異世界に召喚され帰還した元勇者、帰還したら50年も経ってて浦島った上に現実世界もファンタジーに侵食されてた件〜しかも、いつの間にかダンジョンの番人扱いまでされてるオマケ付き〜
第105話 どんな状況でも産まれてくる命は祝福されるべき
第105話 どんな状況でも産まれてくる命は祝福されるべき
第105話
「すまん、レイナ。変な所を見せたな……」
あれから数分の間泣き尽くした後、俺は立ち上がる。
クソっ、まだ頭が揺れる位に混乱してやがる。
だが、ほんの少しだけマシにはなったな……
「良いよ、別に。お前の悲しみを理解できるのは当事者の俺だけしな……」
「ふっ、そうだな………」
───思い返せば、あの出来事をちゃんと知っているのは俺とレイナの二人きりだけだったな。
全員死んだ、皆死んだんだ………
あの双子勇者は俺のせいで、賢者や聖女は俺を残して………
「辛いなぁ………」
「───憂さ晴らしなら付き合うぞ。」
「………ありがとうな、レイナ。」
「ふっ、どういたしまして。」
────よしっ、頭を切り替えよう!!
色々と考える事は出来たが、今はあの双子ちゃん達をダンジョンから脱出させる事が優先事項だ。
────絶対に俺の事情を優先させて良い場面じゃないのだ。
「早く迎えに行って、ダンジョンから脱出しよう。そしたら、二人でパァッと派手にやろうぜ?」
「久しぶりに?」
「ああ、久しぶりにだ。」
────どうせなら、あいつ等も誘うか?
「よし、行くぞレイナ。」
「おう!」
☆☆☆☆☆
「お〜い、陽華ちゃん!影華ちゃん!!色々と終わったぞ、もう大丈夫だ!」
「早くこんな所出ちまおうぜ!!」
「あっ、仮面の人もレイナ様!無事だったすね………」
「よ、良かった………」
『ワオ〜ン!』
よし、二人と一匹は全員元気そうだな………
しかし、何かボロボロになってるな………
俺達が夜刀神を相手してた時、何か有ったのか?
「もしかして、誰かと戦ったのか?」
「そうなんですよ、レイナ様!マジでキツかったです………」
「ゆ、ユーフォーの頭と、き、恐竜の身体を持つモンスターと、た、戦いました………」
『ワン、ワンワ〜ン。』
「そりゃ、大変だったな………」
「UFO-REXって所か?」
しかし、変なモンスターだな………
シャドーウルフ曰く、最初はユーフォーの姿で攻撃を仕掛けてきて、途中から円盤の下から恐竜みたいな身体が生えてきたらしい。
………円〇生物かな?
このダンジョンにはブラックスターでも在るのだろうか?
う〜ん、トラウマを大量生産しそうな感じがしてきたから、さっさと帰るか!
「よく倒せたな………」
「ギリ私達が押されてたんですけど、何か急にテレポートで逃げたんですよね………」
「な、何かに怯えてる、み、みたいでした。」
『ワン!』
「怯える?………ああ、成る程ね。」
「何故、俺を見るレイナ………」
俺は何もしてないぞ、魔王?
───さっきまで泣いてたから、変な威圧でも出してたとか?
有り得そうだな、うん………
よし、甘んじてそのジト目を受け入れるとするか………
「「ん?」」
「どうかしました?」
「て、敵ですか?」
『ワオン?』
「いや、違う。コレは………」
「ああ、間違いない………」
「「卵の奴が孵化しようとしてやがる!!」」
「「ええっ!!??」」
その驚きに呼応するかの様に、ピキピキっと音を鳴らしながら2つの卵が割れていく。
そして、大きく鼓動し────
『やっと外に出れましたわ♪』
『ギャウウウン!!』
影華ちゃんの卵からは漆黒の羽を持つ天使の様なモンスターが、陽華ちゃんの卵からは小さなドラゴンの様なモンスターが飛び出してくる。
マジかよ、凄いな………
「堕天使に竜種か………」
「ちゃんと最初から天使種として産まれてくる奴なんて初めて見たぞ、俺!?そして、竜種の方は
基本的に天使種は、人型以外のモンスターが進化する物なのは前回に言った通りだ。
なので、本来は産まれてきた時から天使種なのは有り得ない事だ。
まぁ、先程倒した駄馬天使が何か影響を与えたのだろうが………
そして、ちゃんと竜種でドラゴンが産まれてくるのも本来なら有り得ない事だ。
基本的にはどれだけ頑張っても産まれてくるのはワイバーンだと、異世界で知り合った凄腕テイマーは言っていた。
卵からドラゴンが産まれるのは、親ドラゴンが魔力を注いだ場合のみだとも………
「綺麗………」
「か、可愛い………」
全く、とんだ才能だよお嬢ちゃん達!!
そのぶっ飛びぶりは、あいつ等以上なんじゃねぇか!?
『はじめまして、母上。漸く対面する事が出来ましたね♪』
『ギャウン♪』
「母上!?』
「ま、ママ!?」
おお、早くも一児の母親になっちまったな、二人共w
まぁ、戦士の奴は小学生くらいの年で一児の母親になってるけどさ………
『そして、父上も対面できて嬉しいです♪』
『ギュウウウン♪』
─────────────────はい?
「草。どうやらまたこのパターンらしいぞ、進?」
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます