第100話 奇跡のジョブレス進化

第100話


物凄く良い笑顔で俺達の方へ向かってくるレイナ。


────何か嫌な予感がするんだが?


「楽しかったけど、まだまだ物足りない!昂った身体が鎮まらない!!だから、進で慰めさせてくれ!!!」

「普通に嫌だよ!!??」


あっ、このクソ魔王!!


俺の手を握り締めながらマウントポジション取ってきやがった!!!


「くそっ、〘9重火力ノナプル・ファイア〙!!」

「はっ、無駄無駄ァ!!魔王からは逃げられないぞ!!!」


こ、こクソ魔王、全力で俺を押し倒そうとしてやがる!?


こんな所で9重以上の力を発揮してんじゃねぇよ!!


「よ、陽華ちゃん達!た、助けてくれ!!」

「「あっ、私達はお邪魔でしょうから、離れておきますね。」」

『ワン♪』

「ブルータス、お前もか!?」


あ、あの小娘共、に、逃げやがった!!


目茶苦茶良い笑顔で俺を見放しやがった!!!


「さぁ、遥かな故郷になろうぜ!」

「俺はミラクルマンのナンバーじゃねぇよ!?」


ていうか、このシチュエーションだから言っただろ、お前!?


「くっくっくっ、果たしてお前は俺達との愛の結晶に『変な親父』呼ばわりされない様に頑張れるかな?」

「やっぱり、ウルトラセ◯ンじゃねぇか!!」


何だ、アレか?


お前はあのやたら硬くて強い金ピカ合体ロボ気取りか?


「どうする?名前はゼロにするか?」

「絶対に嫌だ!!」


☆☆☆☆☆


あの後、必死の思いで抜け出した後、何分かちゃんと休憩してから再びダンジョンを進み出す。


と言っても、駄馬化したヒバゴン達のせいでモンスター達の姿は見る影も無く………


「誰も居ねぇな………」

「気配もしないな。最後の層のボスも贄にされてたらしいし、底に辿り着けば帰れるんじゃねぇか?」

「だと良いですよね………」

「べ、別のモンスターが、り、臨時に配置されてそう………」

『ワオン。』


だよな、そんな事をしてそうだよな………


まぁ、最下層に辿り着く迄は楽に行けそうだし、着いてみてから考えよう。


「そうだ、陽華ちゃん達は此処から出たらどうする?」

「う〜ん、そうですね。家の人達が面倒ですけど、この貰った武器をちゃんと極めたいですね………」

「わ、私も、で、です………」

『ワオ〜ン♪』


と、俺の後ろでレイナ達がそんな事を話していた。


まぁ、このダンジョンの戦いだけじゃ経験は不足してるよな………


もっと、色んな奴と戦っていかないと、使い熟すのは無理だろうからなぁ………


「俺が鍛えてやると言いたいが、ちょっと忙しくなりそうなんだよな。」

「もしかして、ですか?」

「そう、だ。」

「あ、、ほ、本当にやるんだ!?」


何か意味深な話をしてるな………


というか、だけじゃ何の話をしてるか理解わからねぇだろ………


すれ違いとか起こしてても知らねぇぞ?


「おっと、話が逸れたな。鍛えたいなら、新宿ダンジョンに向かうと良い。其処にはジョブレス進化済の暇人が暮らしてるからさ。」

「誰がニートモンだ!?」


てめぇ、ジョグレス進化みたいに言ってんじゃねぇよ!?


直訳するとJob less無職なのに、無駄に格好いいじゃねぇか!!


「ニートモン、究極体デジモン。必殺技は腕から放たれる強力なパンチ、不死鳥の一突きフェニックス・スピアだ!!」

「無印風デ◯モン紹介もやめーや!!」


ていうか、ニートモンって究極体なのかよ!?


アレか?マ◯ンエンジェモンみたいに、弱そうだけど強いタイプか?


「デジ◯ン?ポケ◯ンの間違いじゃ………」

「ぱ、パクリ?」

「────う、嘘だ!俺を騙そうとしてる!!」

「レイナ、お前自爆してるじゃねぇか♪ざまぁ!!まぁ、俺も予想外の方向から刺されて瀕死だけどな!!」


────いや、まぁ、デジ◯ンとポケ◯ンのどっちが生き残ってるかどうかと言われたら、間違いなくポケ◯ンに軍配が上がるだろうけども。


それはそれとして、ジェネレーションギャップで死にそうだよ………


作者も最近『DSって何?』って甥っ子に言われてて地味に傷付いたらしいんだぞ?


いや、作者って誰だよ………


☆☆☆☆☆


???side


『────そろそろ、か。』


何が起きたのかは知らないが、丁度良く空白が出来た。


なら、乗り込むしかないだろう。


何故なら、今この地には………


『早く、早く来い!我が甥よ!!』


────我が甥が遊びに来ているのだから。


初めて会う事になるが、どんな子なのだろうか?


強いだろうか?優しいだろうか?


『ふむ、楽しみだ………』


唯、少しだけ不安材料がある………


『あのバカ鳥、朱雀の奴に染められてなければ良いが………』


そこだけが本当に不安だ………


あの性悪女の影響を受けて、不良になってしまっていたら、我は泣いてしまうぞ?


大人気なく、ワンワンと泣いてしまうぞ??


『はぁ、不安だ。色々な意味で、早く我の元へ来てくれ、我が甥よ………』


────いや、もう面倒だ。


最悪で待つのはやはり、性に合わない。


自ら会いに行くとしよう!!


『待っていろ、愛しの我が甥よ。この蛇神、夜刀神がお前の元へと向かってやる!!』


続く

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