第14話 裁きの影
第14話
月side
「花見月 カレン!?昔、
『そうだよ?でも、君みたいな下衆野郎は裏事情まで知ってるんだろう?』
「はっ、知ってるとも!確か、傷付いた所を仲間に裏切られた上に犯されて、ハメ撮りされてる所をネットに流された奴だろう?まさか、会えるとは思わなかったなぁ〜。モンスターになっても、下の口の疼きが止まらなかったのかい?」
何であの男は、あの
実力が
『遺言は………』
「はぁ?何か言ったかい?」
『君の遺言はそれで良いのかって聞いてるんだよ、耳でも悪いのかな?』
「ほざいてろ!!」
男が私の時の様に姿を消す。
────だが、彼女は呆れた様な顔でこう呟いた。
『狡い悪足掻きだね、本当。其処に居るんだろう?』
「がっ!?」
影から生まれた無数の手が何も無い虚空を襲った瞬間、其処からあの男が現れてふっ飛ばされる。
彼女も気配が
「がはっ、な、何で!?お前も、あの女も何で俺の場所が!!??」
『そんなの簡単だよ。それとも、何?そんな事も
男を小馬鹿にしながら、彼女が私の方を向いてくる。
えっ、急に何!?
『君はどういう理屈か
「えっ、あ、ありがとうございます?」
ほ、褒めてくれてるのかな?
『褒めてるさ。────おや、どうやらそろそろ彼が来るみたいだね。私が何をしたのかは、彼に解説して貰うと良い。』
「彼?それに解説?」
『まだ配信しているんだろう?それに、解説とかは得意だよ、浦島君は。』
「えっ!?」
もしかして、直ぐ近くに浦島さんが────
「やっと追い付いたぞ、
「浦島さん⁉」
『おっと、やらかしてしまったね………』
彼女へ向けて大声をあげながら、物凄い速さで走りながら浦島さんが走ってきた。
多分、かなり急いで来たのだろう。
浦島さんが走ってきた道には炎が出ていて、軽く炎上していた。
だが、私達の近くに来た瞬間、変な仮面の隙間から血が飛び出してきた。
い、一体、何が起こっているの!?
「お、お前、つ、土蜘蛛まで呼び出してるのかよ、ど、どんだけキレてるんだ………?」
…………土蜘蛛?
確か、昔の妖怪さんだっけ?
『済まないね、浦島君。ほら、君もカースクロウが居る場所に行きたまえ。結界で土蜘蛛の瘴気から守ってくれるから。』
「言われなくてもそうするわ………」
あっ、此方に来る………
「へっ、何で此処に居るの、
「き、昨日ぶりですね、浦島さん。」
少しの間、沈黙が私達を支配する。
だが、それを切り拓くかの様に浦島さんが私を真っ直ぐ見詰めながら………
「君の配信動画、見たよ。」
「見てくれたんですか!?」
「ああ、面白かった。正直、君のファンになっちまった。」
「や………」
「や?」
「や、やったぁ〜♪あ、ありがとうございます!」
☆☆☆☆☆
『ふふ、イチャイチャしてるねぇ。深層の第1階層に居るユニコーンみたいな奴等が現れないと良いけど。』
「はぁはぁ、余所見をするんじゃねぇ!!」
『無駄な足掻き、ご苦労様だね。』
「ガハッ!?ち、ちくしょブッ!?」
彼が身の程を弁えず、私の隙を突こうとしたので影の手で右腕の骨を殴り折る。
そのまま沈んで置けば良い物を、諦めずに無駄に立ち上がろうとしたので左脚の骨もちゃんと折ってあげた。
「な、何が起こって………」
『さぁ、何が起こってるんだろうね?』
「ゲフッ!?」
それでも抵抗しようともしていたので、肋骨辺りを殴って、罅を入れてあげた。
折ると即死させちゃうからね、手加減は大事だよ本当に。
『逃げる気は無くなったかな?』
次逃げようとしたら、何をしてあげよう?
全ての四肢の骨を折ってあげようか?
片方を折ったんだから、平等に折ってあげないと可哀想だもんね♪
「ち、ちくしょう………巫山戯てるんじゃねぇぞ、怪物が!!」
『威勢だけは良いよね、本当。』
懲りずに私の柔肌に凶器を刺そうとしてくる愚か者。
その刃は絶対に届かないというのに………
『ほら、捕まえた♪』
「くっ、離せ!!」
『それで離す馬鹿は何人居るんだろうね?』
無数の影の手を絡めて、愚か者を捕まえる。
う〜ん、ちょっと使い過ぎたかな?
後、2つしか生やせないや………
『さて、問題だ。私は左と右の影の手、どちらを使うでしょうか?』
「………右?」
『違うよ。』
「………左か?」
『ううん、それも違うね。』
「まさか、両方か!?」
『大正解♪』
正確にはオラオラなんだけどね♪
続く
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