第61話 第8階層 血染めの樹海

第61話 


鏡side


「はぁ、埋もれなくて良かった………」


:ナウ◯カの腐海みたいな感じだったんだな

:しかも、階段が在るって事は、此処が次の層へと繋がる場所なんだな

:しかし、マジで怖かったな、流砂………

:まぁ、鏡ちゃん以外は呑気な顔してたけどな。

:「「「こんなオチだとは思ってた。」」」と3人が言ってた時の鏡ちゃんの顔は良かったですね………


────ちょっと怒りそうになりましたよ、ええ。


はぁ、そう思ってたら、完全に沈む前に言ってくださいよ………


「はぁ、次の階層に行きましょうか………」


☆☆☆☆☆


「また広い………」

「まぁ、第5階層からの奴と比べれば、一番楽なんじゃない?」

「それはそう。」

「クマさんに出会いそうだね♪」


私達の眼の前には広大な森が広がっていた。


富士の樹海かって話ですよ、本当………


────探せば変な自殺体とか在りませんよね?


:何か色んな樹木が混じってるな………

:色んな土地の木々を雑に生やしたって感じだよな………

:サバンナに生えてそうな木の隣に、ジャングルの木やタイガの木が生えてるの本当に草

:俺、マイ◯ラで似たような光景作った事あるわ………


「リンゴの木は在るのでしょうか?」

「私、桃が良い。」

「無花果オンリー、それ以外は認めない。」

「梨も良いですし、柿も良いですね。ビワも良いし、蜜柑も良いです♪あっ、葡萄やアケビも良いかも………」

「月ちゃん、食い意地張り過ぎじゃありません?」


:何か俺も果物食べたくなってきたな………

:冷蔵庫、バナナしか無いな………

:ふっ、俺の家にはシャインマスカットが在るぞ!!

:羨ましいなぁ………冬になると毎回蜜柑は貰うんだけどね…………

:何かセミって洋梨みたいな味するよね

:何故にセミ!?あれ、カメムシみたいな味しかせんやろ………

:そりゃ、カメムシの仲間やし………

:というか、カメムシの味というよりパクチーの味だろ

:結局、カメムシじゃねぇか!!


何か途中から変な流れになってますね………


しかし、パクチーは別名カメムシ草ですけど、本当にカメムシみたいな味がするのでしょうか?


いや、絶対に食べませんけど………


『やぁ、可愛い女の子達!見ない顔だね、此処に来るのは初めてなのかな?』


何かもう深層だとモンスターに話しかけられるのがデフォになってますね………


正直、今までの常識が消滅してきて辛いですよ………


『僕はこの森に住む奇怪な木塊。ウッドゴーレムだよ!』

「ピノッキオじゃなくて?」

『ウッドゴーレムさ!』

「………ピノ『ウッドゴーレムさ!』はい、ウッドゴーレムですね………」


:めっちゃ否定してて草。

:でも、鼻が長くて操り人形に付いてる十字を背負ってたら、そりゃね………

:多分、誰かにめっちゃ言われたんだろうな、コイツ………

:此処の深層に関しては思い当たる奴が1人しか居ないんだが………

:あの変な仮面野郎か………


何やってるんですか、浦島さん………


『………さて、君達は此処がどんな場所か知ってるかな?そう、此処は血染めの樹海。僕達、植物系モンスターの楽園さ♪』


まぁ、それは見れば何となく理解わかりますけど………


『昔はね、虫系のモンスターも居たんだよ?でも、今は居ないんだ?何故だと思う?』

「………全員倒された?」

『正解!あの穢らわしい虫系モンスター達は僕達によって淘汰されたのさ!!』


だから、何だと言うのでしょうか………


弱肉強食くらい、よくある話でしょう?


『そして、今は眼の前に居る君達が淘汰される番だ。安心して良いよ、ちゃんと全部使ってあげるからさ!』


まぁ、こうなりますよね………


殺意、隠せてなかったですもん………


────でも、少し私達を舐め過ぎですね。


「月ちゃん、お願いします。」

「はい、〘炎魔砲フレイム・バレット〙!!」

『ぎゃあああああ!!!!熱い、熱いよーーー!!!』


所詮は草タイプ、汚物の消毒には敵わない運命なんです。


しかし、よく燃えますね………


ガソリンでも染みてたのでしょうか?


『熱い、痛い、死んじゃうよ、助けて!!』

「いや、私達を殺そうとしてきた奴が言える台詞ですか?」


:小物過ぎて草

:こんな痴態、最近は中々見ねえよな………

:まぁ、叫びたくなる様な状態ではあるからな(精一杯の擁護)………

:焼死って辛いらしいからな………


どの道、死ぬのは辛い事では?


私はそう訝しんだ。


『助けて、ママァ!!悪い奴等が僕の事を虐めて来るよぉ!!』

『私の子を虐める奴はどいつだ!!』

「ああ、成る程、そういうタイプか………」


こうやって、強い奴を呼ぶタイプって面倒なんですよね………


『お前等が私の子供を虐めたクズ共ね!私の肥やしにしてやるわ!!』

「理不尽………」


:コイツ、大きなバラのモンスターか………

:めっちゃ速い動きで近付いてきたのは何か草はえたな………

:やってる事がもうビオ◯ンテなんよ

:古過ぎて草

:これ、綺麗な花には刺が有るにも程が有るでしょ………


「はぁ、逆に貴方と其処の小物と一緒に燃料に変えてさしあげますよ!」


続く

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