第106話 やっと広島ダンジョンが終わる

第106話


「何だよぉおもおお、またかよぉおぉぉお!!」と叫びたい気持ちを抑えながら、生まれたモンスター達を見詰める。


───はぁ、コイツ等が嘘を付いている様には見えねぇな。


という事は、マジでそう思ってるんだな!?


くそっ、マジで何なんだ!?


レイナといい夜刀神といい、目の前のコイツ等といい、何で俺の周りには俺の親族を名乗る不審者が現れるんだ!?


「一応聞くが、何で俺が父親なんだ?」

『はい?此処に雄は父上しか居ませんじゃないですか………』

『ギャウ?』

「ああ、成る程………」


あの卵に、彼女達の魔力だけじゃなく俺から漏れ出た魔力も混じってた訳か……


その上、男が俺だけという状況も相まって、俺が父親って訳か…


「理解は出来るけど、納得したくねぇ!!」

「おいおい、中に出して産まれたんだから、ちゃんと責任は取れよ?」

「人聞きの悪いド下ネタかますな!!」

「怒るな怒るな。後、種族的に刷り込み効果も有るぞ。」

「えぇ………」


鳥かよ、コイツ等………


「お嬢ちゃん達は良いのか、コレ?」

「えっと、子供の言う事ですし………」

「い、一応、ち、父親も大事、だ、だと思いますので………」

「本当にそれで良いのか!?」


まぁ、お嬢ちゃん達がそれで良いのなら良いけどさぁ………


………また認知してない子供が出来た事を、アリス達にどう説明しよう。


唯でさえ、レイナの事を全く伝えてないのにさぁ………


「………よし、もう色々と考えるのは面倒だから、後回しにしよう!さっさと帰るぞ!!」

「ふふっ、そうだな!早く外に出てお好み焼きや尾道ラーメンでも食べに行こうぜ!」

「私はもみじ饅頭が食べてみたいです!」

「み、宮島、い、行ってみたい………」

『ワオ〜ン♪』

『ふふ、外の世界が楽しみです♪』

『ギュウウウン♪』


────こうして、様々な面倒が降り注いだ広島ダンジョンの深層攻略は終わりを告げた。


☆☆☆☆☆


???side


『へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜私〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜の〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜可〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜愛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜甥〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜な〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜す〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。』

『相変わらずのんびり喋り過ぎじゃぞ、玄武。』


で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

れ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

が〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

な〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

の〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『仕方ないのう、もう………』


おや、早く………


『ありがとうございます、夜刀神。貴方の補佐にはいつも助かっていますよ。』

『いつもの事じゃ、気にするな。』

『それでも感謝は大切ですよ。』

『真面目じゃのう、本当。この無駄な愚鈍ささえなければ完璧な神様じゃろうに………』

『すみません、コレが性分なので。』


我々の性分は基本的に生まれた時から決まっており、一生変わらずに生き続けます。


そう、に………


だからこそ、あの娘は………


『───本当に良い息子に恵まれましたね、朱雀。』


お姉ちゃん、嬉しいです。


『次は私も会いに行きましょうか、私の愛しき甥に。』

『その前にお主の愚鈍さのせいで溜まってる業務を片してからじゃ。』

『むぅ!』

『頬を膨らませても駄目な物は駄目じゃ!!』


続く

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