第102話 叔母(偽)と甥(偽)
第102話
進side
あ、アイツに姉なんて居たのか………
だから、こんなに強い気配を垂れ流してるのか………
俺を勝手に甥扱いするのも、ソレが理由なんだな?
そうか、そうかそうか………
「殺す。」
『ひえっ!?な、何でじゃ!!??我、お前の叔母じゃぞ?大切な家族じゃぞ!!!???』
「俺の家族にフェニックスは入ってない。つまり、お前も俺の家族じゃねぇよ。」
娘達なら兎も角、お前等を入れる訳が無いだろ。
『酷い!?す、朱雀!!お主、嫌われ過ぎじゃないか?お主、我が甥に何をしたんじゃ!!』
色々とやられたよ………
元を辿れば、異世界に召喚されたのも焼き鳥クソバードのせいだからなぁ!!!!!!
『も、もしかして、世界の運営を押し付けられたのか?それとも、無理矢理に我の世界に出向させられたとか?それとも………』
「いや、会社じゃねぇんだし………」
『む、違うのか?なら、殺されかけたとか?流石にそんな事はしないとは思うが………』
「まぁ、近しい事は………」
『やったのかい!!どうして、お主は何時も駄目な方向にやらかすのじゃ!!』
あの焼き鳥クソバード、もしかして身内にも問題児扱いされてるのか?
『いやぁ、本当にすまんかった。死んだ朱雀の代わりに謝罪しよう。アイツは我ら姉妹の中で一番の問題児でのぅ。正直、奴が能力的に一番厄介だから、何度も手を焼かされた事よ………』
「────────────そうなのか。」
物凄く哀愁が籠もった表情を浮かべながら、夜刀神は宙を見上げていた………
何だろうな、異世界で
「何だろうな、謎の悲哀を感じる………」
「奇遇だな、レイナ。俺もだ………」
殺意を解くつもりはないが、謎の同情が湧いてしまう。
上に立つ者達の苦労は、どんな存在だろうと変わらないらしい………
『はぁ、その癖に……一番死にそうになかったお前が我らを置いて早死しおって………この姉不孝者めが………おっと、これ以上はつまらん話になるだけじゃのう。そして、我が甥は我等について何も知らぬ様だし、先程以上の事を話してやろう。家族サービスと言う奴じゃ。』
「家族じゃねぇ!────話って、これ以上の物があるのか?」
「勘弁して欲しいんだが………」
『そう言うな、我が甥と付き添いの娘よ。今から我が語るのはこの世界の創造神話と同義だ。さらなる衝撃が降りかかるのは避けられぬ顛末であろう?』
むぅ、正論だな………
正直、フェニックスの奴が語った真実は吐き気がする様な身勝手に満ちていたが、コイツは一体何を────
『ふむ、しかし何から語ろうか………。そうじゃ、我等が生まれた所から語ろうか。我等は4姉妹でのう。其々異なる世界を所有しながら生まれた創造神なのじゃ。ちなみに、長女が我と玄武で、次女が青龍、三女が白虎、末っ子の四女が朱雀じゃ。』
最初から情報量がデカい………
最初からクライマックスかよ、仮面の戦士だけにしろよ、そういうのはよ………
『その世界と共に、我々は本能のままに成長してきたのじゃ。この世界に命を芽生えさせ、繁栄させ、見守り続けろという唯1つの目的のままにな………』
「マジで創造神だな………」
「あの焼き鳥クソバードもその中に混じってると思うと、脳がバグりそうだな………」
それはマジでそう………
あれ、質の悪い邪神か破壊神の間違いだろう?
『まぁ、我等の力では1つしか生命体が生まれる星を創れなかったがのう………』
いや、充分凄い定期………
『それを我等は地球と名付けた。』
「「はぁ!?」」
おいおい、それじゃ………
「俺の故郷の世界の星も地球って事か!?」
『そうじゃぞ?まぁ、星の育て方の方針は、其々で全く違うから、まるで別の星の様に見えるかもしれんがのう………』
つまり、俺はパラレルワールドの地球に召喚されてたみたいな物か………
まぁ、ある意味ちゃんと『異世界召喚』ではあるのか?
『例えば、お主等と一番縁がある朱雀は色んな種族を増やそうと頑張ってたぞ。まぁ、モンスター種も沢山増やしたせいで科学が生まれる余地を消してしまった上に、よく現住生物で遊ぶ道楽者だったがのう………』
「それは痛い程知ってる………」
「そういえば、確かに科学に関する物は一切無かったな………」
そもそも、魔法とかファンタジーな技術で科学テクノロジーで作れる物を再現できてたしな………
あまり、必要は無かったのかもしれん………
『で、我はその逆で放置し過ぎたせいで、神話で伝承こそ産まれたものの、科学が発展し過ぎてのう………』
「それの何処が悪いんだよ。朱雀の方も何処が悪い様に言ってたが………」
『偏り過ぎると脆くなるのは道理じゃろ?生真面目な青龍はそつなく両方が成立する世界へと育成できてたし、白虎もサボり魔な癖に器用だったから青龍程じゃないが、上手く創れておった。』
そういう物なのか………
まぁ、ポ◯モンとかもそんな感じだし、それの大規模バージョンか………
『そもそも、我だって青龍達の様にしたかったのだが、玄武の奴が思考も行動も鈍過ぎてな………そのせいで、生命が誕生した初期も初期に設置する筈だった物が遅れに遅れて、やっと60年前くらいに設置できたのじゃ。本当に酷い話じゃろう?』
───────────────60年前?
それはもしかして………
「「────ダンジョン?」」
『おお、人間はそういう呼び名で呼んでいたな。そう、やっと思いで我はダンジョンをこの星に設置する事が出来たのじゃ♪』
続く
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