第18話僕は楓と過去の話をした

楓と水族館デートを楽しんだ。僕は楓にそろそろ聞きたいことを言おうと思った。


「ねぇ楓、前に姉が助けられたって言ってたけど、それってどう言う意味?」


ドキドキと胸が高鳴った。彼女に質問するのが、毎回緊張するのは。直さないと。


「一ノ瀬君、それはね…私の姉が、姉の彼氏今は別れたんだけど、その人に暴力振るわれそうになったとこ、一ノ瀬君に助けられたの。」


楓が真剣な表情で語る。


僕は、そうだ。前に本を買いに行った帰り道…喧嘩してるカップルを見て、やだなぁと思いながら、関わらない様に素通りしようと思った。



けど…その男の人が、彼女を殴った。僕はそれを見て、父親に殴られる自分を重ねた。


だから勝手に身体が動いて、その女の人を庇った。


「辞めてくだたい…ぼうりょ…くっは駄目です。」

緊張して上手く喋れなかった。


「なんだお前は? ガキは引っ込んでろ!」

そう男の人が、恫喝した。


けど僕は…それでも引かなかった。ガキと言われたけど彼も大人というには若かった。


なので、父親の恐怖に比べれば、まだ怖さはなかったからだ。


近所の人が、騒ぎを聞いて警察に通報したのだろうか? 警察が来て、僕はことなきを得た。


「庇ってくれてありがとう。怪我は大丈夫? 君勇気あるね。私殺されるんじゃないかって怖くて…本当助かりました。」彼女は、泣きながら僕に感謝を伝えた。


「別に…あなたこそ、怪我は…そうですか。なっくてよかっ…たですね。」

ちょっと噛みながら言った。


彼女には、怖くて噛んだ様に思われたろうか?


「うん。あっ、君うちの妹の通ってる中学だね。制服で分かった。君にお礼したい。名前教えて? 私の名前はね…」



「大丈夫です。お礼も良いので、それじゃ。」

僕は彼女の前からそうそう去った。



なるほど…別に助けたのは警察で、僕は時間稼ぎしただけだ。


「それでか、だから僕に興味が湧いたんだね?」

彼女が僕の名前を知ってた理由が分かった。


「それはきっかけかな? 名前知ってたのはそう、それが理由。けど興味湧いたのは、一ノ瀬君と話しててだよ。」


「お姉ちゃん感謝してたよ。それで探してって言われたけど、検討もつかないじゃん?」


「どうやって僕って分かったの?」


「クラスの友達が偶然一ノ瀬君を近くで見たんだって。現場は見なかったんだけど、それと、傷痕。それですぐにああ、一ノ瀬君かもって。」


「それで話しかけたけど、一ノ瀬君無視するから、それで無視しないでって言ったら、言い返してきたでしょ? ああ間違いないと確信したの。」


「なんだ、やっぱりそれがきっかけで、興味湧いたんじゃん。」


「うー違うもん。一ノ瀬君と話して興味湧いたの。そこは突っぱねるよ。」


楓は結構頑固なのか、それとも僕に優しいからそう言ってるのか。


「ありがとう、楓教えてくれて。」僕は胸のつかえが取れた。


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