幕間23 異界頂上決戦③

幕間23


俺が初めて世界改変ワールド・エンドを使える様になった時、魔王の奴も権能を使える事を初めて知った。


最初、奴は俺の独壇場セカイを塗り替えるつもりだったのだが………


───それは叶わなかった。


────というより、対消滅したのだ。


思わず二人して「「は?」」と、間抜けな声を漏らしてしまった事を今でもよ〜く覚えている。


だって、あの後にクソアマエルフにめっちゃからかわれたし………


尚、対消滅した理由は俺と魔王の権能の相性が良過ぎるが故らしい………


簡単に言うと、ドラゴンとドラゴン、ゴーストとゴーストみたいな感じだ。


───だからこそ、有り得ない想像をしてしまった事がある。


俺達の権能の力を合わせたら、どんな敵にも勝てるのではないか………と?


☆☆☆☆☆


「クソっ、押されてるぞ魔王!!」

「煩い、そんなの分かりきってるわ!!」


荒ぶるセカイの奔流に、二人共押し潰されそうになる。


フェニックスの奴の権能が強過ぎる!?


くそっ、俺達2人がかりでも押されるのかよ!!


───でも、此処で押し負けたら確実に負けるという確信がある。


「魔王、力をもっと合わせろ!!」

「今やり続けてる!!」

「もっと、もっとだ!!」

「無茶振りしやがって、勇者め!良い性格をしてるなぁ、もう!!」

「お前に言われたくねぇよ、からかい好きのクソ魔王!!」


────少しずつ、少しずつ魔王とシンクロしていく感覚に襲われる。


身体、心、記憶、魂、全てが重なり合っていく度に、俺達の力は増していく。


ああ、お前は………


───いや、今は良い。


今俺達がやるべき事は、アイツの独壇場セカイを俺達の独壇場セカイで塗り潰す事だ!!


「「覚悟しろ、フェニックス!此処から先は、俺達の独壇場セカイだ!!」


行け、そのまま塗り潰せ─────────


☆☆☆☆☆


陽華side


「な、何とかなった………」

「クソっ、かなり疲れた。でも、ほんの少しだけ気持ち良いな、コレ。」


フェニックスの権能を進君と魔王の権能が打ち消し、2人は疲労困憊な様子で倒れ伏していた。


何かイチャイチャしてる様に見えるの、ムカつくんですけど………


「あれ、意識が────」

「すまん、俺も───」


えっ、二人共なの!?


『そりゃそうさ、大分無理をしたんだもの。』


───まぁ、アレで死ぬ訳が無いのは理解わかってたよ。


でも、最悪なタイミングで進君達が離脱しちゃったなぁ………


『いやぁ、心底ビックリしたよ。まさか、僕の権能を消滅させるとわ。コレじゃ、当分僕の権能も使用不能だね………』


───それは良い事を聞いた。


権能が使えないなら、まだ勝ち目があるもの。


ていうか、アレってズル過ぎなのよ!!


アレ、進君以外は使えないから、流れで必然的に権能を使える敵専門扱いになってたのよね、彼………


『その顔、もしかして権能が使えなきゃ僕に勝てると思ってる?』

「勿論、権能以外なら私達も進君と同じ位に強いもの。」

「こ、今度は私達の番。」

「そういう訳、舐めるのも大概にしろよ焼き鳥女。」

「覚悟しなさい、フェニックス。あの2人に変わって、此処から先は私達の独壇場セカイですので!!」

『舐められた物だね、僕が僕の進以外に傷付けられる訳が無いだろう!!』


なら、試してみますか?


『………絶妙に腹立つ顔だね、そんな顔が出来ない様にしてあげよう!!』

「それは此方の台詞よ!!」

不死鳥の一閃フェニックス・ストラッシュ!!』

「グリフォン・ストラッシュ!!」


続く

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