第55話 第4階層 殆どコイツが主役 後編 

第55話


:こ れ は ひ ど い

:ユニコーンとは違うベクトルでヤバいの草

:ペガスコーン君、コレと比べるとまだマシな方なんだなって………

:ていうか、ネタのてんこ盛り過ぎるんよ、この駄馬………


ええ、視聴者の皆さんの言う通りです。


ダンジョンに生息する馬系モンスターはロクなのが居ませんね………


『見ての通り、今の私は縛られて戦えない身でね。本来なら、私もこの角から放たれる電撃とピンクニウム光線エッチになるビームでお相手しているのだが、実に申し訳ない。』

「いえ、心の底から戦いたくないので、気にしないで下さい。」

『いや、気にするさ。万全の状態なら力強く責める(意味深)パワータイプや、素早く責める(意味深)スカイタイプも使えたのに、それらを君達に披露できないからね。』

「名作穢すの止めてくれませんか?」


そんな卑猥なタイプチェンジとか要らないんですよ、ええ………


:テ◯ガかな?

:ト◯ガーの方の可能性もあるな…

:ゴ◯ザ姦とメ◯バ姦かぁ………

:ゴ◯バー姦かもだぞ?



ほら、貴方のせいで変な方向へと行きそうになってるじゃないですか。


これ以上暴れられると、エッチなのは駄目という事でBAN死刑されかねないんですよ?


『しかも、それぞれに必殺技があってね。パワータイプはマゼンタニウム光琉、スカイタイプはルビーニウム光弾が撃てるんだ。状況を見て上手く使い熟すのが玄人さ。』


いや、結局全部ピンクじゃないですか………


何処まで脳内ピンクなんですか、この駄馬?


『うむ、誰かと………特に女と話すのは気分が良いね。なら、次は私の出生について話すとしようか。』

「いえ、結構です。」

『────私は少し前まで、愚かなユニコーンだった。』

「人の話も聞けよ、この駄馬。」


ナチュラルに無視してきましたよ、コイツ!?


駄馬じゃなくて、もう駄畜生なのでは?


『処女だけが女の唯一無二の好条件だと盲目に信じていた愚かな私は、この世で最も忌み嫌っていた非処女の象徴、サキュバスに捕まってしまったのさ。そこで私は悍ましい物を見せられたよ。膜という聖域を破られた穢れた怪物に、私達同胞の角を性欲処理道具として使われている様をね。そして、私も同様の末路を辿ったのさ。自慢の角を折られて普通の馬へと堕とされ、欲望のまま犯され、快楽というピンク色に染め上げられ、分からされたのさ。そして、私は悟りを拓いたのだ。性癖は、1つだけに絞って良い物ではないと!この世全ての性癖を網羅してこそ、男の在るべき姿なのだと!!』


凄く要らない情報でしたね………


何で真面目に聞いてしまったのでしょう?


『さぁ、私を見ている女が好きな全ての男達へ、いや百合が性癖な女達へも問おう。君達はどんな女が好みタイプだ?因みに、私はケツとタッパが大きい上に近親相姦をしている女が好きだ。』


:ゴリラ廻戦のゴリラじゃん………

:あのキモいのもココまで拗らせてなかった定期

:性癖に忠実過ぎると、逆に格好良くなるんだなぁ………

:正気に戻ろう?コレ、殆ど唯の性癖垂れ流す公害だよ?


「もう良いです。少し黙ってて下さい。」

『おいおい、それは無理な相談だね。それにお嬢ちゃん、君は私から言論の自由さえも奪う気なのかい?』

「くっ………」


無駄に正論なのが腹立ちますね………


しかし、コイツを黙らせなければ、ストレスで胃が超新星を起こしそうです。


仕方ないですね、普通に武力行使で黙らせましょうか………


『おや、待たせてしまったかな?』

『………どうやら、君達が望むボスモンスターのお出ましの様だよ、お嬢ちゃん達。』


はぁ、やっと会える様ですね………


さて、どんな奴なのでしょうか────は?


「「「「でっか………」」」」


:エッッッ!!

:何だよ、アレ………メロンって比じゃねぇぞ?

:ムチムチ過ぎるし、太過ぎるだろ………

:エッチの女神様か?


ボスモンスターは凶暴で溢れんばかりの胸を持っていた。


スーツを着ていてそれって、脱げばどれだけの凶悪さを曝け出すのでしょうか?


これが噂に聞く王子様系女子という奴ですか?


『私はインキュバスキング。今は女の身体になっているが、昔は男の淫魔だった者だよ。宜しくね、お嬢ちゃん達♪』


TSしてソレとか、ズル過ぎじゃありませんか?


しかし、多種多様にも程がありませんか、このダンジョン?


『本来なら君達を味わいたいんだが、今の僕は男色家でね。君達には微塵も興味が無いんだ。なので、早く奥へと進むが良い。』

「は、はぁ………」


次の階層へ進めるのは嬉しいが、コレで良いのだろうか?


『それとも、これから起こる事を見学してみるかい?僕の棒でこの駄馬君が喘ぎまくる姿をね♪』

「「「し、失礼しました!!」」」

「えっ、皆!?」


1人だけ着いて行けてなさそうな月ちゃんを引っ張り、次へと急ぐ。


そんな物、映像に映せる訳ないでしょ!!


『ふふ、成る程、私はまた淫魔に凌辱される訳か。だが、またそれも良し!私は性癖のデパート、バイコーン。ふたなり女子も大好物さ!』

『ふふ、その粋だ。さぁ、やろうか♡』


そんな会話が最後に聞こえてきた直後、私達は何とか次の階層への道へ入る事が出来た。


どうか、その後に聞こえてくるであろう音が入っていません様に………


☆☆☆☆☆


進&人間&サキュバスクイーンside


『おお、コレは酷い………』

『全くよ。あのヤリチンビッチ、私のシーンにまで手を出そうとするんだもの………』

「────ユンの奴に何て弁明すりゃ良いんだ、コレ?」


というか、何でお前もちゃっかり合流してるんだ、サキュバスクイーン?


もう、目が覚めてたのかよ………


せめて、もう少し永眠してれば良かったのにな………


「まぁ、次は映像倫理的に大丈夫な奴等だから、心配は無いか………」


彼処にバイコーンみたいな駄馬やインキュバスキングみたいな変態は居ないからな………


続く

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