第4話 少女の目覚め
第4話
???side
「えっと、確かハーブドライアドの葉と、カモアロエの剣を刻んだ奴を混ぜて………」
う、う〜ん、何だろう、この声?
「で、マンドレイクをすり潰して粉状にしたのを混ぜて………」
何か良い匂いがしてる様な………
「後は苦味を和らげる為にキラーアラクビー特製の蜂蜜を混ぜて………よし、完成だ!」
あれ?そう言えば、私は………!?
「は、早く逃げなきゃ!!───って、此処は何処!?」
わ、私はダンジョンに居た筈なのに、何故か家みたいな所に居た。
しかも、完全に湖畔に建ててある様な感じな家なのだ。
正直、何が何だか
「おう、起きたか。」
「へっ、だ、誰!?」
☆☆☆☆☆
主人公side
異世界でパーティーを組んでいたロリっ子ババアなクソアマエルフ賢者に教えて貰った秘伝の回復薬(胃にも優しいぞ!)を作り終えた瞬間、どうやら気絶していた少女が起きた様だ。
しかし、起きて早々騒がしい子だ。
外だとムードメーカー的な子なのだろうか?
「誰かって?そりゃ、いきなり落ちてきたお前を助けた人だよ。」
「えっ、そ、そうなんですか!?あ、ありがとうございます!」
「お、おう。ど、どういたしまして………」
えぇ、少しは疑えよ、この子………
俺、現在進行系で仮面を付けてる不審者スタイルなんだぞ?
しかも、客観的に見たら、変な一軒家に色々するつもり連れ込んでる可能性がある存在だぞ?
「………いや、本当の事しか言ってないんだけどさ、少しは疑った方が良いぞ、お嬢ちゃん。そんなにチョロいと、いつか酷い目に合うぜ?」
「はは、よく言われます。でも………」
「でも?」
「貴方は嘘を付いてない様に見えたので。」
「ガハッ!!」
「えっ、だ、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ、君の純粋さに殺られて致命傷を負っちまっただけだから。」
「大丈夫じゃないじゃないですか、それ!!」
いやぁ、良い子だなぁ………
異世界だと真っ先に死んじゃうタイプだよ、この子。
実際、俺以外にも召喚されてた奴の中で真っ先に死んだ勇者もこの子みたいなタイプだった………
────せめて、亡骸だけは持って帰りたかったな。
「………さて、お嬢ちゃん。何となく、察しは付いてるんだが、何で落ちてきたんだ?」
「じ、実は変な技を使ってくる鉱物系のモンスターにワープさせられてしまって………」
「ああ、
「え?」
「アイツ、悪戯好きで人もモンスターも巻き込んで色んな奴をワープさせる奴でな。時々地面とか壁とかにワープさせられて殺されちまう事があるんだよ。」
所謂『※いしのなかにいる※』になる訳だ。
マジで死ぬかと思ったな、アレ………
「うわぁ………」
「アイツは通り魔的な奴だからな。多分、今頃は他のダンジョンにでもワープしてるだろうよ。」
「何と言うか………その…………酷いモンスターですね!」
「全くだ。クソとしか言い様がない。次からは見つけたら即逃げろよ?技も無駄に豊富だし、下手な倒し方をするととんでもない置き土産をしてくる奴だからな………」
「はい!」
うん、良い返事だね。
本当に良い子だよ、全く………
続く
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