしそれ以上に目を引くのは、布団の上に、赤褐色に変色した、おびただしい量の血痕が広がっていたことだ。血痕は部屋の畳の上に引きずるような跡をつけ、奥の〔廊下〕へと続いている。
GM:部屋を見渡せば寝室の隅に乾いた血の跡がある[ゴルフクラブ]を見つける。これは[大きな棍棒]相当だね
六華:外で庭や建物の写真をとったり、二の腕の痣を撫でたりしている
蓮:蓮君じゃなかったら画角にピースして割り込んで邪魔するのにな
GM:外は平和だな
六華:「2人とも遅いですねぇ。」としゃがみ込んで暇そうにしている
GM:奥の廊下にもはっきりと血の跡が続く。血痕は脱衣所を抜け〔浴室〕へと続いている。浴室の戸は閉められており、またその先、すぐ近くの障子が開け放たれている。
拓光:ゆっくりと浴室の扉を開ける
GM:浴室の戸を開くと、中からハエが飛び出してくる。
バスタブには血まみれの、全裸の男の死体が押し込まれており、開いた傷口からゴキブリが侵入し、蛆が蠢き、血肉を貪っている。浴室中をハエが黒い霧のようにして飛んでいる。
拓光:【SAN値チェック】1D100<= 73 > 80 ⇒ 失敗 ⇒ 1D4 > 4
紫苑:【SAN値チェック】1D100<= 43 > 88 ⇒ 失敗 ⇒ 1D4 > 3
[東地拓光]SAN減少:73 → 69
[日比金紫苑]SAN減少:43 → 40
GM:中身もキャラも虫ダメなのか
拓光:ちゃんとダメだったわ
紫苑:拓光が思ったより人だったわ
GM:あ、〈医学〉が振れます。
紫苑:【医学】1D100<= 85 > 6 ⇒ 成功
GM:〈医学〉に成功すると、この死体は死後二週間程度が経過していることが分かる。また後頭部に打撲痕があることに気づく。
撲殺だ。何度も何度も殴られ、頭蓋骨が陥没し頭部が変形している。
陸奥:「悲鳴が…!」と向かおうとします
六華:「な、なに…?!紫苑さんの叫び声!行かなきゃ…!!」ガバッと立って走って行く
蓮:「ちょっと待て!後ろから付いてこい。」陸奥の肩をつかんで言い聞かせ六華の後を追う
陸奥:「わ、わかりました…。はい…!」
GM:全員が合流しますと、腰を抜かしている紫苑と、口元を覆う拓光の姿があった。
六華:「紫苑さん!拓光さん!大丈夫ですか!?」玄関のドアをバン!と開けて駆け寄る
蓮:「どうした!?」
拓光:「…虫が…!!」
紫苑:「ウッ…おえ…。」
六華:「え?!む、虫…?あぁ、たしかにハエが鬱陶しいですね。うわ、クサッ!」手でパタパタとハエを散らす
紫苑:「…よ、浴室は見ないほうが身のためです…。」
陸奥:「なんて事…此処でも…そうですよね……。」
GM:奥には開けられた障子が見えているよ
拓光:入るかぁ…
六華:もう入れって言ってるようなもんじゃん
蓮:まぁGMは見てほしいものがあるんでしょうきっと
GM:開け放たれた障子の奥は和室である。
中には異様な光景が広がっていた。部屋は真っ白に見えるほど蜘蛛の糸が張り巡らされている。
何よりも目につくのは、その中心。
黒く艶のある長い八本の足が伸びる金と翠の縞模様の巨大な膨れた蜘蛛の腹から、透き通るような白い肌の裸の少女の上半身が、まるで蜘蛛の体から生えてきたかのように伸びている。
さながら蜘蛛の巣に架かった蝶のように、部屋を埋め尽くす絹のような糸に、もたれかかるようにして倒れていた。
“それ”は、胸の谷間にある毒々しい蜘蛛型の痣を貫かれ、穏やかな表情を浮かべながら息絶えていた。
身の毛がよだつほどおぞましくも、息を呑む美しさを兼ね備えた鮮烈にして凄絶なこの世ならざる白と黒のコントラストは、まざまざと脳裏に焼き付くのだった。
陸奥:「……!!」
GM:当たり前ながら、SANチェックだ。デカいぞ。気を付けろ。
六華:気を付けようがねーよ!
