第93話 そこにリア充が居る限り………

第93話


『ヒボボボボボボ、ヒ〜バ〜ゴ〜ン♪』

「ぐっ────」


ヒバゴンなんざ初めて見たが、かなり速いぞコイツ!?


「浦島さん!?」

「首が飛んだだけだ、直ぐに治る!それよりも陽華ちゃん達は自分の心配を優先しろ!!」

「「は、はい!!」」


ナイス声掛けだ、レイナ!!


正直、眼の前に居るヒバゴン達に意識を集中して貰わないと、即死んじまう!!


「はぁ、〘オクタプル・ブースト8重加速〙!!」

『ヒバ!?』

「驚いたか?なら驚いたついでに死んでくれるか、不死鳥徹甲弾フェニックス・ディストラクション!!」


よし、俺の頭を吹き飛ばしたお礼をしてやったぜ!!


8重なら普通に奴等を上回れるな………


だが、数が多いな………


「影狼!!お前はひたすらにデバフを撒きまくれ!!大して効果は期待できんが、やらんよりはマシだ!!」

『ワオ〜ン!!』

「ふっ、いい返事だ。影華ちゃんにレイナは固定砲台になれ!俺と陽華ちゃんが露払いに徹する!!」

「了解、害獣駆除は得意だ。」

理解わかました、お任せください!!」

「ひっ、が、頑張ります!!」


さぁ、来いヒバゴン共!!


此処から先は俺達の独壇場セカイ────


『醜い………』


────なっ!?


「がはっ────」

「進!?」

「「う、浦島さん!?」」

『キャウン!?』


俺達以外の人の言葉が聞こえたと思った瞬間、雷が降ってきた。


こ、この雷、芯に響き過ぎだろ!?


意識が飛びかけたし、痺れが全く取れねぇ!?


な、何だ、この雷は………


────でも、何処かで浴びた事がある様な?


「れ、レイナ!!」

「────驚いた。まさか、俺達が居て全く気配を感知できないとはな………」


マジか、お前もかよ………


聞こえてきた声の主、俺へ目掛けて雷を放ったであろう奴の気配を全く感じないのだ。


その状態は現在進行形で続いている。


一体、何処から………


『『『『『『ひ、ヒバ………』』』』』』

「おいおい、マジかよ………」


ヒバゴン達も、あの雷を浴びてダウンしていた。


────いや、立っている奴も居るな。


「何か胸がデカい奴は立ってるな………」

「何て所見てるんだ、進のエッチ!」

「煩い、今はそんな茶番をしてる暇はねぇんだよ。」


だから、꒰𑁬(⸝⸝ↀᯅↀ⸝⸝)໒꒱みたいな顔は止めろ。


「チッ、でも大きい奴でも立ってない奴も居るよ。シネバイイイノニ………」

「ヒィ!?な、な、何故なんでしょう!?」


おいおい、怖いぞ影華ちゃん………


隣に居る陽華ちゃんがビビってるから、止めててあげなさい。


しかし、確かに疑問だ。


倒れている奴と、倒れていない奴。


────その違いは一体なんだ?


『ワン!ワンワン!!』

「はぁ?角付きの気配がする?」

「────角付き、か。嫌な予感がしてきたぞ、進。」

「奇遇だな、レイナ。俺もだ………」


角付き、角付きって言ったら奴だよな?


────だが、、新たに疑問が湧いてくる。


奴等は此処まで強くない………


確かに奴等の雷なら効きはするだろうが、ヒバゴン共を倒せる様な威力は出せない筈だ。


でも、奴等と考えたら芯に響く様な雷なのも納得がいく………


『まだ耐えるか、醜き者よ!!』

「うおっ、またか!?」


何処から放たれたかも理解わからない雷が降ってくる。


ちくしょう、やっぱり気配を感じねぇ!!


どういう理屈だ、こりゃ………


『我が雷霆に沈め、醜き者よ。』

「いや、沈むのはお前の方だ、推定駄馬!!」


レイナが俺へ目掛けて降ってくる雷を受け止める。


おい、まさか………


「影狼!陽華ちゃん!!影華ちゃん!!!全力で此処から逃げろ!!!!巻き込まれるぞ!!!!!」


をこんな所で出されたら洒落にならねぇ!!


「喰らえ、ケラウノス・ヒュドラ毒蛇龍の雷霆!!」


☆☆☆☆☆


「ふぅ、スッキリしたな!」


レイナから放たれた雷は周囲の全てを焼き払った。


まるで、生きた蛇の様に動く雷は、神の怒りの様に猛威を振るい、緑豊かな山を禿山へと変えていったのだ………


「う〜ん、気配を感じないから倒せた気がしないけど、多分倒させたな!!」

「俺達も倒されかけたがな!!」

「痛い!?不意撃ち不死鳥の一突きフェニックス・スピアは酷くない!?」


何が酷いだ、お前の方が酷いだろうが!!


危うく、お前以外の全員が丸焦げになる所だったわ!!


「す、凄い、コレがレイナ様の雷………」

「か、神様………」

『キュウン………』


おい、何でキラキラした目で見てるんだ、そこの双子共!?


普通にビビりまくってる影狼を見習えよ、そこは!!


『醜い。実に醜い。この様な醜い雷で我は死なぬぞ!!』


声がした方を向くと、其処にはヒバゴンみたいな奴等が居た。


ちっ、面倒だな………


対面してるのに、奴等の気配が全く感じられねぇ………


まぁ、それよりも………


「マジで角付きだな………」

「言葉通りとは思わなかったぜ。まさか、駄馬じゃないとは………」


そのヒバゴン達の額には、駄馬………ユニコーンみたいな角が生えていた。


うん、間違いない。


────は確実にユニコーンの角だ。


『醜き男は、醜き非処女は我の雷でさっさと消え去れ!!』


あっ、うん。


その言葉ではっきりしたわ………


コイツ、駄馬達の同類だ………


続く

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