第37話 サキュバスクイーンとインキュバスキング

第37話


不死鳥の一突きフェニックス・スピア!!」

『きゃん♪』


ちくしょう、やり辛い!


「殴られる度に喜ぶのやめーや!」

『だって、DV彼氏みたいで子宮がキュンキュンしちゃうんだもん♡ああ、これが貴方の愛なんですね♪』

「お前の彼氏になった覚えはないし、愛を向けた覚えもねぇよ!!」


このドマゾ女め!!


何で俺の知り合いの女は変な奴等ばっかりなんだよ………


いや、月ちゃんは別か………


ありがとう、君こそが俺の救世主だ!


『あっ、別の女の事を考えた!浮気は駄目だっちゃよ、ダーリン!!』

「うおっ、雷降らすのやめろ!!お前はユニコーンか!?」

『やめて!あんな駄馬と一緒にしないで!!私は受けなのよ?攻めのバイコーンは兎も角として、何かわからせたくなるユニコーンは嫌いなのよ!!』

「どういう嫌い方だよ、お前!?」


サキュバス共は何故かユニコーンを見つけると全力で捕まえにかかる生態をしてる。


理由を聞くと、『存在そのものがわからせてくれと言ってるから』らしい。


で、捕まったユニコーンはR18も真っ青なレベルのプレイを強要され、バイコーンに堕落させられるとか………


正直、あの駄馬は嫌いだが、流石に同情してしまう………


「いい加減果てろ!不死鳥徹甲弾フェニックス・ディストラクション!!」

『ありがとうございます!!』

「黙って吹っ飛んでろよ!!」


俺に感謝をしながら吹っ飛んでいくサキュバスクイーン。


吹っ飛んた先に壁があったせいか、思いきりめり込んでしまった。


汚い壁尻だなぁ………


「満足したか?」

『バッチリです!流石、シーンですね♡』

「そうか、なら良かった………」


はぁはぁ、大分吸い取りやがったな………


『貴方の精力、本当に美味しい♡本当は小種の方が欲しいけど、これはこれで珍味で満足ですわ♪』

「お前を満足させないと、他の層にも迷惑かけかねんからな………」


サキュバスクイーンは女性器だけでなく、触れただけで相手の精力(生命力)を搾り取る事が出来るエナジードレインの遣い手だ。


なので、大抵の奴は触れられただけで枯れ果てる。


しかも、コイツはムラムラが頂点に達すると、下や上の奴等相手にも性欲を向けて暴れ回るので、色々と解消してやらないと面倒なのだ………


それに、こうなる原因を作ったのは10年前の俺だしな………


「じゃあ、俺は下に行くから。」

『ええ、もう行くの?あのヤリチン野郎なんてほっとけば良いじゃん!』

「もうお前は満足したろ?それに、お前もアイツも俺の責任みたいな物だしな………」


まぁ、酷い玉突き事故みたいな物だけど、責任はちゃんと取るべきなのだ。


正直、放置して良いなら俺も放置してるんだけどね………


☆☆☆☆☆


「くっ、此処はいつ来ても栗の花の臭いで充満してるな………」


はぁ、存在そのものがセクハラの塊みたいな場所だな………


「アイツが居る牢は確か………」


第4階層は牢獄エリア。


教会の地下へと続く階段を降りていくと、このエリアへと繋がっている。


そして、其処には女を貪るケダモノ達が閉じ込められている。


インキュバスが主に閉じ込められているが、人が来ると一気に開放されて襲ってくる仕組みになっており、性に飢えた奴等の相手は中々に面倒だ。


だが、今回は………


「気持ち悪い位に大人しいな、そんなに食われたのか?」


一向に牢から出てくる気配はなく、全てのモンスター達が大人しくしていた。


どうやら、もう既に奴が暴れ始めているらしい。


『ああ、やっと来てくれたんだね、僕の王子様。』

「おう、来たぞ。」


目的の場所に辿り着くと、そこで尻とタッパがデカい女が待っていた。


ボッキュボンの凄い体型であり、サキュバスクイーンと同じ位には男を誘う身体をしているので、かなりエロい。


────下半身に穢れたバベルの塔が建っていなければ。


「それ仕舞えよ、インキュバスキング。」

『おっと、失礼。子猫ちゃんに慰めて貰った後でね………』


インキュバス、女を食い散らかす男の淫魔。


その頂点に立つインキュバスキングだが、コイツは男も女も両方食べれる両刀野郎だ。


しかも、質が悪い事に………


『さて、王子様。あの………その………」

「………何だ?」

『わ、僕のメスの部分も可愛がってくれないかな?もうさっきから疼いてしょうがないんだ、頼むよ!君の慈悲が欲しいんだっ!!』


コイツ、俺に負けてからメス堕ちしました。


そのせいで、目茶苦茶エロい女にTSした上に、フタナリ状態へと進化しました。


────何でそうなった!!??


「ああ、ちゃんとやるよ。」

『ありがとう、王子様!早く僕の奥へ深く鋭く突いてくれ!!』

「くそっ、不死鳥の一突きフェニックス・スピア!!」

『きゃん♡』


コイツを満足させる為に、全力で奴をぶっ飛ばす。


はぁはぁ、メンタルが擦り減るわ!!


でも、俺のせいだからな………


コイツがTSフタナリ堕ちしたせいで、サキュバスクイーンの奴の相手をしなくなったからな………


インキュバスキング曰く、『ふっ、男とヤる方が楽しいし、あんなビッチは君と同じ様に願い下げだよ』との事。


『もっと、もっと痛め付けてくれよ、僕だけの王子様!!』

「煩い、言われなくてもやってやるよ!!」


あの時、俺が学んだ教訓はというと………


「性癖を歪めさせると、ロクな事しか起きねぇな!!」


────性癖を歪めるのダメ、絶対である。


続く

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