閑話30 吾輩、解説するであります
えー、今回は聖王国の事についてご紹介したいと思います。解説役は……ああ、あなたにお願いしていいですか?
「じ、自分でありますか(;´・ω・)?」
はい、兵士の吾輩くん。あなたに聖王国の事を解説してもらいたいのです。
「りょ、了解であります(`・ω・´)ゞビシッ!」
じゃあ、最初は聖王都――の前に、吾輩くんのプロフィールをご紹介しちゃいましょう。
吾輩くん(仮名)
年齢…17歳(聖王国歴725年時点)
身長…174cm
出身地…聖王国辺境
職業…聖王国騎士団一般兵
夢…活躍して、騎士に昇格する
好きな食べ物…カツ丼
嫌いな食べ物…セロリ
と、こんな感じでしょうか。あ、聖王国歴725年時点ではディゼル殿より2歳年上なんですね。というわけで、聖王国の解説をお願いします。
「きょ、恐縮であります! 僭越ながら、聖王国の解説役を務めさせて頂きます!!」
その1 聖王国とは?
聖王国は、かつて存在した小国リュミエール王国を前身とし、現在は大陸西部を統治する大国であります('ω')ノ!
700年以上前、深淵の侵攻を退けた英雄アヴェル・ディアスとリュミエール王国第二王女クレア・リュミエールのおふたりによって築かれた王国であります!
その2 アヴェルとクレア
アヴェル・ディアスは、聖王国を建国した初代聖王陛下であります('ω')ノ!
リュミエール王国の騎士の家系であったディアス家の次男として生を受け、リュミエール王国が深淵の侵攻で滅亡が避けられなくなった際、リュミエール王国最後の女王であるクラウディア・リュミエール陛下から妹君であるクレア王女殿下を託されたのであります!
クレア・リュミエールはリュミエール王国の第二王女であります!
リュミエール王国最後の女王クラウディア陛下の実妹で、王国滅亡の際に不治の病に冒されていた姉上から王国再興を託され、当時騎士だったアヴェル陛下と共に落ち延びたのであります!
その3 クラウディア・リュミエール
クラウディア・リュミエールはクレア王女殿下の姉上で、リュミエール王国最後の女王陛下であります('ω')ノ!
非常に強い光の力を宿していたものの生来病弱で、リュミエール王国滅亡の際に僅か21歳という若さこの世を去った悲劇の女王陛下であります……(´;ω;`)
また、クラウディア陛下の護衛騎士もその時に一緒に亡くなったという話であります!
陛下の護衛騎士に関しては、殆ど記録が残っていないのであります。ある歴史研究家によると、アヴェル陛下の兄上が護衛騎士だったという説が有力だとか……。
その4 聖王家
聖王家は聖王国を統治する王族の家系であります('ω')ノ!
強い光の力を宿し、先述したアヴェル陛下とクレア様の血を受け継いでいる方々であります!
聖王国歴725年の現在、アストリア・リュミエール・ディアスが女王を務めていらっしゃるのであります!
アストリア陛下は歴代王族の中でも一際強い光の力を宿して生まれ、若くして世界屈指の魔術師として知られているのであります!
アストリア陛下の光り輝かんばかりの美貌に目を奪われる人々は後を絶たないのであります!
吾輩も、遠くから拝見した時に見惚れてしまったのであります……(*´ω`*)
アストリア陛下には7歳年下の妹君であるアリア王女殿下がいらっしゃるのであります!
姉上同様に強い光の力を宿しており、将来は姉君に勝るとも劣らない美女になる事間違いなしであります!
何と、吾輩の命の恩人である守護騎士ディゼル・アークライト殿がアリア殿下の護衛騎士に任命されたとの事であります! 凄いでありますなー!
その5 聖王国騎士団
聖王国騎士団は、聖王国に住まう人々を守る騎士や兵士達が所属しているのであります('ω')ノ!
階級は騎士団総長を頂点に、騎士団副長、守護騎士、上級騎士、一般騎士、兵士長、一般兵となっているのであります!
また、守護騎士隊長は騎士団副長と同格の地位であります!
吾輩も兵士訓練校を卒業後、一般兵として所属しているのであります!
聖王国騎士団は実力や実績を重視しており、活躍次第では一般兵であっても騎士に昇格する機会を与えられるのであります!
吾輩も一番下っ端でありますが、騎士を目指して努力するであります!
その6 聖王都
聖王国各地には、大小様々な町や村が点在しているであります('ω')ノ!
しかし、その中でも一番はやはり首都である聖王都であります!
吾輩も兵士訓練校を卒業して、初めて訪れた際は歴史あるその街並みに圧倒されたであります……Σ( ºωº )。
聖王都は東西南北に巨大な柱が設置されているのであります――深淵の軍勢を寄せ付けない結界を張り巡らせる魔道具である結界柱でありますな!
この巨大な結界柱は、付与魔法を編み出した伝説の魔術師ユリウス・ラングレイが建造した世界初の結界柱であり、各国の結界柱はこれを参考に建造されたそうであります!
聖王都は色んな名所があるのでありますが……全部紹介するのは大変なので、有名どころを紹介するであります!
最初に紹介するのは、聖王都の中心に聳え立つ聖王宮、聖王都の王城でありますな!
聖王国を統べる聖王家の王族達が住んでおられる場所であります!
聖王宮には聖王都全域を張り巡らせている結界より更に強力な、おそらくは聖王家の秘術による結界が張り巡らされているのであります!
吾輩、騎士団の一番下っ端なので外から眺めるだけで、聖王宮内には入った事はないのであります……王宮内を見てみたいであります(´;ω;`)。
次に紹介するのは王立学園、未来の騎士や魔術師の卵達を育てる教育機関でありますな!
聖王国で名を馳せる騎士や魔術師は、この学園の卒業生である事が多いと!
騎士科と術士科のふたつの学科が存在し、生徒は12歳から16歳までここで様々な事を学ぶであります!
成績が優秀であると判断された生徒は、16歳を待たずに飛び級で卒業を許されるとの事!
ディゼル殿も昨年まではここの学生だったそうで、何と飛び級卒業の上にいきなり守護騎士就任という開校史上初の快挙を成し遂げたのであります!
続いて紹介するのは、大通り――たくさんの店が建ち並び、買い物客や観光客で賑わっているのであります!
聖王都でしか販売していない品や珍しい品を求めて、客足が絶えないであります!
吾輩も赴いた事がありますが、まだ全部の店を回った事はないであります……というか、高級店等は吾輩には高嶺の花であります(;´・ω・)。
その他の名所は、また何れの機会にご紹介したいであります!
吾輩くん、御苦労様です――はい、報酬のカツ丼特盛です。
「ぬおおおお、凄いボリュームでありますΣ( ºωº )! いただきまーす……あれ、そういえば気になっていたのでありますが、吾輩に聖王国を解説するように指示したのは誰だったのでありますか? 何か、物凄く気品溢れる女性の御声だったような……」
――暫くして、聖王宮にて。第二王女アリアは、聖王宮の廊下で女王である姉アストリアを見掛ける。
「姉様、何処に行ってらしたんですか?」
「少しお散歩していました。それから、頑張っている人に御褒美を」
「???」
優しく微笑む姉に、首を傾げる妹であった。
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