第86話 自転車で動きまくって孵化させてた過去が懐かしい…

第86話


進side


「何、ポ◯モン博士みたいな事をやってるんだお前は?」


中から何が飛び出すか分からないだろ、ソレ?


ゴ◯ゾウか?ヨーギ◯スか?ズル◯クか?それとも、オンバ◯トか?


下手したら、マナ◯ィとかフィ◯ネとか出てきそうなのよな………


────ポケ◯ンから一旦離れようか、うん。


「おっ、終わった?」

「ああ、この層のボスモンスターはぶっ飛ばしておいた。」

「サンキュー!じゃあ、次の層に降りた時に色々と説明はしてやるよ。」


☆☆☆☆☆


「似た様な光景が続くなぁ………」

「ずっと、無駄に広い洞窟って感じだよなぁ………」

「私達が潜ろうとしてた新宿ダンジョンの深層とは違うんですね………」

「多分、アレの多様さが、例外………」


その可能性が高そうなんだよなぁ………


何か前に如月の奴がそんな事を呟いてた覚えあるし………


「よし、そろそろ話そうか。休憩も兼ねて、ここら辺にシートを張って………」

「全く、キャンプかよ………手伝うよ。」

「おう、サンキュー。」

「「…………………………………………」」


何か凄い視線を感じるんだが………


俺、何か変な事をしたか?


「本当に夫婦、もしくは交際関係なんじゃないの、あの2人?」

「か、仮面の人、ツンデレ。て、照れくさいんだと思う。」

「成る程………」

「いや、成る程じゃないよ!変な納得しないでくれるか!!」


風評被害で訴えるぞ、お前等!!


「良い目を持ってるな、お前等………」

「腐ってるの間違いだろ。」

「お前等も好きな人には素直になっておくんだぞ?俺みたいに度量の大きい奴じゃない限り、拗れに拗れるからな………」

「俺がツンデレだという前提で話すの止めてくれない!?」

「────いや、お前はツンデレよりのヤンデレだろ。自覚した方が良いぞ?」

「俺はツンデレでもヤンデレでも無いわ!!」

「┐(´д`)┌ヤレヤレ」

「何その顔、めっちゃ殺したくなる!!」

「「やっぱり、お似合いだ!!」


くそっ、誰がお似合いだ!!


そもそも、そんな関係じゃないんだよ、俺達は!!


「そんなに否定するなんて、レイナ様が可哀想………」

「じゃ、じゃあ、ど、どんな関係、な、なんですか?」


どんな関係、どんな関係ねぇ………


友達………違うな、虫唾が走る。


仲間………違うな、むしろ敵だった。


家族………違うな、論外だ。


う〜ん、どれだけ考えても答えは1つだな。


「────かな?」

「ふふ、だな!俺達は運命だ!」

「凄い答えが出てきたんだけど………」

「み、見守ろうよ。お、推しの幸せを見守るのも、ふぁ、ファンの義務。」

「そうだね………」


今度は何か生暖かい目で見てきやがるな、コイツ等………


その目、止めて欲しいぜ………


────どうしようもなく、アイツ等が俺に向けていた目を思い出してしまうから。


☆☆☆☆☆


「さて、目茶苦茶脱線してしまったが、その卵について話すとするか………」


本当に脱線しまくってたな………


気を付けないと、いつもこうだ………


「その卵は親、もしくは持ち主の魔力を吸って成長する物だ。」


確か、中身は純粋な魔力塊なんだっけ?


リンが昔そんな事を言っていた様な………


「勿論、俺の魔力は入れてない。つまり、真っ白のキャンパスだ。」

「それだと、どうなるんですか?」

「お前の魔力属性に合ったモンスターが生まれてくる。影華ちゃんがシャドーウルフをテイム出来た様にね。」


テイマーは確か、自分の魔力属性に適したモンスターしかテイム出来ない。


ちなみに、俺はテイマーとしての適性があったとしても、スライムしか無理だそうだ。


俺、身体強化魔法(無属性)しか使えないもんな………


「じゃ、じゃあ!わ、私は………」

「そう、ノーリスクで君もテイマーになれる訳だよ、陽華ちゃん。」

「ん?陽華ちゃんの方にもテイマーに適性が有るのか?」

「そうみたいだぜ、流石は双子だな。問題が有るとしたら、陽華ちゃんが光属性だという所だろうな。」


ああ、そういう事か………


────確かにそれは面倒だな。


もしかして、お嬢ちゃん達が新宿ダンジョンの深層に行こうとしていた理由は………


「そう!お嬢ちゃん達が頑張って深層に行こうとしていた理由は、深層レベルじゃないと光属性のモンスターと出会えないと思ったからだろう?」

「はい、そうです………」

「わ、私も、影狼みたいな友達が、ほ、欲しくて………」


友達、ねぇ………


まぁ、テイムしたモンスターをどう扱うかはテイマーの自由なんだろうが………


────あの影が差した顔はなんだったのだろうか?


色々と厄介事が隠れてそうだな………


「この卵は何時になったら孵化するんですか?」

「そうだな………此処の環境も良いから、運が良ければ脱出する間に産まれる可能性があるぞ。」

「やった!やったね、陽華!」

「う、うん………」

『ワオ〜ン!』


めっちゃ喜んでるな、お嬢ちゃん達………


シャドーウルフの方もお兄ちゃんになる覚悟は出来ている様だ。


此処まで関わったのだ、俺も何が産まれるのか少し楽しみになってきたな………


続く

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