第95話 破滅の招来
第95話
奴等が女神様と叫んだ瞬間、空に巨大な魔法陣が描かれる。
凄い魔力が籠もってんな、アレ………
僻みの力って凄いな、本当に………
呆れるのを通り越して、逆に凄いわ………
『I LOVE YOU♡』
『『『『『『『『『『女神様だ、我等が女神様が来てくれたぞ!!』』』』』』』』』』
め、女神様?
────アレの何処が女神様なんだ?
「レイナ、女神様って呼ばれてる奴はどんな姿に見えてる?」
「どう見えてるか?何か角と羽らしき骨が生えてるバカデカいスケルトンにしか見えてないぞ。」
「そうか、俺もだ………」
駄馬を拗らせ過ぎて、幻覚でも見てるのか?
いや、もしかして─────
「陽華ちゃん達にはどう見えてる?」
「えっと、何かイケメンの巨人に見えてます!」
「お、女を殴ってそうな、い、イケメンの巨人、で、です………」
『ワン!』
陽華ちゃん達にはそう見えてるのか………
しかも、影狼には肉をくれそうな大きい同族の雄に見えているらしい………
────ん?
「影狼、お前さん雌なのか?」
『ワンウ?』
「ナマ言ってすみませんでした、姉御!!」
こ、怖い………
たった一言に威圧と殺意がめっちゃ込められてたよ………
どう見ても、可愛らしい雌だろうがって目線が訴え続けてるし………
「要するに、
「一応、奴等の女神様らしいから、それ関係の力なのかもな………」
人にとって好みの姿を映し、欲望に応えていく。
まるで、都合の良い女だな………
いや、
どの道、質が悪いのには変わらねぇか………
「しかし、餓者髑髏を贄にして喚んだ女神様も骨とはな………」
「これじゃ、より強化して召喚しなおした形だよな………」
まぁ、本人達は幸せそうだから良いのかもしれない。
巻き込まれた俺達からすれば、たまったものではないが………
『I LOVE YOU♡』
そうスケルトンが啼いた瞬間、雷が降り注ぐ。
ちっ、範囲が広いな!!
これ、無差別なんじゃねぇか!?
「浦島さん、見てください!!」
「な、何故か、角付きヒバゴン達が………」
「駄馬化ヒバゴンがどうした………は?」
何を狂ったか、駄馬化ヒバゴン達はスケルトンに目掛けて雷を放っていた。
しかし、それは俺達(主に俺)に目掛けて放っていた時の様にではなく………
「昔、よく見た光景だな………」
「レイナ?」
「アレは、狂信者共が全てを捧げようとする時に見せる顔だ。何か、まだ隠し種が有るみたいだぜ?」
これ以上はお腹いっぱいだよ、全く………
しかし、骨に雷を落としてどうするんだ?
基本的に身がねぇから、絶縁状態みたいな物だろ、アレ………
まぁ、魔力から生まれた雷だから可能ではあるのか?
『I LOVE YOU♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡』
────いや、まさか!?
『I…I……I………Iしてる…………♡』
「
☆☆☆☆☆
???side
穢らわしい………
穢らわしい欲が私に流れ込んでいく………
『違う………』
────これは私が欲しい物ではない。
私が欲しい物は、この様な奴等から与えられて良い物ではない!!
『────見つけた。』
────居た、本当に居た。
────私が本当に欲しい物を与えてくれる存在が。
『愛してる…愛してる……愛してる………愛してる…………♡』
どうか、私のこの想いよ………
あの場所に居る者へどうか届いて………
「
ああ、あああ、ああああ!!!
やった、届いた!応えてくれた!!私を愛し返してくれた!!!
ふふ、ふふふ、ふふふふふふ♡
なら、ならなら、ならならなら!!
その想いに応えてあげるのが、私の務めだよね♪
『私も貴方の事が好きですよ、人間さん。両想いで嬉しいです♡』
☆☆☆☆☆
俺の攻撃が当たったの思った瞬間、眩い光が周囲に放たれた………
こ、この光は、ま、まさか………
「ありゃりゃ、もっと質が悪い奴のお出ましだ。」
────レイナの言う通りだぜ、本当に嫌になる。
『私も貴方の事が好きですよ、人間さん。両想いで嬉しいです♡』
巫山戯た事を抜かしながら、眩い光の中からその姿を現した存在は、ちゃんとした肉体を持っていた。
大きさこそ人間大になってはいたが、存在感や力はあのスケルトン時より増しているのをビンビンと感じる。
そして、何よりも………
「白い肌、神々しいまでの光属性な魔力、何より、頭の上に在るピンクの輪っか………」
「────間違いなく、天使だな。」
何て化け物を呼び出しやがったんた、駄馬ゴンめ………
もう俺が二度と会いたくないリストに入ってる奴等の内の一体なんだぞ、天使は!!
「アレが天使………」
「で、でも、つ、角が生えて………」
『グルルルルルル!!!』
おそらく、その理由は至極簡単。
────奴が駄馬種の天使だからだ。
『────どうして?』
あっ、ヤバい!!
『どうして、他の女を見るんですか!!』
「レイナ!!」
「言われなくとも
『
「〘
「
続く
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