異世界に召喚され帰還した元勇者、帰還したら50年も経ってて浦島った上に現実世界もファンタジーに侵食されてた件〜しかも、いつの間にかダンジョンの番人扱いまでされてるオマケ付き〜
第21話 ダイジェスト気味な第1から第5階層
第21話 ダイジェスト気味な第1から第5階層
第21話
「やっぱり、こんな物か………」
「うん、やっぱり弱い。」
何か強そうな雰囲気出しといて、俺のスキルとアリスの初期も初期な魔法でやられてしまったな、コイツ。
まぁ、大口叩いていたコイツが、その中を貫かれた上に真っ二つになったのは、変に笑えたが………
こういうの、草はえるって言うんだっけ?
「しかし、相変わらずカッコいい固有魔法だな、それ。」
コイツの魔法は、一点特化な固有魔法。
それぞれの個性が出る故に、強いが灰汁が出る面倒な魔法だ。
で、コイツの魔法はありとあらゆる武器を創造し、召喚する〘
先程のは一つだけ銃を召喚し、鬼一口を貫いたのだ。
「そう?私は正直、魔法少女みたいな事がしたかった。」
「────そういうのは俺にも被弾するからやめようか。」
「─────うん。」
自らの力が自分が望んだ物とは限らない。
俺ももう少し勇者っぽい力が欲しかった。
力も無ければ知恵も無い、なんなら運すら無かった俺には、勇気しか味方が居なかったからな………
『ふふ、私を倒してしまいましたね………』
「何だ、しぶといな。タフさだけなら10階層レベルだな。」
「追い打ちする?」
「やめとけ、辞世の句しか吐けないだろうから。」
『ええ、そうですね。今の私はルールを破ってしまった愚か者を嗤う事しかできませんので。』
死にかけながら、俺達を嘲笑う鬼一口。
モンスターを倒す事で発動するギミックでもあるのか?
それとも………
『さぁ、此処から先は地獄ですよ。精々、足掻いてみせてくださいね?』
そう言い残し、奴は消え去った。
その瞬間、俺達が立っている床さえも消え去っていく。
「なっ、そういうタイプか!?」
「移動が楽で助かる。」
「お前は飛べるもんな!!」
俺も跳べるけど、お前みたいに飛べないんだよ!!
「だから、私が支える。」
「助かるよ、アリス。」
脇をアリスに掴まれながら、ゆっくりと降りていく。
これ、クリアする度に続くのか?
☆☆☆☆☆
「ふぅ、何と言うか、まぁ………」
「拍子抜け、何か弱い。」
あの後、一気に第2階層から5階層までクリアしてしまった。
次は6階層かぁ、早いなぁ………
「下手したら、新宿の所のあの二人の方が強かった。」
「
しかし、本当に弱かったな、コイツ等………
確か、新宿が一番浅いんだっけ?
「もしかして、力配分が新宿より細かくなってるのか?」
「だから弱いんだね。という事は、次の層からマシになる?」
「だと良いなぁ………」
何かこのダンジョンは性格悪そうな奴等が多そうだし、最後ら辺で強さが5倍、10倍とかになりそうな気がする………
そうやって、油断してた奴等を弄んで殺すみたいな感じで………
「………あれ?何か遅くないか?」
「………うん、確かに遅い。何故か、下への穴が開かない。」
さっき迄は、倒した数秒後に直ぐ穴が開いて俺達を落としてたのに………
何か嫌な予感がするなぁ………
(あ〜い〜う〜え〜お〜、聞こえてるかな、愚かなルール違反共!)
声が聞こえてきたな………
いや、コレは………
「テレパシーだな………」
「この頭に響く感じは嫌い。」
俺もだよ、未だに慣れない。
(君達は最初に忠告したのに、ルール違反を5回も犯しました。なので、罰を受けてください。)
罰?一体、どんな罰を受けさせるつもりだ?
(さぁ、君達は生き残れるかな?)
そう告げてきた瞬間、穴が開く。
先程迄と同じ様に降りようとするが………
「何か深くないか?」
「うん、底が見えにくい。」
────もしかして、コイツ!?
(君達は罪人。理不尽を罪無き者達に振りかざしてきた極悪人だ。ならば、私達も君達に理不尽を送ろるとしよう。)
や、やりやがったな、コイツ!!
俺の予想が正しければ、コイツがやろうとしているのは!!!
(この穴は第20階層への直通便です。直ぐに第20階層のボスと戦えますよ?)
はっ、それだけじゃないんだろう?
(しかし、それだけでは味気がありませんよね?)
そう奴が告げた瞬間、下の方から物凄い気配が飛んでくる。
「成る程、そういう事か。クソが………」
「厭らしいね、このダンジョン………」
下の方の気配が、少しずつ増えていく。
増える度に、此方へと向けられる魔力と殺意も高まっている様だ。
コレはおそらく………
(第6階層から第20階層迄の
はっ、声色が楽しそうだぞ?
そういう理不尽な目に合う人間を嘲笑うのが愉しいだけな癖に………
「舐めやがって………」
「うん、久々にキレそう。」
「よし、なら見せてやろうぜ?」
「勿論。勇者様と戦士な私が組んで攻略に来ているという意味を、嫌な位教えてあげないとね。」
理不尽に抗うなんて、異世界では何度もしてきたんだ………
「「さぁ、此処から先は………」」
「俺の
「私の
続く
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