幕間28 異界頂上決戦⑧

幕間28


フェニックスの権能も封じた、死の満ちた世界に閉じ込めた。


これ以上、最高の条件を引き出す事は出来ないだろう。


未来永劫、絶対に………


『『不死鳥の一突きフェニックス・スピア!!』』

『くっ!!』

『ふふ、本家本元のパワーは凄いだろう?』


やっぱり、俺のスピアと奴のスピアじゃ、アイツの方が上か!!


だが、そんなのは関係ねぇ!


「隙だらけだぞ!神槍飛龍ワイバーン・グングニル!!」

『ちっ、鬱陶しいなぁ!!』


俺には魔王という最高の助っ人が居る。


心底、認めたくないがな………


『全く無粋な奴は消えろ、不死鳥の咆哮フェニックス・キャノン!!』

「無駄だ、クソバード!!」

『くっ!?』


奴が放とうとしたビームが、寸前で消える。


魔王の独壇場セカイの中じゃ、直接攻撃以外は発動した瞬間に殺されるのだ。


酷い飛び道具殺しときたもんだ………


だが、コイツが味方の状態なら!!


不死鳥の咆哮フェニックス・キャノン!!』

『ガハッ!!??』

「くくっ、お前の飛び道具は殺され、敵の飛び道具は当たる気分はどうだ?理不尽極まりないだろう?」


全くだ、やられたら台パン不可避だろうよ。


『それなら、不死鳥徹甲弾フェニックス・ディストラクション!!』

『魔王!!』

「おう、毒蛇龍の雷霆ケラウノス・ヒュドラ!!」


魔王の手から放たれる意思を持つ電撃が、フェニックスに絡まっていく。


普通ならそれでどんな奴も止まるか死ぬのだが、フェニックスの攻撃は止まらない。


だが、少しでも威力を削げれるのなら!!


不死鳥徹甲弾フェニックス・ディストラクション!!』

『グッ!?』

「よし、今度は競り勝った!!」


喜ぶのはまだ早いぞ、魔王!!


競り勝って攻撃を当てれたのは良いが、まだ浅い!!


今度は確実に───


『───流星不死鳥フェニックス・インパクト!!』

『早っ───』

「ちくしょう、こんな技まで───」


あの野郎、物凄いスピードで飛び回ってやがる!!


クソっ、たったそれだけで、途轍もない攻撃へと昇華させるとはな………


コレだから化け物は嫌いなんだ………


単純な暴力でさえ、此処まで凶悪な物へと変えてしまうんだからな!!


『魔王、少し動きを止めれるかぁ!!』

「無茶振りだなぁ、もう!!だが、やってやるよコンチクショウが!!」


早くしてくれよ、じゃないと俺達が死んじまうからな!!


浸蝕邪龍ファブニール・エクリプス!!」

『無駄だ、そんなチンケな技で僕が止められる訳が無いだろう?』

「知ってるよ………」


ああ、だが一瞬でも時間は稼いだ!!


───時よ、止まりやがれ!!!


『〘限界突破重加速オーバーディカプル・ブースト〙!!』


光をも超えた速度で動ける様になったお陰で、周囲の時間は止まっていく。


ニノマエやスタープラチナが見ている景色はこんな感じだったのだろうか?


ふと、そんな事を思いながら、次の攻撃へと移っていく。


さぁ、次は限界さえも超えた火力をぶつける番だ!!


『〘限界突破重火力オーバーディカプル・ファイア〙、流星不死鳥フェニックス・インパクト!!!』


『グハッ────』

『お返しだ、クソバード!!』


ざまぁみろ!!


───だが、喜ぶのはまだ早い。


これだけやっても奴の右羽しか消滅させられなかった。


次は左羽を───


『ウォォ、不死鳥の閃光フェニックス・ノヴァ!!』


あの野郎、この独壇場セカイを吹き飛ばすつもりか!?


ていうか、そんな事まで出来るのかよ!!??


この例外さえも超えた埒外の化け物め!!!


「させるか、いい加減にしろよ!!」

『無駄さ、改変エンドごときに僕の攻撃を封じ込められる訳がない!!』


今回の技はそうだろうな!!


それなら………


───俺ので封じ込めれば良いだけだ!!


不死鳥の閃光フェニックス・ノヴァ!!』

『なっ───』


俺の攻撃で、奴の攻撃を押し返していく。


───よし、封じ込めた!!


お前も一杯喰わせてやれ、魔王!!


「サンキュー、勇者!!永遠龍の審判ウロボロス・ジャッチメント!!!」

『こ、コレは!?ふ、巫山戯るなよ、僕にこんな物がき、効く訳がぁぁぁ!!!』


死の概念が循環する空間に閉じ込められながらも、吼えるフェニックス。


無様な姿だな………


『〘限界突破重加速オーバーディカプル・ブースト〙─────────』



もう終わりだ、終わらせてみせる!!


お前に最初に教えて貰った、俺のこの世界で初めて使える様になったこの技と魔法達で!!!


『〘限界突破重火力オーバーディカプル・ファイア〙、不死鳥の一突きフェニックス・スピア!!!』


────貫けぇぇぇぇぇ!!!!!


『ははは、来なよ僕の進!!!』

『煩ぇよ、俺は………浦島 進はお前の物なんかじゃねぇ!!!』


そう答えた瞬間、奴の身体を突き抜ける。


そして、奴の身体は死の空間に飲み込まれていき───


『───お前の負けだ、フェニックス。』


───完全に消滅した。


『勝った………』


やった、やったんだ!!


俺はアイツに、フェニックスに………


『───勝ったんだ!!!』


続く


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