第1話 -4- 想いと想い
過去の輝き。友人同士の少女二人が戦いながら絆を深めていた遠い最近だ。その時の二人は幼さの残る風貌に泥と血を付けて、荒い呼吸をしながら汗を輝かせている。二人は幾重にも重なる折れた剣群に周囲を囲まれていた。そして顔を見合わせる。
「か、勝った……ぞ」
「わたしたち、生き残ったの……?」
自覚の浅い声は徐々に笑い声へと変わっていく。そしていつの間にか笑顔が溢れていた。
「やったぞ。やったぞ。やっぱり私たちは最強だ!」
「そう。そうよ。わたしたちなら誰にも負けない!」
二つの歓喜。想いと想いは重なり響き合って大きくなる。
喜びの声は徐々に落ち着き
「綺麗な手だ、こんな時でも」
「ありがとう、あなたの髪も本当に素敵」
見つめ合って他愛のない言葉を送り合う。そして
「最高の友人だよ、お前は」
その言葉に
「そうだね。良い友達だよね……わたしたち」
「わたしはあなたの最高の友人。そうよね」
「そうだ。この先の戦いも、最後だってきっと何ともなる。お前となら」
喜びの言葉が交わされて、しかし想いと想いは逢い会わない。
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