第96話 NTR滅ぶべし、慈悲はない
第96話
「無事か、レイナ………」
「誰に物言ってんだよ、進。無事に決まってんだろうが………」
「なら、良かった………」
「心配ありがとう、濡れてくれるぜ。」
「────陽華ちゃん達も無事か?」
「無視か!────大丈夫みたいだぜ、少し吹っ飛んだみたいだけど………」
レイナが指差した方を見ると、少しだけボロボロにはなってるが、五体満足な陽華ちゃん達が居た。
でも、少しビビってるな………
なら、コレから起こる戦闘には参加不可能だな………
「参加させるとか、鬼畜の極みだろ?駄馬の系譜とはいえ、アレが居るステージは桁違いだ。」
「そう言われると、その通りとしか返せねぇなぁ………」
何故なら、コレから挑む相手は………
「また、まただ!私を放置して他の女と話すとか、NTRじゃないですか!!」
「寝てから言えよ、駄馬天使。」
「そもそも、進は俺の物定期だぜ?」
「そんな定期は無い定期。」
────モンスターの進化の極地点の1つ、天使化を果たした怪物なのだから。
☆☆☆☆☆
天使化、とは主に人型以外のモンスターに対して稀に起こる進化現象である。
その確率はジャンボ宝くじの1等が当たる位の確率で、この現象に遭遇できるのはアンラッキー(大体死ぬので)と言われる程だ。
天使化を果たしたモンスターは、自らの性質を持つ人型のモンスターへと変化し、羽と輪っかを与えられる。
強さは当然の如く桁違いに跳ね上がるのだが、この現象の厄介な所は1つ………
────何故か人族(その次に他の人型種族)の男に病的な程までの愛情を抱く様になるのだ。
────つまり、ヤンデレ化する。
────いや、マジで何で???
「し、しかも、よく見れば、ど、童貞じゃないじゃないですか!そ、それに複数人共やってる!?や、ヤリチン!私の人間がナリタトップロードされてヤリチン化しちゃってる!!」
おい、何だその言い方は!?
風評被害過ぎるだろ、早く
しかも、俺がちゃんと自分の意志でやった相手は1人しか居ないっての!!
「ああ、そう言えば、お前の経験ってほぼ睡眠姦&キメセクだもんな………」
「口に出して言うなよ、レイナ………」
くそっ、頭痛くなってきた………
よくよく考えなくても、俺の性遍歴が酷すぎるだろ………
しかも、レイナだって俺のクローンを肉デ◯ルド扱いしてるし、他の奴等と対して差は無いんだよなぁ………
「そんな!そんな穢され方をしてなんて!!きっと、壁に嵌ったり、触手に絡まれたり、逆さに磔にされたり、氷像にされたり、黄金にされたり、ブロンズ像にされたり、バラバラにもされたりしてるんだわ!!」
「後半穢されるとか関係なくないか?」
「最早、ウル◯ラマンなんだよなぁ、やられてる事………」
いや、黄金とブロンズ像以外は経験有るんだけどさ………
治るから、あんまり気にした事なかったけど、アレって穢される内に入るのか?
「早く、早く私が浄化しないと!早く私の羽で包み込んで祝福しないと!!」
「祝福=SEXじゃなきゃ、ちょっと経験してみたかったよ。」
「結構フワフワで天国に昇る心地らしいぞ?下半身は性地獄らしいがな………」
天国と地獄かよ………
アレ、何で運動会とかでよく流れるんだろうね?
「早く好き好きビームも流し込まないと、早く私の胸でおっぱい逮捕しないと、早く私の太ともで挟み込んであげないと!!」
「気を付けろよ、進。奴が言っている事を全てやられたら完璧で究極と謳われた種付けおじさんですら、シナシナの木乃伊にされたらしいからな………」
「マジかよ!?あの最強で無敵な種付けおじさんもやられたのかよ!!??」
────いや、種付けおじさんって何だよ!?
あの異世界、種付けおじさんも居たの!?
「お前の所の賢者の父親がな、遊び半分で喚び出した奴でな。様々な種族を孕ませていったが、最終的に天使化したスライムのミルクタンクになった………」
「は、反応に困る………」
い、一応、身内の話だった………
いや、マジでどんな反応すれば良いんだよ!!
笑えばい良いのか?なぁ、笑えば良いのか??
『また、また他の女と話してる!?や、ヤバいです、の、脳が震える。こ、コレが脳破壊なのですか!?』
いや、コレくらいで壊れるとか脳が脆過ぎるだろ………
『ああ、この世にNTRは要らない!!純愛だけが在れば良いのです!!』
「ケルピーみたいな事言い始めた………」
「性欲はバイコーンなのにな………」
流石は駄馬の天使………
どの側面が出てきても面倒な所が、最高に駄馬してるよ、お前………
『そこの間女、私の性なる雷で綺麗に浄化してさしあげますわ!!』
「来るみたいだぞ、レイナ。」
「えっ、コレって俺だけが相手しなきゃ駄目な奴!?」
いや、だって名指しで指名してるし………
「がんばえ〜♪」
「あっ、いつの間にか遠くに離れやがったな、進!?」
『
ほら、凄い雷が来てるから、ちゃんと前向こうね。
「ああもう!
続く
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