第13話僕は自己反省をした。

楓と相談が終わったけど、まだ話していたい。そう僕は思った。


そしてもし、楓がいじめられていて、助けを求めて拒否されたらと思うと、僕の対応は、良くなかったとも、思う。


やはり詳しく話を聞くという、楓の意見は、僕に響いた。


ねぇ楓は、小学生の頃どんな感じな子だったの?


うーん、今とそんな変わらないよ。


そっか、前から凄い女の子だったんだね。


凄い?

む…どんな意味?


大人びて、賢くて、可愛いい子。


褒めるね。ありがとう、でもそれよく言われるから70点ね。


70点かー、いつか僕は、100点を取りたいなと思った。


それにしても、よく言われるんだ。やっぱり僕の見る目は、それなりにあると言う事だろう。



僕は、楓の全部の言葉に100点をつけてしまいそうだ。


そう思うと、言い返す男子が出てこないのも納得だ。


一ノ瀬君は、小学生の頃どんな感じだったの?

彼女の言葉にドキッとした。


根暗って奴だよ。ずっと本読んでただ、毎日ダラダラ過ごしていた感じ。

正直に僕は、彼女に伝えた。


僕に声をかけてくれる人もいたけれど、僕はそれをいつも、拒否していた。


でも… それって孤高の天才って感じで、根暗なのかな?


自分の世界があって、そこに住んでて、表に出てきたら、リーダーシップ発揮しそう。ただ、その気が起きないだけなんじゃないかな。

楓は考え込むようにして言う。


楓…そんなこと言われたら僕は、ますます君を好きになってしまうよ。


僕は彼女を救いの女神のように見た。


どうしたの? 一ノ瀬君、見つめられて照れるんだけど?

彼女が笑って言う。


ごめん、いや、ごめん。

僕は何度も謝った。


もう可愛いな一ノ瀬君。大丈夫よ。

からかっただけ。


僕は顔が熱を持っているのを感じた。


もう、楓からかわないでよ。ちょっと、胸がドキッとしたから。


ふふ、もう照れすぎ、一ノ瀬君は。

彼女が戯けて言う。


はぁ…なんて可愛いんだ。こんなの惚れるなって言う方が無理だよ。


僕は彼女を友達以上に想っている。


授業が始まるね。またお話ししましょ。

楓が名残惜しそうに言った。


うん、また、話そう。

楓。


何?


呼んだだけ。僕は笑って言った。


なによそれ?

彼女も笑って言った。


それが僕には、嬉しかった。


学校が終わったらずっと、楓と話していたいけど、僕にはやらないといけないことがある。


もちろん優先順位は、楓だけれど。


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