第四章 平安御伽草子
GM:というわけで北野天満宮に到着しました
菅原道真を祀る神社の宗祀(総本社)である。
ここでは景色を写生している人が多く見られる。響は北野天満宮で宝物殿などを観光客に向けて案内や説明をするボランティアをしていた。
また、北野天満宮の参道から入ってすぐの左手に“東向観音寺”がある。探索者は北野天満宮を訪れる際に必ずこの前を通る。
▼東向観音寺(ひがしむきかんのんじ)
観音寺には土蜘蛛塚と呼ばれる場所があり、小さな祠に石灯籠がポツンと置かれている。隣にある石碑に何やら書かれている。
GM:〈歴史〉をどうぞ
蓮:【歴史】1D100<= 80 > 71 ⇒ 成功
▼土蜘蛛の伝説
平安時代中期。源頼光という武将がいた。あるとき頼光は悪病により病床に伏す。
ある夜のこと、頼光の枕元に法師が現れ、縄を投げかけ頼光を縛ろうとする。
頼光が枕元にあった名刀・膝丸で法師を斬りつけると、法師の姿は消え失せ辺り一面に赤い血が飛び散っていた。
血の跡を追っていき、そこにいた巨大な土蜘蛛の首を跳ねると悪病もみるみる快方に向かった。この際、刀の名を「蜘蛛切」と改めた。
また、この刀は源氏に受け継がれ、源義経の代で「薄緑」と名を改めることになる。
この灯籠は土蜘蛛の棲み着いていたとされる場所にあったという。
さらに「京都にはかつて、“阿多邏倶天(あたらくてん)”という蜘蛛を化身とする秘仏を崇め信仰していた宗派があった」という事を思い出す。詳細については分からない。
六華:無言で蜘蛛の痣の部分を塚にグリグリと擦ります。ついでに"阿多邏倶天"という蜘蛛を化身とする秘仏を崇め信仰していた宗派をあとで図書館で調べる(メモ
GM:では晩秋の冷たい風に晒された石碑が指先を冷やすだろう。
陸奥:「今日、この時間なら宮司様がいらっしゃるはずです。話を聞いてみてもいいかと。」
六華:「つ…土…蜘蛛…。」と呟きつつ塚の写真を撮る
紫苑:「奏さんのお部屋に行くにしても家の方に通して頂かないといけないですもんね…。」
拓光:ほかに何か調べられそうなものある?
GM:描写を見返してみるといい。意味のない描写はしないよ。
紫苑:…この"写生している人"って話しかけられる?
GM:試してみたらどうでしょう
六華:よし、私がいく。記者だから!
紫苑:「わあ…絵を描いてる方がたくさん居ますね。」
六華:「こんにちは〜!突然お話かけてしてすいません!京日新聞の記者をやっております轟と申します!お時間大丈夫ですか?」
老人:「おや、お綺麗なお嬢さんがた。この老骨になにか御用かな。」
六華:「今、人探しをしておりまして、この方見た事ありますでしょうか?知ってる事ならなんでも大丈夫なので!是非ご協力ください!」と九頭龍響の写真を見せる
老人:「おや、響ちゃんじゃないか。よく観光客に向けて案内をしているところを見たことがある。“土蜘蛛塚”を調べてたのも見たことがあるかなぁ。」
老人:「響ちゃんがいなくなったのかい…?女性の失踪事件が多いって本当だったんだねぇ。孫娘が心配だ…。」
六華:「ふむふむ。ご協力ありがとうございます!ちなみに、このお寺の娘である黒谷奏さんについては何かご存じでしょうか?」
老人:「あぁ、あの別嬪さんだろう?そういえばここ数日見ていないね…。宮司さんなら、詳しく知っているんじゃないかな。」
六華:「そう…なんですね。ご協力感謝します!」と老人に別れを告げる
GM:宮司以外から出る情報はこんなもんかな。
紫苑:じゃあオトンに会いに行きますか。
陸奥:「では、宮司様に口利きをして参ります。」
六華:「ありがとうございます。」
GM:しばらくすると、陸奥が帰ってくる。そのまま天満宮の本殿に案内されるよ。
宮司:「これはこれは、よくぞ参られました。宮司をしております、黒谷友成と申します。」
紫苑:「こんにちは…。」
六華:「こんにちは。お呼び立てしてしまいすみません。」とお辞儀をする
紫苑:(うぅ…昨日ご家族の凄い死体見てるからなんか目が合わせづらいなぁ…)とか思ってます
陸奥:「せっかく来ていただきましたし、まずは響の動向を探ってみてはいかがですか?(小声)」
六華:「実は響ちゃんについて、仲の良い奏ちゃんに色々聞きたくてこちらに寄った次第だったのですが…。」
宮司:「おお、奏のご友人でいらっしゃいますか。あいにく娘は今留守でして…。響さんについてですか、彼女は、そうですね…。」
・よくボランティアに来てくれて、宝物殿の展示品にも詳しかった
・学芸員のボランティアで来るようになって奏とも知り合った。今では誰よりも仲がいいようだ。
・兄弟刀の納められた神社の娘同士が出会ったのも巡り合わせかもしれない。
