異世界に召喚され帰還した元勇者、帰還したら50年も経ってて浦島った上に現実世界もファンタジーに侵食されてた件〜しかも、いつの間にかダンジョンの番人扱いまでされてるオマケ付き〜
第80話 逃げれば1つ 進めば2つ 奪えば全部!(尚、本編で否定されてる模様)
第80話 逃げれば1つ 進めば2つ 奪えば全部!(尚、本編で否定されてる模様)
第80話
色々と気になる事はある。
だが、今は此処から彼女達を逃がすのが最優先だ。
「────この娘達の事は後で考えよう。早く此処から出よう。」
「おう、そうだな。よし、俺は影華っぽい方を背負うから、シンは陽華っぽい方を頼む。後、犬も。」
「
「俺から見たら五十歩百歩さ。」
『グルルルル!!』
「うおっ、噛んできやがった!?」
ほら、シャドーウルフも怒ってるじゃん。
「怒ってる途中すまんが、抱えるぞ。」
『ワオン!?』
陽華っぽい娘を背負い、シャドーウルフを俵を持つ様に抱え込む。
しかし、どっちも軽いな………
ちゃんと食べてるのか?
「準備は出来たか?なら、一気に飛ぶぞ!!」
「おう、任せた!」
「よし!1・2・3!!」
────あれ?
「何で飛ばないんだ?」
「すまん、この世界でマーキングしてるのお前だけだったわ!?」
「はぁ、どういう意味だ!?」
「これ、俺がマーキングしてた奴の所にしか転移できないんだよ………」
「何でそんな設定なんだよ!?」
「だって、しょうがないだろ!この転移は徹底的にお前をストーカーする為に覚えた物なんだぞ!!」
「努力の方向性!!海賊狩りか、お前!?」
何でそう変な所に目茶苦茶力を入れられるんだ、お前は!?
ちくしょう、徒歩で登るしかないのか………
「下層への入口、探すか………」
「────すまん、そうしよう。」
☆☆☆☆☆
「やっと、見つけた………」
「だな………」
『ワン………』
無駄に広い洞窟を歩き回り、やっとの所で下層への入口を見つける。
よし、此処から先は普通にのダンジョンだからな。
普通に駆け上がれば、出られる筈だ。
「よし、出るベッ────」
「えっ、シン!?どうしベッ────」
『キャウン────』
3人同時(2人と1匹)に出ようとした瞬間、物凄い力で弾かれた。
ど、どういう事だ!?
「い、痛ぇ─────結構効くな、コレ。」
「うう、これだから肉の身体は嫌になる。」
『キャウウウン………』
2人共(1人と1匹)にも結構効いてるっぽいな、コレ………
出ようとしたら、弾かれた………
つまり、それを意味する事は………
「なぁ、此処のルールって………」
「十中八九、『逃げるな』だろうな。全く、酷いルールだ………」
俺達だけだったら、別に気にしないルールなんだけどな………
今は彼女達が居る………
本当に運が悪いな、俺は………
『ワオン?』
「その通りだ、シャドーウルフ。俺達は危険を侵してこの深層をクリアしなきゃいけないらしい。」
『ワン!?』
「もう進むしかないんだ、諦めろ。」
『ワウン………』
まぁ、不安になる気持ちも
何か俺が悪い事をした気分になっちまうじゃねぇか………
「そろそろ彼女達も起こそうぜ?」
「そうするか………」
色々と聞きたい事もあるし、話さなきゃいけない事情も出来た。
でも、こういう状況って本当に苦手なんだよなぁ………
月ちゃんみたいなのが例外なだけで、大体最初は酷い目に………
「うぅ、此処は………」
「あ、あれ!?あ、あの変な岩モンスターは何処に!?」
おっと、起こす手間が省けた。
しかし、混乱してるなぁ………
『ワン!』
「あっ、影狼!貴方も大丈夫だったの!?」
「よ、良かった………」
『ワン!ワンワン!!』
「えっ、あの人達が助けてくれた?あの人達って一体………ええっ!?」
「お姉ちゃん、大じ────レイナ様!?」
ん?
レイナ………様…………?
「な、生レイナ様!?何で此処に!!??」
「うぅ、眩しい………」
おい、俺は無視かコラ。
というか、あの変態の何処が眩しいんだ?
むしろ、世界を闇に閉ざす系女子だろうが、アイツ………
真っ暗も真っ暗だぞ、アレ?
「ははは、俺の事を知ってるのかい?」
「勿論!ほぼ女所帯なEX探索者達の中で1番カッコいいって言われてる人ですよ!殆どの女子が憧れてますよ!!」
「ウンウン!」
「そうなのか………風評なんか気にしてなかったから、知らなかったぜ。しかし、少しだけあのBSS拗らせ一家が可哀想になってきたな………」
「レイナ様?」
「いや、何でもない。………そうだ、サインでも要るか?」
「「はい!!」」
コイツがカッコいい?
目が腐ってるのか?
コイツはどう見ても、可愛い&気持ち悪い&怖いの三拍子だろうが………
しかし、最後ら辺は何を呟いてたんだ?
何か可哀想な奴の事を考えてる時の顔をしていたが………
ていうか、此処はサイン会場じゃねぇんだぞ?
「シンも要るか?」
「要らん。」
「じゃあ、勝手に書いてお前に渡すよ。」
「いや、要らないって!!」
なっ、身体が動けない!?
コイツ、【
そこまでして俺にサインを渡したいのか!?
「渡したい!!」
即答すんな!
ていうか、心を読むな!!
「れ、レイナ様………」
「そ、その………」
「何だ、お嬢ちゃん達?」
「へ、変な仮面の番人と知り合い………というか、仲が良いのですか?」
あれ、何だろう?
少しだけ、嫌な予感がするぞ?
「ふふ、仲が良いかって?勿論さ!だって、俺達は………」
あっ、コレは絶対にヤバい!!
絶対に面倒な事を言いやがるぞ、コイツ!!
「超ラブラブな夫婦だからな!」
続く
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