GM:祈れ
拓光:【SAN値チェック】1D100<= 69 > 12 ⇒ 成功 ⇒ 1D4 > 4
紫苑:【SAN値チェック】1D100<= 40 > 75 ⇒ 失敗 ⇒ 1D8 > 2
六華:【SAN値チェック】1D100<= 71 > 62 ⇒ 成功 ⇒ 1D4 > 3
蓮:【SAN値チェック】1D100<= 69 > 90 ⇒ 失敗 ⇒ 1D8 > 7
[東地拓光]SAN減少:69 → 65
[日比金紫苑]SAN減少:40 → 38 不定領域突入!
[轟六華]SAN減少:71 → 68
[大原蓮]SAN減少:69 → 62
紫苑:【不定の狂気決定】1D10 > 9 「一時的偏執症:不安障害」
蓮:【アイデア】1D100<= 75 > 10 一時的発狂!
蓮:【一時的狂気決定】1D10 > 9 「奇妙なものを食べたがる」
蓮:【継続時間決定】1D10+4 > 7+4 > 11ラウンド
蓮:これ奇妙なものって…
GM:目の前にあるじゃないですか
蓮:デスヨネー
GM:ふらふらと、蓮は目の前の初音と思われる遺体に吸い寄せられるように近づいていく。君にとってはその異臭すらもとても芳醇で、香しい上等な料理に感じられる。
蓮:初音の前に跪いて前足を撫でまわす
GM:眼の前の蜘蛛の足が、とても美味しそうだ…!艷やかなその節足は、さながらジューシーなチキンのように見えていることだろう。
蓮:「ははっ…。」足を持ち上げゆっくりと口を開け、口の端からは溢れ出た涎が垂れていく
陸奥:「蓮さん…?」
六華:「れ、蓮さん!?え、な、何してるんですか…?!」
GM:なにをする、目の前の美味しそうなモノを、食べてみたいというこの欲求を邪魔するな、この気持ちは、どこからくるのか?自分は一体何をしているんだ?あぁ、それでも、これを食べたい。その気持だけが体を突き動かす…!
蓮:誰の声も、何の音も聞こえていない。そのまま持ち上げた足先を口に含み歯を立てる。
六華:「キャァァアア!?や、やめてください蓮さん!!」と蓮の手を掴んで引っ張る
拓光:「……。」(ドン引き)
紫苑:【精神分析】1D100<= 50 > 24 ⇒ 成功
紫苑:「蓮さん?!落ち着いてください!私を助けてくださった蓮さんなら戻れるはずです!!こっちを見て!!!」
蓮:「あ…ぇ…。」
GM:紫苑が銀糸の海をかき分け進み蓮の肩を掴む。
ぼやけていた意識に光が戻る。蓮は自分を見つめる女性の力強い瞳をしっかり見据える。その瞬間、自分が口にしているものを自覚したのだった。
蓮:「…!?」目を見開き飛び跳ねるように目の前の物から離れ口を拭う
六華:「ふぅ…。」泣きそうになりながらも蓮が元に戻ってほっとする
蓮:「…日比金さん、助かった…。なんだか頭がおかしくなっていたみたいだ…ありがとう…。」何であんなことをしたのかわからずにまだ混乱している
紫苑:「よかった…。」
六華:「ほ、本当にびっくりしました…。」
陸奥:「はたして美味しいのでしょうか…蜘蛛…。それはそれとして何事もなくなによりです…。そして、この方がきっと、初音さん、なのでしょうね…。」
蓮:「轟さん、コーヒー1本貰っても…?」
六華:六華ってコーヒー持ってるんです?