・東向観音寺の土蜘蛛塚をよく見ていた。
・最後に来たのは10月で、今月頭にもう来られなくなったと電話で聞いている。
宮司:「…ぐらいでしょうか。」
六華:「なるほど、そうだったんですね。後、あ…つ、土…土蜘蛛…。」トラウマで震えて声が出なくなり閉口してる
紫苑:「土蜘蛛塚…?これは個人的な質問で申し訳ないのですが、そういえばここに来る途中見かけて、土蜘蛛の伝説も拝見したのですが、私、歴史とかにも興味がありまして……詳しく聞けたりしますか…?」
宮司:「土蜘蛛塚ですか?なかなか信心深い方々ですね。実はこの京の地には土蜘蛛伝説というものがありまして…。」
GM:先程歴史ロールで出てきた情報を臨場感たっぷりにそのまま話してくれるよ
紫苑:「な、なるほどお。(さっき見たのとおんなじ内容だ…)」
六華:「あ、そうだ。後、この方には見覚えありますか?たまたま手に入れたものなのですが、どこか響ちゃんに似てるような気がして。」と初音の写真を見せる
宮司:「おや、可愛らしい子だ。初音さんに似ているかな?」
六華:「え!もしかして何かご存じですか?」
宮司:「初音、と響さんが呼んでいて、お顔を拝見したことしかないので、多分初音さんだと思いますが。まぁ、その程度です。響さんのご友人だと思っていました。奏とも仲が良かったようで、3人でいたのを見たことがあります。」
六華:「そ、そうだったんですね…。ちなみに、3人で居たのはいつ頃のことでしょうか?」
宮司:「先々月くらいまでは時たまに見かけていましたが、最近はめっきり見かけませんね。」
六華:「先々月…なるほど。」
蓮がぽつりとつぶやいた。
蓮:「…京都にはかつて、“阿多邏倶天”という蜘蛛を化身とする秘仏を崇め信仰していた宗派があった…。」
宮司:「おや、よくご存知ですね。たしかに、そういった宗派があったらしいです。」
蓮:「いえ、すみません。ふと思い出して。個人的に興味があるのですか宮司さんはその宗派について何かご存じでしょうか?」
宮司:「いいえ、さすがに。所詮は私も現代人ですから。昔そういったものがあった、という伝承が残るのみです。」
宮司:「そういえば、土蜘蛛を討ったと言われる薄緑の兄弟刀がこちらの宝物殿にも展示されているんですよ。銘を鬼切丸国綱と言います。」
宮司:「せっかく来ていただきましたし、宝物殿を見学していかれますか?」
紫苑:「えぇ~!いいんですか~!」ちょっとわざとらしかったかな
六華:「わ~!好奇心を掻き立てられますね!」
宮司:「もちろんです。陸奥さんのお客様ですから。それに、そちらの大きな御仁も剣を嗜むようですし。」
拓光:「……。」軽く会釈をする。
宮司:「ではこちらへどうぞ。」
六華:「ありがとうございます!」
GM:では宮司の案内で宝物殿に入っていくよ。鬼切の説明をしてくれる。
▼宝物殿の鬼切
鬼切は現在も北野天満宮の宝物殿に重要文化財として展示中である。
展示されている鬼切の説明書きがある。
▼二振りの刀
・鬼切
羅生門の鬼、あるいは茨木童子の右腕を切り落とした伝説がある。その際に「髭切」という名を鬼切に変えたといわれる。この鬼は一条堀川の鬼、または宇治の橋姫という説もある。
また別称として友切と呼ばれていたこともある。
薄緑とは兄弟刀の関係にある。
現在、北野天満宮の宝物殿に展示されているのは影打であり、真打は所在が不明である。
・薄緑
源頼光や源義経によって振るわれた名刀である。
土蜘蛛を斬った伝説から「膝丸」という名を「蜘蛛切」に改めた。現在は義経によって名付けられた「薄緑」の銘で箱根神社に納められている。
GM:ここでも〈日本刀〉〈歴史〉が振れるよ。
蓮:【歴史】1D100<= 80 > 89 ⇒ 失敗
拓光:【日本刀】1D100<= 85 > 42 ⇒ 成功
蓮:きょろきょろと明後日の方向を見ています
GM:では拓光は、展示されている鬼切は探索者が所持している刀と同じものであると分かる。
しかし展示されているものからは見る者を圧倒するような強い気配が感じられない。展示されているものは影打ではないのかと思う。
六華:「わ、わ~…、これが鬼切と言われてる刀なんですね…。」拓光をチラチラ見つつ
宮司:「さて、宝物庫は以上ですが、そういえば響さんや初音さんについてお聞きになりたいのでしたかな?きっと奏なら詳しく知っているはずです。何なら奏を部屋で待つといいでしょう。」
六華:「…!あ、ありがとうございます…!」
GM:というわけで奏の部屋に案内されるよ。
紫苑:知り合いの巫女の紹介と言えど年頃の女の子の部屋に野郎2人入れるか普通…?
