第7話僕は本屋に行く

デート? 当日。


僕は40分前に待ち合わせ場所に行った。


ええ〜楓もういるのか。


僕は楓に挨拶した。


早いね、もういるなんて。

僕は驚いた。いつからいたのか、結構、律儀な女の子なのかな。と思った。


うん、一ノ瀬くんこそ、じゃ早速いきましょう。


うん。そう返事したけど、緊張が…リラックスと自分に言い聞かせた。


実はイメージトレーニングを事前にしていた僕。


だいぶ緊張が解けてきた。


楓の顔を見ると、あまりの可愛さに、手が震えきて、また緊張して、トレーニングが意味が無くなってしまった。


ごくっと喉を鳴らした。


大丈夫、緊張してるのは、私もだから。彼女が優しく言った。


僕はその言葉に泣きそうになってしまった。

なんで…こんなに優しいの? 楓にそう心で聞いた。


僕は自分を奮い立たせた。うん、緊張するけど、すごい楽しみだよ。と僕は彼女に言う。


ふふ…だね、と彼女がいい、僕の手をそっと握った。


うわっ、びっくりした。心で言った。僕は楓に手を握り返した。


これって夢かな…僕は今、何をしてるのだろう。ああ〜もう早く本屋行こう。



僕と楓は本屋に入った。



ねぇ、一ノ瀬くんが読んでる本ってどんなの?


僕が読んでるのは、いっぱいある。そうだねぇ、地下室の手記とか、人間失格かな。


うっ…一ノ瀬くん…難しい本読んでるんだね〜。もしかして頭めっちゃ良いんじゃ?


人間失格は、知ってるけど、地下室の手記?

と楓は聞いてきた。


うん、人に失望したというか、人生に諦めた人間の話かな。


ただそう言った人も好き好んでそうなった訳じゃないって、テーマかな。

僕は饒舌に語った。



はぁ? 難しいよ〜けど、私みたいに恵まれた人とは対極な人って事なのかな?


はは、そうだね。その通り。と僕は言った。



でも楓が好きそうな本は、一応考えてきたんだ。


やっぱりラノベがおすすめだね。


本好きの…とか、薬屋の…とかね。


ラノベじゃなくていいなら、鏡の…かな。

と僕は楓に言った。


そっか、それって読みやすい?

私あんまり本読んでないのがバレちゃうね。


うん、読みやすいよ。おすすめだね。


分かった、買ってみて、読んでみる。そう楓は僕に言った。


そして、僕らは本屋を出た。


あっという間だったな。そう僕は心で呟いた。


さて帰ろうか。と僕が言った。


早いよ、一ノ瀬くん、次行きたいとこは?

まさか本屋だけじゃないよね?

彼女が聞いてきた。


まじか…僕もまだ彼女といたい。そう思ったが、まさか楓から言ってくれるなんて。


正直行きたいとこはない。だけど、楓とならどこにでも行きたい。


うん、映画館行きたいな。楓は観たい映画ある?

僕は聞いた。


うん、あるよ。一ノ瀬くん、ちゃんと提案して偉い。じゃあ、私この映画観たい。行こ。と僕は彼女と映画館に行く。

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