GM:コンビニで昨日買ってたじゃないですか。あ、じゃあ〈幸運〉どうぞ
六華:【幸運】1D100<= 75 > 34 ⇒ 成功
GM:お見事。じゃあ持ってます
六華:わーい
GM:六華は護身(?)のための缶コーヒーを買い込んでいることを思い出した。
六華:「はい、もちろん!どうぞ。」と缶コーヒーとハンカチを出して渡す
蓮:「ありがとう、ちょっと口をゆすいでくる。」ぺっぺっin庭
六華:「……はぁ…。」蜘蛛になって死んでしまっている初音の写真を撮る、とても綺麗
GM:口をゆすぎに行った大原蓮を待ち、改めて全員で行動を開始するのであった。
部屋を埋め尽くす糸を抜いていえば、少女の部屋にしてはかなり質素である。飾り気がなく、無駄な物がない。
GM:むしろ座敷牢一歩手前みたいな?
紫苑:がっつり囚われの身じゃん
GM:あ、初音と思われる遺体に〈医学〉が振れます
紫苑:【医学】1D100<= 85 > 52 ⇒ 成功
〈医学〉に成功すると、少女は死後一週間以上、二週間以内であると分かる。彼女の傷は日本刀による刺殺のようだ。
蜘蛛の足の近くには刃の先端が欠けた包丁が落ちている。血は付着していない。
GM:机の上には、二枚の写真が飾られている。一枚は父母らしき人物と一緒に、姉妹らしき二人の黒髪の幼い少女が写っている。少女たちはどことなく響と初音に似ている。写真の日付は十年前だ。
そしてもう一枚は、響と初音、奏の三人で撮られている写真だ。三人とも仲良さそうに微笑んでいる。これは奏の部屋の写真と同じものだ。
四条家の人間と撮った写真は一枚もない。
陸奥:「…少女の部屋にしては、殺風景というか…。どちらかと言えば、牢のような…。」
六華:「ですね、まるで管理されてたような…。この写真…やはり、響さんと初音さんはやはり姉妹なのでしょうか…。」部屋の写真や見つけたものを撮る
陸奥:「そう考えるのが、自然でしょうね…。」
六華:「……。」蜘蛛の死体をチラ見しながら自分の二の腕の痣を見る
GM:君たちは探索を続け、一つの部屋に目が留まるよ。
◆四条村正の書斎
豪奢な調度品が並ぶ書斎だ。しかし、部屋は嵐の去った後のように荒れている。手当たり次第に物が投げつけられたのか、そこらじゅうに傷がついており、床はガラスの破片と本が散乱している。
GM:どこから調べる?
拓光:まず机かな
▼机
机には施錠できる引き出しがあるが、強引にこじ開けられている。中は空だ。
机の上には二冊の本が広げられている。片方は[阿烙子文書]、もう一冊は[DIARY]と表紙に書かれている。
▼阿烙子文書(あらくねもんじょ)
表紙には「阿烙子文書」と書かれており、花をモチーフにした紋様が紫色の判で押されている。
中身は「那落迦宗」の名簿と研究記録のようだ。
名簿には写真にあった五名、つまりこれまでに死亡していた五人の男性全員の名前と住所がある。
先頭に「教祖・六角長光」とあり、住所が併記されている。
また、名簿部分には一枚の写真が挟まれている。写真の人物らに見覚えがある。
辻斬事件の被害者である一ノ瀬、二宮、三東の顔だ。そして浴室で死んでいる男と、京都副知事である五反田の顔も並んでいる。彼らの中央には老婆が座っている。
身なりはいいが、目がギョロっとしていて全身から得も言われぬ醜悪さが滲み出ている。恐らくこの老婆が六角長光であろうと推察できる。
GM:〈ナビゲート〉が振れるよ。
蓮:【ナビゲート】1D100<= 40 > 29 ⇒ 成功
六華:【ナビゲート】1D100<= 10 > 6 ⇒ 成功
紫苑:【ナビゲート】1D100<= 10 > 63 ⇒ 失敗
拓光:【ナビゲート】1D100<= 10 > 91 ⇒ 失敗
GM:〈ナビゲート〉に成功した蓮は、この住所には六角という京都にある暴力団の屋敷があると思い出せる。悪名高く、京都府警もおいそれと手を出せないでいることを知っている。
GM:阿烙子文書読む?