六華:たしかに
蓮:そうしないと不法侵入しなきゃシナリオ進まなくなっちゃうからさ…
GM:予定調和というものだ。ゲーム的にはイベントシーン。抗えない。
◆黒谷奏の部屋
GM:奏の部屋は綺麗に片付いていて、たくさんの可愛いぬいぐるみや小物がある。いかにも女性らしい部屋である。
机の上には写真が飾ってある。そこに響と奏、そしてもう一人、少女が写っている。また机には鍵のかかった引き出しがある。
GM:机の上には小さな本棚があり、並べられた本の間からハガキが飛び出している。差出人は“四条初音”とあり、今夏に奏が貰った暑中見舞いのようだ。差出人のところに四条邸の住所が書かれている。
▼机の引き出し
引き出しは施錠されており開かない。[小さな鍵]を使用すると開錠できる。〈鍵開け〉〈機械修理〉に成功しても開錠できる。
六華:おっ!〈鍵開け〉あります!!
GM:どうぞどうぞ(笑)
紫苑:鍵あるんだけどね
六華:【鍵開け】1D100<= 31 > 82 ⇒ 失敗
六華:「くっ…。」とヘアピンを刺すも開かない
蓮:「…。」
六華:「こ、こういうのやってみたかったんです…!なんですか!そんな目で見ないでください…!!」
紫苑:「あはは…。えっと…蓮さんが奏さんのポーチから見つけて拝借してくれたこの[小さな鍵]が使えるのではないですかね。」
六華:「はい…。」
紫苑:(なんとなく思ってたけど六華さんは結構天然さんなのかな…)って思っておきます
紫苑:がちゃ
GM:引き出しの中には[奏の日記]がある。日記帳の表紙には寝ている猫がプリントされている。あまり書いておらず、たまに気になったことを書き留めているようだ。
紫苑:ぺら
六華:「わぁ…日記ですね。」
紫苑:「あんまり人の日記を見るのは気が引けますが…今は仕方ありませんね。」
・奏の日記
日記には奏の感じた取りとめもない日常が書き綴られている。事件と関わりがありそうなのがあるとすれば、ここ最近の記述だろう。内容は以下の通りである。
【奏の日記】
11月10日
響が最近大学にも部活にも来ていないけどどうしたんだろう。響もインフルエンザにかかったのかなぁ。
11月13日
葛城さんから薄緑がなくなったことを聞いた。響は実家に帰ってるわけでもないらしい。嫌な予感がする。
GM:読み進めていくと陸奥がみるみる青ざめていくよ。
拓光:伝えたせいで1人死んだしなぁ…
紫苑:あぁ…
陸奥:「わ、私…何か、すごくまずいことをしてしまったのでは…。」
六華:「陸奥さんのせいじゃないですよ、大丈夫…お、落ち着いて。」
陸奥:「そう、だと…いいのですが…。」
紫苑:「うん…それにとても仲のいいお友達だったみたいですし、陸奥さんがどうかに関わらずいつかは探しに行っちゃってたとは思います…。」
六華:「陸奥さん、大丈夫ですよ。」そう言いながら背中をさする
GM:比較的安定した様子を見せていた陸奥は己の犯してしまった事にだんだんと罪悪感を感じているようだった。
六華:部屋の写真や日記の写真を撮っている。ぱしゃぱしゃ
紫苑:物色した箇所のみ指紋を拭いて奏の家を後にします。
GM:特に意味はない、意味はないが、探索者たちは誰一人何も言わずに引き出しと鍵を布で拭き上げ、部屋を後にするのだった。
GM:しっかり証拠隠滅してて草も生えない。次は?
