第87話 一癖も二癖もある武器

第87話


「卵の話は此処で終わり、次はその武器の事だ。」

「「は、はい!」」


説明は大事だよな、うん………


『ダークネス・アサルト』は初心者向けの武器だけど、『日輪剣朝日』の方がな………


眼福ではあるんだけど………


「陽華ちゃんはこの朝日にあるグリップみたいな所を握って押してくれる?」

「え、は、はい、レイナ様………」


握った瞬間、真っ白な光が彼女を包み込む。


そして、其処から変身バンクみたいな感じで服装を変えていく陽華ちゃん。


久しぶりに見たけど、やっぱりプリキ◯アか魔法少女だよな、コレ………


「な、何ですか、こ、コレ!?は、恥ずかしいです………」

「良い物を見た、写真撮ろうっと………」

「私も撮りたいです!」

「や、止めっ!!ぱ、パシャパシャ止めて!!」


あ〜あ、何かレイナ達の変なスイッチ押しちゃったよ………


まぁ、可愛いし、気持ちは理解わかる。


「あ、あの、た、助けて………」

「………(グッ!)」

「こ、孤軍!!」


仕方ないよ、可愛いんだもん………


しかも、陽華の顔で恥じらわれると、何か来る物があるな………


アイツ、そういうのはめっちゃ堂々としてたせいで、コレの機能を頑張って作った変態共に不評だったからな………


「もっと、こう恥じらいつつ戦うのが良かったのに………」とか、「何でスパッツなんか穿いてるんだ!?そんな機能、付けた覚えはないぞ!?」とか、バカな事を言っていた覚えがある。


「よし、良い物が撮れた。で、それは朝日を使って戦うのに最適なバトルスーツみたいな物だ。ちょっと、フリフリとしてるけど、頑丈さは最高級だぜ。」

「そ、そうは思えないんですけど………」

「真正面から6重使った不死鳥の一突きフェニックス・スピアを喰らってもビクトもしないレベルだ。」

「ど、どういう、れ、レベルなんですか?」

「仙台ダンジョン深層のラスボスにトドメを刺せるレベルの攻撃がほぼ無効化できる位の頑丈さって事だ。」

「────ま、マジです?」

「マジ。」


メガキマイラ、かぁ………


懐かしいな、あのキモい奴………


手数の多さだけは一級品だったな………


「で、その朝日を使えば簡単に斬撃を飛ばせるし、光属性の魔力でどんな奴も浄化させれるからな。正直、ちゃんと対策してないと俺も浄化されかねないからな………」


ある意味、それが強みであり弱点でもあるんだよなぁ、コイツ………


コレのせいで、必要な素材とかも消えちゃうし、人に対して使っても同じ事が起きちまうからな………


「まぁ、気を付けなきゃいけないのは、消費魔力だな。目茶苦茶搾り取られるから、注意して使わないとミイラになっちまう。そこら辺は進の剣と同じだな。」

「ひゃっ、ひゃい………」


あっ、顔が真っ青になってる………


まぁ、最初はビビるよな………


俺の剣のプロトタイプなだけあって、多少はマシだけど、下手な奴が使ったら普通に死ぬからな………


「で、次は『ダークネス・アサルト』だな。コレはどんな奴でも攻撃手段を持てる様に作られたアサルトライフルだ。まぁ、見た目通りだな。」


コレはマジで便利、俺でも使えた。


最も、無属性なので威力は一番低かったのだが………


むしろ、コレを使って酷い目に合うとするのなら………


「君みたいな開閉口が小さい奴の為に作られた武器でな。どんな奴でも使える武器ってのがコンセプトだ。デザインだけは外様勇者発注だけどな………」


まぁ、異世界に銃は無かったからな………


ドワーフの変態共やリンと一緒に試行錯誤して作られた最高傑作がコレだ。


「やった!コレで私も一緒に影華と影狼達と戦える!!」

「────だが、問題が1つある。」

「問題ですか?」

「この武器は魔力属性の影響がモロに出る。闇が特にな………」

「どんな影響が出るんですか?」

「使っている間、精神を揺さぶる幻聴が聞こえてくるんだよ………」

「ええ!?」


それに一時期影華は悩まされていた………


だが、途中からは全く気にしない様になっていた。


影華曰く、「コレは私の弱さの声が具現化しただけ、心を強く保てば負けはしない」との事。


最初は戸惑うし、苦悩するかもしれないが、慣れれば問題ないだろう。


それに、影華ちゃんには陽華ちゃんやシャドーウルフが居る。


彼女達が支えてあげているのなら、負ける事は決してないだろう。


「じゃあ、その武器を試してみようか。」

「いきなり深層のモンスターにですか!?」

「しょ、正直、う、上手く、で、出来る気がしない………」


まぁ、だろうな………


────それに、レイナはモンスター相手に試し斬りや試し撃ちをさせる気はないと思うぞ。


多分、相手をするのは………


「進、頼んだ。俺のじゃ、壊してしまう。」

「仕方ないな………」


まぁ、鏡花水月の娘達にやったみたいな事を彼女達にもやれば良いだけだ。


「はぁ、〚世界改変ワールド・エンド〛。」


────さぁ、二人共。


俺の独壇場セカイでみっちり鍛えてやるよ。


「な、何これ!?」

「だ、ダンジョンがま、真っ赤に!?」


さぁ、楽しい楽しいお試しタイムの始まりだ!


続く

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