幕間22 異界頂上決戦②
幕間22
「何でお前が此処に………」
というか、そんな鬼気迫る表情なんざ初めて見たな………
もしかして、魔王の奴もフェニックスの奴を知ってるのか?
───って、今はそんな事はどうでも良いだろうが、俺!?
今はフェニックスの言ってる事を────
『おお、現代の魔王じゃん!元気にしてるかい?無駄に人族達との戦争をまだ続けているのかな?いや、そういや続けてるから僕の進が勇者になってるのか!いやぁ、うっかりうっかり。歳を取るとボケちゃうよw』
「やっぱり、やっぱりお前が俺達魔人族の裏で動いてたのか、フェニックス!!」
『うん、そうだけど。ていうか、僕の存在に気が付いてたんだ。偉い、偉過ぎるよ君!今までの魔王や人族達の王は全く気が付かない愚者ばかりだったから、祝福の花丸をあげたい気分さ!いやぁ、君達も漸くそのレベルまで至れたんだね!うんうん、君達を作った僕の身としては嬉しい限りだよw』
───嘘付け。
心の底からそう思った、奴から出る言葉で初めてそう思った。
コイツ、今まで猫を被ってたってのか!?
「魔人族の裏に!?先程までの事も含めると、この長く続く争いの黒幕は貴方という事ですか!!」
『そうだよ、今の人族のお姫様。というか、さっきからそう言ってるじゃん。相も変わらず、君達は可愛らしいおバカさんのままなんだね。』
「くっ!!」
『まぁ、おバカさんじゃなきゃ異世界から人を召喚なんてしないかw。いやぁ、何で最近生まれた種族達は愚かさまで遺伝する様になっちゃったんだろうね?そういう設計はしてなかったのに、バグが大き過ぎて泣いちゃいそうだよ、僕w』
心底馬鹿にした様な口調でペチャクチャと喋りまくるフェニックス。
クソっ、俺は今までこんな奴を!!
『あっ、でもネタバラシをする時の表情は皆最高だったよ。一定以上の知能と感情を持つ生物はね、良い顔をするんだ♪君達のトップが死ぬ時にね、枕元に立ってこう言ってあげてたんだよ、「君達が戦い始めたのは、僕が唆した甘言に考えも無しに乗ったから。今まで流してきた血は僕の掌で無様にタップダンスしてただけ。」ってさ。皆絶望した顔で死んで行くから、面白くてしょうがないや♪』
───もう良い。
もうその口を───
「〘
「
耳が腐りそうな事ばかり喋る口を閉じさせようと攻撃した瞬間、魔王の攻撃も放たれる。
相変わらず、凄い力だな………
だが………
『うぅ、痛い。ちょっと痛いなよ、僕の進。僕と同じ力を持ってるんだから、僕の身体に響くんだよ?』
───フェニックスの奴はピンピンとしていた。
くそっ、痛いんならもっと痛がりやがれ!!
『それに、魔王の攻撃も少し効いたよ。僕の魂に響く攻撃も出来るんだね。いや、いくら
「巫山戯るのも大概にしろよ、貴様!!」
『きゃっ、怒られちゃった♪怖〜い、助けてよ僕の進!』
「煩ぇ、もう黙れクソバード!!」
スピアで駄目なら、次は────
「はい、落ち着いて進君!!」
「なっ、陽華!?」
「ひ、一人で先走らないで。い、いつもみたいに、い、一緒に戦おう?」
「そうだぜ、勇者君。仲間外れなんて、僕はごめんだよ?」
「あの目の前に居る邪悪は、貴方一人では荷が重過ぎるでしょう?」
「………そうだな、お前等の言う通りだ。」
よし、冷静になろう。
激情に流されそうになるのは俺の悪い癖だ、そんな悪癖を出してちゃ、あの怪物には勝てないだろう。
「………お前も手を貸せ、魔王!!」
「………ああ、その方が良さそうだな。目茶苦茶不服だが、アイツを殺す為ならなんだってしてやるさ!!」
「俺の台詞だよ、ソレは!!」
呉越同舟で行くぞ、魔王!!
『おお、感動の和解だぁ♪なら、その記念に最初から本気で相手してあげよう。』
───不味い。
「〘
ヤバい、アレが来る!!
『
だが、俺達と同じ───同質の権能なのは変わりない筈だ!!
コイツの権能で、コイツの
「魔王!!合わせろ!!」
「おう、クソったれが!!」
「「〚
続く
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