蓮:図書館行ってみたいね
六華:私も~
紫苑:じゃあ図書館で。追加の情報もあるかもしれないし。
◆図書館
GM:市営の図書館だよ。調べたい用語と共に〈図書館〉ロールをどうぞ。
六華:「では、まず阿多邏倶天について調べてみますね。えぇと…どこかな…。」
六華:【図書館】1D100<= 85 > 67 ⇒ 成功
▼四条など人名や土蜘蛛の毒、阿多邏倶天について
情報はない。
六華:「蜘蛛」や「コーヒー豆」について
紫苑:じゃあ私は「トリカブト」について
紫苑:【図書館】1D100<= 75 > 18 ⇒ 成功
六華:【図書館】1D100<= 85 > 48 ⇒ 成功
▼蜘蛛について
・ギリシャ神話では女神アテナはトリカブトの汁を撒いて“アラクネ”という女を蜘蛛に転生させた。ダンテの『神曲』には下半身が蜘蛛になったアラクネが登場する。
▼トリカブトについて
・トリカブトの花言葉は「貴方は私に死を与えた」「復讐」など。
・トリカブトは中世以降のヨーロッパでは死の女神“ヘカテ”の象徴である。ヘカテの他の象徴は「松明」「下弦の月」。
紫苑:「ちょっと、響さんのお家の玄関にあった植物について、改めて調べてきたのですが、画像も見て確認しましたがやはり間違いなかったみたいなので共有しときます…。」トリカブトについてカクカクシカジカ
六華:じゃあ、過去に不可解な事件があったか、とか?
六華:【図書館】1D100<= 85 > 5 ⇒ 決定的成功!
GM:すばらしい。じゃあ調べてない情報もおまけで開示しよう
▼過去の新聞記事
・京都では10年以上前から女性の失踪事件が他県と比べても多い。
・京都における、あらゆる蜘蛛の個体数推定がこの十年で急増しているという記事を見つける。
▼土蜘蛛について
土蜘蛛はかつて平安時代の武将・源頼光により退治された。
北野天満宮近くにある東向観音寺に土蜘蛛塚というものがある。
能には土蜘蛛退治を題材にした『土蜘蛛』という演目がある。この他に源頼光を題材にした有名な演目には『大江山』『羅生門』などがある。『土蜘蛛』は和紙で作られた糸を投げつける場面が有名である。
平安時代に土蜘蛛を崇め、信仰していた宗教があったようだ。
六華:「過去の事件を調べてみたところ、こんな感じです。……松明に下弦の月…私が見た夢に出てきたものを思い出しますね…。」
GM:図書館で得られる情報はこんなものだろう。
君たちは次の目的地を定めようと、図書館から出ようとしたその時だった。
呼吸が荒く、壁に手をつき、だんだんと迫ってくるような強迫観念じみた焦燥感と、眩暈に襲われ、六華は伏してしまう。
~幻視・弐~
あなたは石の階段を上っていく。
左右からは、白く透き通った大勢の少女が、暗く何もない、虚ろになった眼窩をこちらに向けている。
ざわざわと背後から大量の小さい何かが這う音が聞こえる。
ようやく階段を上り切り、巨大な石鳥居の足元をくぐると、切り立った岩壁がそびえるのが見える。
その足元には無明の闇を湛えた洞窟がぽっかりと口を広げている。
さらに歩みを進めると、黒く、長い髪の少女が立っている。
風がざあと吹き、少女の髪を梳く。
彼女は哀しげな表情を浮かべあなたを見つめたまま、つうと右手を上げ、あなたの後ろを指差す。
思わずあなたは振り向く――
六華:【CON対抗】1D100<= 90 > 84 ⇒ 成功
六華:「ぅ…、頭が…。キ...キャァァァア!!あ、痣が…!!痣が!!!」
六華:と頭痛に苛まれながらも痣を確認し、痣が濃くなり二の腕まで動いているのをみてへたり込んでしまう
紫苑:「六華さん落ち着いて…!!大丈夫です!あと、と、図書館なので…!!」
六華:「うぅ…。」ふらふらになりながら幻視の話をカクカクシカジカ
GM:なんだなんだどうした?と司書さんや周りの客が寄ってきている
蓮:「ほかに気になることが無ければさっさと出よう。立てるか?」
六華:「うぅ…、は、はい…ありがとうございます、だ、大丈夫…です。行きましょう…!」蓮の肩を借りてなんとか歩き始める
GM:君たちはそそくさと図書館を後にした。
拓光:「……。」
陸奥:「四条の屋敷に急ぎましょう…!」
GM:というわけで次は四条邸でいいかね?
拓光:むしろ急いでいかなきゃじゃね?
紫苑:そうだね
蓮:1人セルフ発狂してるしな
六華:死亡宣告されてんのよ!はよ行こ!!
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