第108話 よく有るおさらい的な奴①
第108話
鏡side
『あっ、鏡花水月の皆さん!お久しぶりですね!配信、見てますよ!頑張ってくださいね!!』
『おっ、鏡花水月の嬢ちゃん達じゃねぇか!仕事中かい?頑張れよ!!』
『進の友達!また来てくれて嬉しい!嬉しいぞ!!』
今日は戦う感じじゃないからか、人の言葉を喋れるモンスター達からは色々と話しかけられる。
主に応援や激励の言葉だが………
「モンスターが視聴者というのは、少し前の私達じゃ考えられませんね………」
「世界、広がったよなぁ………」
「あの時から驚きの連続………」
「楽しい事ばっかりで、ずっとワクワクしますよね♪」
:本当に凄い光景だよなぁ………
:まぁ、やってる事は違法視聴定期
:でも金を取る方法皆無だしなぁ………
:それにこんなにも平和的だと、本当に深層なのか疑わしいぞ………
:でも、話しかけて来たり遠巻きに見てきたりしてるモンスター達、普通に化け物揃いなんだよなぁ………
あのズルい視聴方法については、何も言えないんですよね、私達………
正直、止める方法も有りませんし………
何ならファンのモンスター達が『何で俺達は地上の人間達と違ってスパチャ出来ないんだよ!!』って嘆いてるらしいですし………
────その中に浦島さんも居ると聞いた時は、ちょっと笑いかけましたけど。
「う〜ん、第1層から第8層までを軽く振り返るだけじゃ面白味が無いから別の事をしようぜ!」
「別の事ですか?」
玲奈さんがそんな事を言う………
異常な光景だらけなので、割と第8層まで繋げられると思いますけど………
「非常に癪に触りますが、その方が良いかもしれませんね。非常に癪に触りますが。」
「心底反吐が出るけど同意。心底反吐が出るけど。」
「2回言うなよ、お前等………」
「「大事な事です(だ)から。」」
「はは、やるか?」
「望む所ですね。」
「微塵切りしてあげるよ。」
はぁ、また喧嘩してるよこの人達………
:何か仲悪い?
:いや、唯のじゃれ合いでしょ………
:まぁ、皆笑ってるしな………
:そうか?楽しそうなの、玲奈様だけに見えるんだが………
:ミーには百合の花が舞ってる様に見てるでザウルス
:変な語尾は止めるでソワ〜ル
:お前もだぞジオ
いや、本気で殺し合いをしようとしてますよ、この人達………
本当に質悪いなぁ、もう………
それにじゃれ合いというのは、今のコメント欄で起きてる様な奴の事を言うんです………
「おっと、話がコイツ等のせいで逸れたな。う〜ん、じゃあ改めてこの世界の魔法について話す事にしようか。」
「それは良いですね。探索者を目指さない方は漠然とした知識しかないでしょうし。」
「うん。知って損はない。」
こういう時の息は合うみたい………
仲が良いんだか、悪いんだか………
:魔法か………
:確かにスキルは兎も角として、魔法の認識には差が有りそうだもんな………
:一応、学校で習いはするんだけどね………
:魔法って意外と複雑だからな………
:スキルは持ってない人間は居ないけど、魔法は人によって色々と違うしな………
「基本的には、どんな人も身体強化魔法と光と闇を除いた全属性の〘
「私の〘
「私の〘空間魔法〙ですね。所謂、固有魔法と呼ばれている物です。」
通常の人間が出来る事を捨て去る代わりに、本人以外には持つ事の出来ない魔法の才能。
それを固有魔法と呼んでいる………
正直、唯一無二の存在持ちというのは憧れてしまう………
:ユンさんの固有魔法、チートだよな………
:アリスさんのも火力が鬼強だぞ
:どっちもチートで化け物定期
:…あれ?
:どうした?
:いや、あの変な仮面野郎は身体強化魔法しか使ってなかったなって…
「良い所に目を付けるな、君。そう、固有魔法と同じ位に希少だが、時には身体強化魔法だけに特化した奴も居る。それが君達が変な仮面野郎と呼んでいる進だ。」
「あの人は凄い、理論上でしかない10重やその先も使える………」
「まぁ、不死性のお陰の面も有りますが、それ以上に身体強化に才能を極振りしてますからね、あの人は………」
:べた褒めで草
:【このコメントは消去されました】
:おっ、駄馬だ
:いや、それ以外に驚く事が有るだろ!?
:10重の事か?前の配信でのムカデ戦で見てるから、もう今更驚かんよ………
:そうなの!?この配信終わったら、ちゃんと見ようっと………
:お前等、気付け!!しれっと、10重の先が有るって言ってるぞ!!
し、視聴者の皆さんの言う通りですよ!!
初めて聞きましたよ、社長!!
他の皆も驚きで固まって何も言えなくなってるし………
────いや、月ちゃんだけ『流石浦島さんです!!』って感じで目をキラキラさせてるけど。
「ん?10重を超えるとな、時間にさえも干渉できる程の強化が出来るんだぜ。まぁ、今の所は進しか使える奴見た事ねぇから、知られてなくても当然か。」
時間、時間かぁ………
「どんどんスケール大きくなってません、浦島さん?」
思わず、何時もは心の中で喋ってる言葉が漏れ出してしまう………
でも、コレはしょうがないでしょ………
続く
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