第8話僕は映画館に行く

そして映画館に来た。

楓は、アニメ映画観たいって伝えてきた。



僕は、彼女が観たい映画なら、なんでもいい。けど、それは伝えない。彼女の話を聞くことが大事だと思ったからだ。


一ノ瀬くんって…大人ぽいよね。

そこに惹かれたかのかな?  

彼女が微笑んで言う。



僕の胸が苦しい…ああ、ここは…冷静にならないと。


嬉しいよ、そう言ってもらえて、ありがとう。僕は、やっぱり声が緊張して、震えていた。


けと、精一杯に言ったぞ。そう思った。


うん、こちらこそだよ、ありがとう。

さっ、入ろっ。


うん、僕はそれに笑顔で答えた。



映画館は結構、お客さんが入っていた。


食べ物と飲み物何が良いかな? と僕は彼女に聞いた。


ポップコーンかな、定番だし。飲み物は、コーラにしよ。


分かった、買ってくる。


ありがとう、いくらだった?


うん、まぁいいよ。僕の奢り。


それは、悪いよ。出すよ。


良いんだ、むしろ僕は奢りたい。


僕は彼女を説得し、映画館のドアを押して中に入った。


席はどこが良いかな?


あそこにしよ。と彼女が指を指して言った。


うんと僕は返事をして2人で空いてる席に座った。


僕は疑問に思ってた事を聞こうか、迷った。何故僕の名前を知ってたの?

どうして僕にここまでよくしてくれるのかと。


しかし、この雰囲気で聞く事じゃないかと、辞めた。



僕は楓を見ながら映画を観た。


ポップコーン美味しいね。と彼女が僕に言う。


うん、君といるとなんでも美味しくなると心で呟きながら、違う事を言う。


美味しい、塩が効いてるね。映画のポップコーンは、何故か美味しいよね。


そうね、ねぇ映画面白いね。


うん、アクションシーンがとっても、ハラハラするね。


だねー! 一ノ瀬くん分かってるぅ。

と彼女は嬉しそうに言う。


みんな無言で見るからさ、一ノ瀬くんと、会話をしながら楽しみたいの。

と彼女が言いながら、手を握ってきた。


はは、嬉しいな、そういうこと言ってもらえるなんて。


見て、犯人倒されたね。


うん、悪いことは出来ないね。と彼女は笑って言った。


そうだね。僕は悪いことしないよ。


知ってる、むしろ一ノ瀬くんは、悪い人から、守ってくれる人だって。


はは、信頼されてるのかな?

楓ありがとう。


うんと彼女が言い、僕の肩に寄り添った。


僕はドキッとして、どうしようかなと、思考を巡らした。


やっぱり、こういう時は、彼女の肩に腕を回す。んだよね、僕が読んだやつには、結構そういうのが書いてあったが…やるべきか。


僕は勇気を出して、彼女の肩に腕を回した。


心臓がはち切れそう。僕は彼女を見た。


楓は上目遣いで僕を見た。


ふふ、一ノ瀬くんって、結構大胆なんだね。

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