第90話 再会と再開

第90話


『やぁ、久しいね。』


煩い、俺は今寝てるんだ………


『やぁ、久しぶりだね!』


誰だ、こんなに騒がしいのは………


Long time no see久しぶり♪』


いや、英語で言えば良い訳じゃないだろ!!


Lange nicht gesehen久しぶり♪』

「いや、別の言語に変えたら良いって訳でもねぇだろ!!」


というか、何でドイツ語なんだよ!!


そんなに久しぶりって言いたいのか、俺に!!


というか、こんな夜に誰だよ!!


──────────────────は?


『やっと起きてくれた、久しいね僕の進。』

『フェニックス────』


────何で生きてる?


────コイツは死んだ筈だ。


────俺と皆、魔王の力も借りて殺した筈だ。


何で?何で何で??何で何で何で???


────いや、疑問は後回しだ。


今はそれよりも────


「〘10重加速ディカプル・フルブースト〙×〘10重火力ディカプル・フルファイア〙!!」


────全力でコイツをぶっ殺す!!


不死鳥の一突きフェニックス・スピア・改!!」

『無駄だよ、僕の進。』

「なっ!?」


すり抜けた!?


実体が無いのか!?


いや、この技は実体が無いタイプでも当たる

物だ。


なら、まさか………


『此処は夢の中、僕も君も、この世界に映る全ての物が幻なのさ。』

「────そういう事か。面倒な………」


つまり、俺はこのムカつく面を目の前から消す事すら不可能ってか?


クソが………


『ははは、そう怒るなよ。むしろ、喜んでくれないか?君のママとの祝福すべき素晴らしい再会だよ?』

「祝福?呪うべき最悪の再会の間違いだろうが。後、俺の母親は母さん唯1人だ。」

『酷いなぁ。僕の力に完全に適合した時点でさ、君は僕の子供同然なのにさぁ………』


『全く、親の言う事を聞かない悪い子なんだから…………』と、親面をした化け物が戯言をほざく。


怒りで頭がどうにかなりそうだ………


夢なら早く醒めてくれ、マジで………


『ああ、そうそう。1つだけ言い忘れてたよ、我が息子な進。』

「息子じゃない。………で、何だ?」

『今、目の前に居る僕は君の力が僕の姿をしているだけだ。だから、残念だけど僕が復活した訳じゃない。』

「そうなのか!それは良かった!!」

『嬉しそうだね、ママ悲しい(´;ω;`)!!』


うわぁ、あれ程醜いと思った泣き顔は初めてだなぁ………


「じゃあ、何をしに来たんだ、お前は?」

『警告さ。危ない道を行こうとしている息子を助けるのは親の役目だろう?』

「よくほざけるな、そんな言葉が。」

『ふふ、何度でもほざくさ。僕は君のなんだからね♡』


ヤバい、イライラで頭の血管が破裂しそうだ。


というか、もう若干痛い。


さっさと消えてくれねぇかな………


『酷い態度だ。でも、面は良いから、親に似たんだね、全く………』

「死ね。何度も死ね。というか、早く本題に入れや、焼き鳥クソバード!!」

『うえ〜ん、僕の進が不良になったゃった!!』


よし、殺そう………


────殺せないんだったな。


『ふふ、まぁ、巫山戯るのは此処までにしておこうか。』

「早くしろ、焼き鳥クソバード。」

『────この世界にもね、居るんだよ。』


何がだよ、居るって………


────いや、まさか!?


「居るのか、フェニックスが!!」

『いや、それは居ないよ。僕は君が異世界と呼んでいる世界にしか存在しない、唯一無二の絶対神さ。』


そうか、焦ったぁ………


しかし、なら何が居るって言うんだ!?


『僕と同じ神様さ。この世界にも、僕の様な絶対神が居る。』


何!?


なら、お前みたいなクソ邪神なのか!?


『いや、確かに僕と違ってクソだけど、アイツは僕とは真逆の性格だよ。のんびり屋の鈍重なデカブツだしね………』


デカブツね………


そんなにデカいのか?


『まぁ、この世界を支える位の奴だからね。目茶苦茶大きいよ。』


はぁ、この世界を支えてる!?


昔の伝説じゃあるまいし………


────いや、普通に有り得るか。


こんなファンタジーに溢れた世界になっているのだ。


────有り得ないという事こそ、世界なのだ、此処は。


「で、それを俺に教えて何をしたいんだ?」

『気に入られる様な事をしないでくれよ、って話だよ。』

「はぁ!?」

『君は僕の息子だ、絶対にそれだけは譲れない。だから、絶対にアイツとは会うな!!』


────真面目に聞いて損した気分だ。


夢の中で寝れるか理解わからないが、寝よっと。


『それに、この世界にダンジョンが蔓延ったのはアイツのせいだしさ………』


あっ、寝れそう………


しかし、まだ何か喋ってるなアイツ………


まぁ、どうせくだらない事を言ってるだろうし、聞き流しとくか………


『あの亀蛇め………どっちかにしろよ、贅沢者め…………』


あっ、落ちそう………


ムニャムニャムニャzzzzz────


『でも、チョッカイは既にかけてきてるっぽいのが胸糞笑いんだよね。僕の進が最近会った、僕の玄孫にも奴の────』


続く

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