第24話 第21階層 ペガスコーン
第24話
「ふぅ、大分減ったな………」
「うん、大分殺した。」
サクサクと烏合の衆共を殺していき、残ったのは数匹位にまでなった。
まぁ、強さ的には15階層より下の奴等だ。
当たり前と言えば、当たり前か………
「で、どうだ?わざわざルールというなの悪辣な罠に引っ掛けた相手に戦況をひっくり返された気持ちは?」
「ねぇねぇどんな気持ち?どんな気持ち?」
「うわぁ、何かお前がやるとメスガキ感が凄いな………」
「だって、勇者様の記憶ってほぼ子供の頃の私でしょ?」
「ああ、だからか………」
まぁ、メスガキには程遠い感じの子だったけど………
いや、敵相手には割とメスガキやってた気がするな………
『調子に乗るなよ、罪人共!これ以上罪を重ねても後悔するだけだというのに、何故無駄に抗う!?』
「凄い命乞いの仕方だなぁ、おい………」
「無惨に殺されろって言われてる様にしか思えない。」
全くだ、理不尽過ぎて笑えてくるわ………
もう面倒だし、さっさと終わらすか。
「合わせるぞ、戦士!」
「うん、勇者様!」
「「
俺の剣とアリスの手刀から放たれた斬撃を重ね合わせ、大きな斬撃を発生させる。
────これでさっさと死んでおけ。
『ぐっ、何が何でも罪と罰から逃げるつもりか、この極悪人共めが────」
クソみたいな断末魔だなぁ………
というか、こんな罠を張ってる様な奴等にそんな事を言われたくない………
「はぁ、やっと終わっ!?」
「次行けるみたいだね、勇者様。」
全員倒した瞬間、次の穴を開けやがった!!
やっぱり、性格終わってんだろ、このダンジョン!!
☆☆☆☆☆
「毎回落とされるの何とかならないのか、コレ………」
「私は勇者様を抱けるから嬉しい。」
「まぁ、お前が嬉しいなら良いが………」
はてさて、第21階層にやって来た訳だが、此処にはどんな奴が居るんだ?
『くっくっく、罪人達よ。まさか、わざわざより苦しく悲惨な地獄へ堕ちてくるとはな!我は貴様らの正気を疑うぞ?』
「げっ………」
「────帰りたい。」
眼の前に現れたボスモンスターは、正直二度と会いたくなかった奴だった。
異世界でも嫌な程に会っているので、マジで今からでも幻覚だと言って欲しいまである。
『だが、慈悲深き我が迅雷で裁いて貰える事に、頭を垂れながら深く感謝するが良い!このペガスコーン様にな!!』
「うわぁ、マジで駄馬じゃん………」
「帰りたい………」
ペガスコーン、まんまペガサスとユニコーンが合体したかの様なキメラ種だ。
キメラ種なので、どちらの能力も使える上に強くなるのだが、それはまだ良い方なのだ。
何故かというと………
『ムッ!?何故、我と同じ空間にクサい下郎が存在しておるのだ!!清らかな純潔を突き破るケダモノなどという存在してはいけない生き物が我の前をちらつくではない!!!』
「ちっ、やっぱり目茶苦茶雷撃ってきやがったぞ、コイツ!?」
凄く、凄く
正確に言うと、極限な迄の男嫌いに、盲目的な処女信仰という病に犯されてる可哀想な生き物なのだ、コイツは………
俺はユニコーン種に出会う度に毎回雷落とされましたね、はい………
コイツの雷、目茶苦茶身に染みるから、嫌いなんだよなぁ………
クソアマエルフ曰く、男性特効らしくて男への殺意に満ちているとか………
『ん?綺麗な女も居るではないか♪』
あぁ、気が付きやがった。
コイツはかなり女好きだ、女好きなんだけど想像をはるかに超える処女厨なのだ。
だから、今のアカリは………
『はぁ!?貴様、純潔を捨てているな!高潔なる膜を男の穢れた肉棒で貫かれておるな!!巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな!!!あの穢らわしい白濁液で身体中を染められただと!!!!殺す、殺す殺す、殺す殺す殺す、絶対に殺してやるぞ、この阿婆擦れが!!!!!』
うわぁ、ペガスコーンさん、ガチギレしてるじゃん………
ガチギレし過ぎて、アリスの事を阿婆擦れ呼ばわりしやがったのに、何か冷静になれてしまうの何なの、バグかな?
『我が裁きの迅雷を喰らうがいい、この阿婆擦れが!!貴様を我が角で貫いて、内側から焼き殺してやるわ!!!』
「それは無理………」
『何だと!?』
「私はもう、好きな人の物で貫かれてる。あの人の1本角で女にして貰ってるから♡」
アリスさん!?
心配は全くしてないけど、何で煽るのかな!?
何か夫さんとアツアツそうで何よりだけど、今は違うよね!?惚気ける様なシーンじゃなかったよね!!??
『死ね、死に絶えよ、この阿婆擦れがぁぁ!!中途半端に歳を重ねた女はこれだからいかんのだ!!!やはり、幼女!幼女こそ世界を救う、処女の象徴だ!!いや、初潮が早めに来れば失う可能性がある!?なら、やはり赤子の女こそが世界の全て!!!穢れ無き純潔を持つ崇高の存在!!!!ハァハァ、待っておるのだぞ、世界中の女の赤ちゃん♪この阿婆擦れを殺した後にじっくりと崇拝して、処女の大切さを教育して、最高の存在へと至らせてやるからな♡』
────もう何も言うまい。
というか、もう同じ空間に居たくない。
「〘
『むっ、まだ居たのかゴミ虫!!阿婆擦れを葬った後は、貴様も殺してやるからな!!』
「いい加減黙れ、
『貴様、誰にく────』
奴が放つ雷よりも早く、奴を一閃する。
「もう、お前の顔も声もウンザリだ。」
今度こそ、願わくば二度と会いたくない物だ。
続く
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