幕間21 異界頂上決戦①
幕間21
レイナside
「ん?俺の四天王が殺られた………??」
確かに勇者達が向かってるという火山地帯に送ったけどさ、死ぬの早くない!?
アイツ、そんな簡単に死ぬ様な奴じゃ………
「───まさか!?」
アイツか!?
アイツがやっと表舞台に出てきたのか!!??
急がなければ、絶対に間に合わなければ!!
☆☆☆☆☆
進side
「………熱い。」
俺達勇者一行は、クソみたいに熱い火山地帯に来ていた。
その理由は、魔王軍の四天王であるティタノゴーレムが居るという情報を掴んだからだ。
ティタノゴーレムは周囲の岩石が無くなるまで無限に吸収していき、際限無く大きくなり強くなる怪物らしい。
そんな奴と火山地帯で戦うという事は、絶対にマグマが流星群みたいに降ってくるんだろうなと思いながら、クソみたいに長い道を皆で歩いていた。
「………うん、熱いよね進君。」
「も、もう無理………」
「今は我慢の時ですよ、勇者様達………」
「はぁはぁ、僕の魔法で熱を何とかしようとしてもこのザマとか、どれだけ気温が上がってるんだ、此処は!?」
ティタノゴーレムのせいかは知らないが、この火山地帯は異常な程までに温暖化しているのだ。
───気に食わないが、目茶苦茶凄い賢者の魔法で緩和しても暑さでどうにかなりそうな位に。
「早く倒さないと死人が出るな………」
そんな事は考えていると、頂上が見えてくる。
───よし、後少しだ。
情報通りなら、其処にティタノゴーレムが陣取っているは───え?
『あ、やっと来たんだね僕の進。』
其処には消滅しかけているティタノゴーレムと、俺の知り合いが立っていた。
いや、何してるんだよ、お前………
「どうして此処に居るんだフェニックス?」
『僕の進に会う為に決まってるじゃないか!』
「じゃあ、そのティタノゴーレムは?」
『暇つぶしに倒した♪』
「マジかぁ………」
いや、強いのは何となく
───限度って物が有るだろ!?
強過ぎってレベルじゃねぇぞ、ソレ!?
「あ、アレが進君が言ってたフェニックスさん………」
「す、凄い、か、神様みたい………」
「進様に何の用でしょうか?」
「バラして研究してみたいなぁ………」
ん?
ああ、そういえば皆は初対面だったな………
「まぁ、倒してくれたなら別に良いか。それで、何で俺に会いたかったんだ?そもそも、お前はいつも俺の夢の中に現れてたろ?」
某月タイプな所の道場みたいな感じで語りかけたり、修行をつけてくれたりするんだよな、コイツ。
『いやぁ、直接話したかったんだよ!』
へぇ、一体何を………
『人族達と魔人族達が争う様に仕向けたのは僕だよ♪』
──────────────────は?
『千年も戦い続けたこの戦争は、僕の掌の上で転がり続ける滑稽な茶番劇なんだ♪』
───皆が絶句した。
コイツが一体何を言っているのか全く理解できないのだ。
『きゃっ、言っちゃった♪』
恥ずかしそうに顔を染めてクネクネし始めるフェニックス。
そんな光景にどうしようも無い恐怖と吐き気に襲われる。
駄目だ、思考が鈍る………
このままじゃ………
「見つけた、見つけたぞフェニックス‼」
そんな声が聞こえてきた瞬間、黒き流星が真っすぐ降り立つ。
────この感じはまさか!?
「ま、魔王………!!??」
続く
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