第4話僕は友達を庇う
ふぅ…変な服ばかりだね。そう僕は心で呟いた。
僕の考えと違うのだろう、彼女達は熱心に服を見ていた。
これどう? 一ノ瀬くん。
どうって、どっちも同じ変な服にしか…とりあえず緊張して声がまともに出せない。
どうしたの?
ああ、両方駄目ってことね。
と楓が言った。
しばらくして、麻美が、ごめん彼氏から電話きた。ちょっと外出るね。と言った。
2人きりになっちゃったね。なんかデートみたいね。と楓が言う。
僕は、緊張してなにも喋れないので、スルーした。
あれ? たちばなじゃん?
と女子の集団が声をかけてきた。
どうも。と楓は何故か嫌そうに言った。
なに? こんなダセーやつといるのかよ。
は…私の彼氏奪っときながら、マジ腹立つ。
はい? 私あなたの彼氏なんて奪ってないですけど?
第一私誰とも付き合ったことないし。
それに小学生の頃でしょ?
奪ったとか、意味が分からない。
あぁ? 口答えすんの? あの時は男子いたけどここじゃいない。調子乗んなよ?
と女子がおっかない顔で言った。
いや……男子ここにいるけど…確かに楓の言う通り、小学生の頃の男子の取り合い言うとか、ちょっと頭が心配になるね。と僕は考えた。
そうだ、ここは僕逃げればいいんじゃない?
そしたら友達の縁が切れそう。
いや…待てよ、ここで逃げて何かあって、楓に告げ口されたら?
そしたら学校で卑怯者呼ばわりされて、いじめられるのでは?
危ない。そう考えるとここは、別の行動を取るのが正解だな。
調子に乗って無いですけど? 服選びしてるので、用が済んだのなら、もういいでしょ?
うるさいね、用はある。
あんたを一発引っ叩いて帰るよ。
そう言い女子は彼女を思いっきり引っ叩こうとした。
そこで僕は中に割って入って、楓を庇って代わりに引っ叩かれた。
一ノ瀬くん! 大丈夫?
と楓が心配して言う。
僕は考えた作戦を言う事にした。
大丈夫じゃないよ、こんな目に遭うから、もう君とは一緒に遊びたくない、友達もやめる。
これで彼女ともおさらばだ。
僕は言った。だい…じょ…ぶ
良かった。一ノ瀬くん。と楓が泣きそうになって言った。
あぁー緊張して声が上手く出せない。
すみません、何か騒ぎ起こすなら出てってもらいますけど。と店員が言った。
ちっ…また男子に守られてんのかよ、なさけな。と捨て台詞を吐いて女子が去っていった。
おっかない女子だ。将来僕もああなったかもしれないと思うと震えて来た。
ただいま、彼氏と電話終わった。
…ねぇ楓…一ノ瀬くんに抱きついてどうしたの?
麻美が言った。
うん、小学生の頃の同級生に絡まれちゃって、一ノ瀬くんが庇ってくれたの。
と楓が説明した。
へー! やるじゃん一ノ瀬。
麻美が感心したように言った。
いや…殴られるぽかったから、僕が代わりに殴られて、終わりにしようかと思ったのに。
それにしても…なんかデジャブだな。前にもこんな事あったな。と僕は前にも似たような目にあった気がする。
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