第59話 第7階層 無限灼熱砂漠 モンゴリアンデスワーム

第59話


鏡side


「結局、居ませんでしたね………」


:ボスモンスターが居ない階層なのかな?

:そんな事あるのか?

:一応、在るには在るらしいぞ?

:じゃあ、無駄な労力を割かされただけって事か………

:嫌がらせじゃん………


可笑しいですね………


どの階層にもボスモンスターが居ると、浦島さんに聞いていたのですが………


まぁ、次に行けるのだから、良しとしましょうか………


「さて、次の階層はどんな場所なのでしょうか?」


☆☆☆☆☆


第7階層に降りた瞬間、眼の前には砂漠が広がっていた。


海の次は空、空の次は砂漠って………


ギャップで殺す気なのでしょうか?


というか、それよりも………


「「「「あ、暑い…………」」」」


目茶苦茶暑いじゃないですか、此処!?


何ですか、この暑さは!?


:皆めっちゃ汗かいてて草

:画面越しにも陽炎見えるもんな………

:これ、オアシスとか在るのかな?

:無かったら死ぬレベルだぞ、コレ?

:ボスモンスター倒さないと、水が手に入らない使用だったりして………


不吉な事を言わないで下さいよ………


一応水筒は持ってますが、足りるか不安になってくるじゃないですか………


『ピギャア!!』


っと、早速モンスターのお出ましですね!


『ピギィ!ピギピギィ!!』

「………何て言ってるんでしょうね、このクワガタは。」


:場所的にアリジゴクじゃない?

:カゲロウになる奴?

:そうだよ、昔小学生が排泄しない説を覆した奴

:ダンジョンが発生する前の奴だろ?めっちゃ前の話じゃねぇか………

:生物学そんなのばっかりじゃねぇか!!


何故か生物学的な話に発展してますね………


しかし、よくよく考えれば、確かにアリジゴクですね、このモンスター。


もしかして、アン◯ラーみたいに磁力光線とか吐いてくるのでしょうか?


そうすると、私はほぼ無力化されちゃうのですけど………


『ピギィィィ!!』

『『『ピギィ!!』』』


おや、仲間を呼んでたみたいですね………


「ちょうど4匹ですね。では、皆でこのアリジゴク達を蹴散らしますか。」

「「「了解!」」」


さぁ、派手に決めさせて貰いますよ!


「〘3重火力トリプル・ファイア〙、不死鳥の一閃フェニックス・ストラッシュ!!」

「〘無窮一閃パワー・ストライク〙!!」

「〘衝突結界シールド・クラッシュ〙!!」

「〘雷魔機関銃サンダー・ガトリング〙!!」


:皆一撃でモンスターを殺してるぞ!!

:此処、第7階層だろ?この調子なら、楽勝じゃん!

:鏡花水月鬼つえええ!!このままダンジョンのやつら全員ぶち殺していこうぜ!!

:強くなったなぁ、皆………


これくらい出来て当然ですよ、視聴者の皆。


だって、私達は浦島さん直々に地獄の修行を着けて貰ったのですから。


半分もの階層をクリアする前に負ける訳にはいかないんです。


『雑魚じゃ相手にならんか………』

「「「「き、キモッ!?」」」」


アリジゴク達を倒した瞬間、砂漠の中から芋虫みたいなモンスターが現れる。


多分、キモい………コイツがボスモンスターだろう…………キモい。


『おいおい、口に出すな。後、顔にも出すなよ、お前等。普通に傷付くんだぞ?』

「あっ、ごめんなさい。」


でも、普通に気持ち悪いんです。


しょうがないでしょう、基本的に虫系モンスターって気持ち悪いじゃないですか。


『ふっ、形だけの謝罪なんぞ要らん。お前等の命を以て償うと良い!!』


やっぱり、そうなりますよね!!


────キモい!!


『だから、顔に出てるぞ!!』


しまった、怒らせちゃった!!


でも、キモいのはキモいんだから、仕方がないでしょ!!


『喰らえ、ジャイアンのコンサートパラライズ・ノイズ!!』

「きゃっ!!」

「う、煩い………」

「鼓膜破れる………」

「耳掃除し過ぎたせいで、めっちゃ聞こえるよ〜!!」


ひ、酷過ぎる………


貴方はジャイアンですか!?


芋虫みたいな身体しといて、ハイパーボイス出さないでくださいよ!!


:見てる俺等の耳も潰れそうになるとか、どんだけ音痴なんだよ!!

:工事や工場とかこんな感じだぞ

:あの人達、こんな辛い現場で働いてるんだな………

:俺、今日からリスペクトするわ

:あれ?皆、何か様子が………


くっ、コレはまさか………


「か、身体が痺れて………」

「麻痺効果もあるのかよ、あの爆音!?」

「くっ、〘麻痺解除アンチ・パラライズ〙!!」

「ありがとうございます、水ちゃん!」


助かりました、流石は水ちゃん。


しかし、厄介ですね………


麻痺攻撃まで警戒しなきゃいけないとなると、面倒ですね………


『ほう、流石にそれくらいは対策できておるか!なら、コレはどうだ、毒魔機関銃ポイズン・ガトリング!!』

「無駄、〘聖域結界魔法サンクチュアリ〙!!」


また助かりました、水ちゃん。


しかし、毒も吐いてくるのですね、この芋虫。


仙台ダンジョンに居た、バジリスクと良い勝負なんじゃないですか?


:前のアリスさんが配信してた動画にも似たようなのが居なかった?

:あの爆弾発言して炎上した奴か、それならバジリスクだな

:本人はケロッとして、マネージャーが死にそうになってたアレか

:バジリスクの話をしてやれよ

:言うて、見れば大体どんなのか理解わかる奴だからな………

:それもそうだな!


『ちっ、小細工は効かぬか。なら、コレならどうだ!!』

「なっ、土に潜った!?」


逃げた!?


いや、違う!


何かヤバいのが来る!!


「皆、周囲を警戒して!」

「「「了解!!」」」


来るならこい、キモ芋虫。


どんな攻撃で来ても、私達が返り討ちにしてあげます!!


『喰らえ、砂龍暴風デザート・ストーム!!』


嘘、でしょ………!?


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る