紫苑:ここまで来て読まない選択肢ないでしょ
GM:では、この文書の研究記録には四条村正を含めた教団が行った過去10年の冒涜的な実験の数々が事細かに記載されている。重要な記述は以下のとおりである。
・那落迦宗は昔から女性を誘拐し、毒蜘蛛の毒を体内に注入し蜘蛛女に変異させていた。
・ギリシャ神話にちなみ蜘蛛に変異した女を阿烙子と呼んでいる。
・阿多邏倶天を信仰し、阿烙子を捧げている。
・各地から家出少女などを甘い言葉で巧みに誘ったり、拉致するなどして六角の屋敷に連れてきている。
・最近の六角はもっと活きのいい生贄を要求し、変異の成功率が低いとうるさい。
・十年前、阿多邏倶天の神託によって選ばれた初音を手中に収めるため、響と初音の実の両親を交通事故に見せかけ殺害し、初音を養女として引き取ることに成功した。
・初音が18歳になる明日、蜘蛛の毒を注射し阿烙子への変異を行なう。
最後の日付は10月31日だ。
GM:こちらの資料、魔導書扱いなのでSANチェックの後に〈クトゥルフ神話〉技能を贈呈いたします。
六華:要らねえ~
拓光:【SAN値チェック】1D100<= 65 > 11 ⇒ 成功
紫苑:【SAN値チェック】1D100<= 38 > 75 ⇒ 失敗 ⇒ 1D3 > 1
六華:【SAN値チェック】1D100<= 68 > 9 ⇒ 成功
蓮:【SAN値チェック】1D100<= 62 > 42 ⇒ 成功
[東地拓光]SAN減少:65 → 64
[日比金紫苑]SAN減少:38 → 37
[轟六華]SAN減少:68 → 67
[大原蓮]SAN減少:62 → 61
蓮:「この六角の住所、ヤクザの屋敷があった気がするんだが…。」
六華:「ですね、ここは暴力団の…こんなところまで関与してるなんて。うーん…入れるでしょうか…。」
紫苑:「……。(暴力団…!?!?余計にやばそう…)」
▼棚の上
割れた水槽が2つある。土が敷かれ流木が置かれている。水は入っておらず、入っていた形跡もない。そのまま〈目星〉をどうぞ。
六華:【目星】1D100<= 85 > 65 ⇒ 成功
GM:〈目星〉に成功すると、水槽の近くで本の下敷きになって死んでいる一匹の蜘蛛の死骸を発見する。響の家で見たものと同じようだ。5cmほどで紫がかった体をしている。
六華:「キャッ!…こ、こんな所に蜘蛛がつぶれて…!この蜘蛛、私を刺した蜘蛛にそっくりです!」蜘蛛の写真や水槽も写真撮る
蓮:「同種…養殖していたのか…?」
GM:では、机を見ていた陸奥が声を上げるよ
陸奥:「これ…!響の日記です!」
▼DIARY
日記の最後のページが開いて置いてある。最後のページより前の項はどうということはない、誰しもが同じような日常を過ごし、どこにでもあるような平凡な日常の日々が小さく、綺麗な字で延々と綴られている。だが、その最後のページは一際丁寧に書かれていた。
【最後の日記】
初音は目に涙を浮かべて私に殺して欲しいとお願いしてきた。
この子の人生はこれからだったのに…。
私達の実の両親のみならず、初音までも奪った外道どもは一人残らず私の手で葬る。
たとえ、この刀で私の身がどうなろうとも。
四条村正は私が殺しました。後悔はありません
こいつらは人を人とも思っていない。
こんなことなら初音を東地や陸奥、私の両親に早く紹介しておけば良かった。
引っ込み思案なあの子の事を一体何人が覚えていてくれるのでしょうか。
お父さん、お母さん、育ててくれた事に感謝しています。
血は繋がっていないけれど本当の両親だと思っています。
