第1話 -2- 剣と剣

 剣と剣がぶつかる。火花が走り空気が震える。長髪なびかす波黒はぐろと短髪揺らす白瀬しらせ、二人は思いを刃に乗せて互へと打ち付けた。

 激突は心を言葉にして響かせる。

「生き残る魔女剣士は一人だけ」

「故にあなたは死にわたしが生きるわ」

 波黒の言葉に白瀬が答える。

 気迫を放ち剣戟が連続する。瞬きの間に三合が交わされ、続く一撃はいなされ白瀬しらせが体勢を崩す。波黒はぐろが追撃を構える。だが白瀬しらせはそれよりも早く傾いだ重心で体を回したカウンターを放った。波黒はぐろが大きく後ろへ下がり躱す。

 そこへ剣が飛んできた。後ろへ飛ばした身が立て直される前に白瀬しらせが獲物だけを投擲したのだ。それを打ち落とすことで構えを取り直すタイミングが遅れる。だが相手はこれで剣を手放した。一瞬ののちでもしっかり体を立てればあとは切るだけである。

 そこへ一瞬よりも速い突進がぶつかり、立て直そうとした体を衝撃で崩した。

 剣を放った白瀬しらせは足元を確かにするより、しゃにむに身を前へ跳ばし体当たりを仕掛けたのだ。

 

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