第15話僕は楓をデートに誘った。
結局僕は、小早川と友達になった。
「もしまた、佐藤に何かされたら、連絡をくれ」と伝えた。
彼は大喜びした。
それから、僕は楓にもそのことを伝えた。
「一ノ瀬君って、度胸あるよね。さすが、私の姉を救っただけあるね。」
いきなり楓がそう言ってきて、僕はびっくりした。
「あ、まだ言ってなかったね。あなたが救った人私の姉なの。」
楓がそう言ったけど、誰のことか、僕にはさっぱりわからない。
人違いじゃないかと思った…けど、何か身に覚えが…ある。
でもこの場で聞くより、いいムードで聞きたい。僕はそう思って、楓をデートに誘おうと決意した。
「それ聞きたい、けど、学校の場より、その違う場所で、2人で話さない?」直接的な表現を僕は避けた。この意気地なしと自分を卑下して。
「いいよ、デートのお誘いね? 私と一緒に遊びたいってことよね? はっきり言わないとね、一ノ瀬君、やり直し。」
僕は楓のやり直しの言葉に笑ってしまった。
彼女の可愛さにやられてしまったんだ。
「うん、はっきり言うと…君とデートが…したい…んだ。」カミカミで言ってしまった。
そして、はっきり言い過ぎだと後悔した。せめて一緒に遊びたいにすれば良かった。
「はい、良くできました。はっきり言う一ノ瀬君が好きだから、ちょっとからかってみた。」
そう言った彼女はとても優雅で素敵な子だと思った。綺麗な黒い髪がそれを一層、引き立てている。
「そっか、ちゃんと今度は、はっきり言うよ。」
「水族館に行きたい、僕本で綺麗な魚見て、実物見たくて。一緒に行こう。」
僕は勇気を出して、場所を指定して、楓に伝えた。
「分かった、行こう。そこで色々お魚さん見てお話ししよう。」彼女から良い返事をもらえて、心が湧き立つ。
「へー一ノ瀬君も、魚に興味あるんだね。僕も行っていいかな? それとさっきはありがとう、ほんと感謝してる。」僕にそう話しかけて来たのは、小早川だった。
この子盗み聞きして、僕のデートを邪魔するとは…もちろんノーだ。
「そう睨まないで、僕は二人の仲邪魔しないから。遠く離れるからさ。」
そう小早川は言った。
「まぁそれなら問題ないよ。」僕は友達を邪魔扱いしたけど、それなら、嫌とは言えない。
「ありがとう、遠くから二人のこと見守ってるね。」そう言った小早川に余計なお世話だよと心で呟いた。
「うん、初めまして、小早川君、一ノ瀬君から聞いたよ。一ノ瀬君頼りになる男子だから。どんどん頼ってね。」
もう、頼りになるか。それは嬉しいけど、頼られすぎもな。と思った。
楓になら頼りすぎは大歓迎っていう、ちょっと矛盾した感情が起こる。
それから僕は、2人に約束を交わして、その日になるのが待ち遠しい。そう思って過ごした。
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