今まで本当にありがとう。そしてごめんなさい。
みんなと過ごした穏やかな日々は、かけがえのない時間でした。
11月5日 九頭龍響
哀しいこと言わないで
響は私が助ける
初音ちゃんのためにも、これからあなたには幸せになってほしい
私も同じ罪を背負う
響の家で待ってるから
あなたがこれを目にすることを願って
奏
GM:君たちがこれを手に取って読むと、日記から響の友人である東地拓光と写っている写真が床に落ちる。
紫苑:「あれ…なにか床に…。あ…拓光…これ。」
拓光:「ん…?これは…いつの写真だろうか…?」
紫苑:「……。(二人の写真。本当に仲良しだったんだな…日記に挟むくらい大切な存在だったってことだよね…)」
GM:その写真はどうやら大学の学祭の時に撮られたものらしい。
呼び止められ、背後から撮られたような構図で仏頂面で堅物の2人がピースサインで写っている。
たったそれだけの写真1枚。されどその写真は、その存在は響にとって心強いものだったのだろう。闇を照らし、蜘蛛の糸を焼き払い、進む道を示す松明として…。
GM:実は拓光の名前、偶然だろうけどめっちゃ良いネーミングなんだよね
紫苑:拓く光だから?
GM:それもある。松明って英語で「Torch」なんだよね
拓光:うっわめっちゃぞくっと来たわ。気付かなかった
六華:うわーなるほどね!
蓮:ちゃんと主人公じゃん
GM:絶対描写に絡めてやろうってキャラ出来た時から思ってたわ
六華:「響さんにとって、とても大事な写真だったんですね。」
紫苑:「……。(そう…だよね…)」
拓光:「……。」黙ったまま手渡された写真を私物の手帳に挟む
六華:「それにしても、この日記の内容…。響さんは復讐のために動いているみたいですね。奏さんはここで蜘蛛に刺されてしまったのでしょうか…。」チラリと潰れた蜘蛛を見る
紫苑:「…。(二人にとって大事な思い出なんだよね…)」
蓮:「……。」
GM:ぷつりと糸が切れたように、陸奥がその場に膝から崩れ落ちた。
陸奥:「……取り返しの付かないことをしてしまった…奏ちゃんに薄緑が失くなったことを伝えるべきじゃなかった…。」
紫苑:「むつさん…?大丈夫!?」駆け寄り意識があるのを見てホッとするが掛ける言葉を失っています
陸奥:「ごめんね…ごめんなさい…。」
六華:「あっ…、だ、大丈夫ですか…?」驚きながらもその場に立ち尽くす
蓮:「陸奥さん…少し外の空気を吸いに行きましょう。立てますか?」手を差し伸べる
蓮:これって発狂してる?
GM:正解。落ち着かせるには〈精神分析〉がいるよ
蓮:やるかぁ
蓮:【精神分析】1D100<= 61 > 32 ⇒ 成功
陸奥:「…っ、は、はい…。」
GM:肩を借り、陸奥は力なく立ち上がり、外に出る。
ほどなくして全員外で合流することにはなるが、外に出た蓮は、気づけばもうすでに日が暮れているのに気が付く。
下限の月が煌々と空にさんざめく。
月明りは狂気を呼び、怨嗟と悲しみの連鎖はここに極まれり。
夜道に君たちの影を落とし、暗さの中に昏さを醸し、深淵に臨み、深淵を望む。
GM:というわけでかなりバックボーンが見えて来たね。
紫苑:初音ちゃんただただ可哀そうじゃん
蓮:発狂良い感じ?
GM:いやーノリノリでやってくれるのいいね
拓光:ちゃんとドン引きだよ
六華:次は六角の屋敷?
紫苑:うん、それ以外行くとこあるかな?
GM:ないね。というわけで次回は六角の屋敷に向かうよ。
PL:はーい
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