第107話 コラボ配信始動
第107話
鏡side
進達が広島ダンジョンを攻略してから、数週間が経ったある日………
新宿ダンジョンの下層から深層へと到る崖の前にて────
「視聴者の皆さん、こんにちは。鏡花水月の鏡です。今日は前々から予告していたコラボ配信の日です!」
「鏡花水月の花担当の私も居るぜ!皆、楽しみにしてくれてたかな?」
「水も居ます。私は凄く楽しみにしてた、あんな凄い人と配信できるんだもん♪」
「こんにちルナ!私も居るよ♪私も楽しみだったよ!!そのせいで、興奮してあんまり眠れなかったもん………」
:うぉぉぉ、久しぶりの全員配信だ!!
:しかも、初めてのコラボ配信だぞ!!
:でも、誰とやるんだろう?
:誰とやるか秘密のままだもんね…
:月ちゃん、遠足前の小学生じゃないんだからさぁ……
視聴者の皆さんも盛り上がってますね、良かったです。
さて、そろそろコラボ相手の所へ向かいましょうか………
どんな人達か
────凄く楽しみです♪
✩✩✩✩✩
視聴者の皆さんと雑談を交わしながら、深層第1層の草原へと向かっていく。
そして、浦島さんの家が在る場所へ近付くに連れ────
:あ、あの変な仮面野郎の家じゃん…
:生で見るの久しぶりだな………
:最近は他のダンジョンでタイムアタックチャレンジみたいな事してたしな、皆…
:アレ、誰か居るな…
:んん?えっ、いや、まさか!!??
「ん、やっと来た。」
「遅いですよ、皆さん。この人と一緒に居るのは苦痛でしかないんですから………」
「クックック、酷い言い様だな。ぶっ飛ばしてやろうか、半端者のハーフエロフ?」
其処には3人の女性達が待っていた………
────はぁ、またギスギスしてるよ、この人達。
「お待たせしましたユンさん。さて、視聴者の皆さん。目の前に居るこの方達、EX探索者である………」
「創木 アリス。イェ〜イ♪」
「皆さんご存知、賢者の娘………ハーフエルフのユンです♪」
「こういうのに、出るのは初めてだから緊張するなぁ。俺は浦島 玲「「嘘吐くな、このクソアマ!!!」」ぐはっ、いきなり攻撃するんじゃねぇよ!!ちょっと死んだじゃねぇか!!おっと、改めまして俺は万桜 玲奈だ。宜しくな♪」
自己紹介中に何やってるんですか、この人達は!?
ちゃんと打ち合わせ通りにやってくださいよ、もう!!
はぁ、良い大人なんですからさぁ………
:EX探索者とコラボ!!??
:しかも、5人中3人と!!??
:夢でも見てる気分だよ………
:何か、玲奈様が集中砲火されてるんだが…
:一体、何処で嘘を吐いて、琴線に振れたんだろう?
:さぁ?
:唯のじゃれ合いなんだろうけど、流石にEX探索者のだと怖いな…
でも、じゃれ合いじゃなくて、本気で殺りに行ってるんですよね………
まぁ、浦島さんの話を聞く限り、本当に異世界で魔王だった人の生まれ変わりだそうなので、残当としか言えませんが………
「お久しぶりです、アリスさん!玲奈さん!!」
「うん、月ちゃん久しぶり。」
「おう、久しぶりだな月!お前のお母さんとお祖母ちゃんは元気してるかい?」
「はい!それに曾祖母ちゃんも元気してますよ♪」
「そうかそうか、それは良かった!お祖母ちゃんとお母さんは大切にしろよ!!」
「当然です!!」
「なぁ、鏡。何かあの二人、絶妙にすれ違ってない?」
「えぇ、まぁ、そんな感じですね………」
「玲奈様、最強って言われてるEX探索者と同い年だから、色々有るんだと思う………」
ああ、成る程………
だから、月の曾祖母が話題に出た瞬間、顔が能面みたいに真顔になってるんですね………
:ひっ!?
:一瞬、玲奈様が怖い顔した………
:月ちゃんは気が付かないのか!?
:お前等、知らないのか?玲奈様の前で乙姫 吹雪の話題はNGなんだぞ
:そうだったのか………
:月ちゃん、あの様子だと身内なのに知らないんだろうな………
「────まぁ、一通り自己紹介も終わりましたので、始めましょうか。さて、今回のコラボ配信では………」
「前にクソムカデに邪魔されて見せられなかった層を紹介する。」
「本当はこの娘達に攻略の続きをして欲しかったんですけどね………」
「あの神喰虫の被害が完全に終息した訳じゃないんだとさ………」
「────なので、見学だけならOKだそうです。」
:社会科見学かな?
:深層見学かぁ………
:パワーワード過ぎて、無量空処喰らった気分だよ………
:古い例えだなぁ………
:色んな人に刺さる全体攻撃は止めてさしあげろ
えぇ、最初こんな企画を思い付いたと月ちゃんに笑顔で言われた時は、正直ドン引きしましたよ………
「さぁ、そろそろ行きましょうか。と言っても、前の配信で見てる方も居らっしゃるでしょうから、深層第8層まではサラッとおさらいする程度ですけど。」
こうして、前途多難になる予感しか無いコラボ配信が始まった。
何事も無く、上手く行ってほしいなぁ………
───無理だろうなぁ、うん。
続く
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