異世界に召喚され帰還した元勇者、帰還したら50年も経ってて浦島った上に現実世界もファンタジーに侵食されてた件〜しかも、いつの間にかダンジョンの番人扱いまでされてるオマケ付き〜

第29話 暗闇の死闘

第29話

「ああもう、クソ！キモい位に攻撃が降ってくる!!」

「避けるだけで精一杯。面倒。」

キモいメガキマイラの攻撃は、様々な属性攻撃による質量攻め。

〘４重加速（クアドラプル・ブースト）〙を使っても、避けるのがやっとで攻撃する暇すら与えて貰えない。

『ふふ、逃げ惑っているだけではジリ貧ですよ？』

「ご心配どうも！【斬撃（スラッシュ）】!!」

「余計なお世話！〘銃撃（バレル）〙!!」

『おや、何かしましたか？』

やっぱり、俺達の一番雑魚い技じゃ効かねぇか………

『何もしないなら、もっと攻めますよ？バジリスクの力よ！一目惚れ（ストーン・アイ）!!』

なっ、目の力も使えるのかよ、そのバジリスク腕!?

「ちっ、脚が石に!!」

『ふふ、水虎の力よ！水虎激流斬!!』

「ガハッ────」

このコンボは、結構き、効くなぁ………

「〘召喚（サモン）・バズーカ〙！」

『ほう、中々強力そうだね。でも、良いのかな？そんな強い武器、魔が差してしまうかもしれませんよ？さぁ、縊鬼の力よ!!』

「………大丈夫。」

『おや、一体な「不死鳥の一閃（フェニックス・ストラッシュ）!!」おっと、危ないですねぇ!!』

ちっ、避けやがったか！

だが、隙は出来たな!!

「その精神攻撃はもう喰らわない!!」

『そうみたいですね。ならば、ペガスコーンの力よ！終末の迅雷（ラグナロク）!!』

「くっ!!」

奴の角から、無差別に降り注ぐ雷が全てを薙ぎ払う。

クソっ、久し振りに浴びたが、やっぱり身体中に染み渡ってくるなぁ、この雷!!

『ふふ、もう終わりですか？』

「そんな訳ないだろ!!」

「お前なんかに私達が負ける訳がない!!」

『虚勢を張っても、後で虚しく………醜くなるだけですよ？』

はっ、ずっとそうやってほざいてろ。

お前が倒される時にも、そういう言葉が吐けるのならだがな!!

「戦士！まずは手からだ!!」

「了解！」

『無駄です！バジリスクの力よ、毒霧（ポイズン・ミスト）!!』

はっ、無駄なのはお前だメガキマイラ!!

そんな毒、あの捨て身の毒の雨に比べれば、無毒に等しいわ!!

『ほう、この毒霧の中を突っ込んでくるとは流石ですね！ですが、無防備過ぎますよ？水虎の力よ、水虎激流斬!!』

「以下省略、〘召喚（サモン）・氷結機関銃（アイスガトリング）〙!!」

『なっ、氷魔法!?』

はっ、余所見をしたな、メガキマイラ!!

「左手は貰った!!」

凍った水虎の腕を斬り落とし、左手を無効化する。

だが、メガキマイラは当然の如く、この隙を逃してくれる様な奴ではない。

『ちぃ!!バジリスクの力よ、痺れる一時（パラライズ・バイト）!!!』

「ガハッ────」

か、身体が痺れて動けない………

────と、思ったか？

「よし、捕まえた!!」

『なっ、痺れないのですか!?』

「お前を捕まえるなんざ、痺れてても簡単なんだよ!!」

「〘召喚（サモン）、電磁砲（レールガン）〙!!」

奴のバジリスクな右手を、捕まえている俺の両腕ごと電磁砲で吹き飛ばす。

相変わらず、凄い威力だな………

『はぁはぁ、よくも我等の腕を奪ってくれましたね！お仕置きですよ、失楽園（パラダイス・ロスト）!!』

「戦士、お前も派手に撃ち返してやれ!!」

「うん！以下省略、〘暴飲暴食（タイラント・グラトニー）〙!!」

奴の嵐の様な質量攻撃には、こっちも質量攻撃で反抗すれば良い。

そうすれば、必ず奴にも隙が出来る!!

「またお前の面を潰す事になるとは思ってなかったぜ、縊鬼！不死鳥の一突き（フェニックス・スピア）!!」

『グハッ────な、何でその傷で動く事が出来るのです!?貴方は人間でしょう!!??』

「さぁな？俺は少し人より傷の治りが早いだけだしな。」

少なくとも、お前みたいな異形よりは百倍マシだろうぜ？

『巫山戯ないでください！』

そう叫びながら、羽を使って空を飛び始めるメガキマイラ。

あの野郎、高い所からマウント取るつもりだな!!

「頭が高いな、メガキマイラ！さっさと地面に堕ちてこい!!」

「〘召喚（サモン）・剣（ソード）〙！」

「「不死鳥の一閃（フェニックス・ストラッシュ）‼」」

『わ、私の美しき翼がっ────』

よし、機動力ダウンだ!!

これでもう空を飛べねぇな、メガキマイラ。

地面にキスしちまった俺と同じ気分を味わえてるか？

『クソっ、巫山戯るな!!何故抗う！何故我等の裁きを受け取らない!!さっさと救済されろ（死ね）よ、人間共が!!!』

「おいおい、本性が漏れかけてるぞ？」

「もう、ああなったら終わり。」

『ペガスコーンの力よ、終末の迅雷（ラグナロク）!!』

荒ぶる迅雷が周囲に降り注ぐ。

この場全てを雷で薙ぎ払い、焼き尽くす勢いだ。

だが………

「頭に血が登って、狙いが上手く定まってねぇな、アレ………」

「もう簡単に避けれる。」

少し動いただけで、簡単に避けれる位に奴は暴走しかけていた。

もう、終わりだな………

「アリス、ドデカいのぶちかましてやれ。」

「うん！〘召喚（サモン）・ロケットランチャー〙‼」

アリスが放ったミサイル弾は、一直線に奴へ目掛けて飛んでいく。

途中、襲い来る雷さえも巻き込んで、奴の顔面へ────

『ブゲッ!?つ、角が────』

角が折れたアイツは、もう迅雷も使えない。

これでもう、奴の武器は有象無象共の攻撃だけになった。

それらが俺達に届く事は決してないだろう。

チェックメイトだ、メガキマイラ………

「〘６重加速（セクスタプル・ブースト）〙×〘６重火力（セクスタプル・ファイア）〙………」

────この一撃をもって、地獄へ沈め!!

「────不死鳥徹甲弾（フェニックス・ディストラクション）!!」

続く