閑話36 IF もし、ディゼルが女の子だったら……5
※バレンタインデーの時に書いたものです。この世界にバレンタインデーがあるんかいというツッコミは無しで(笑)。
どうも、こんにちは――聖王国の守護騎士を務めるディアナ・アークライトです。突然ですが、今の私は聖王宮内を走っています。
え、どうして走っているかって? 理由はひとつ、追われているからです。
そう、今の私は追われているのです――チョコレートに。何で、チョコレートに追われているかですって?
そんなの決まっているじゃないですか。そのチョコレートの正体は……。
「お姉様、お待ち下さい! 私の愛情がたっぷり詰まったチョコを受け取って下さいっ!!」
「姫、それはどうかと思いますぅぅぅぅうううううううっ!?」
そう、私を追いかけるチョコレートの正体は、言うまでもなくアリア姫なのです……これだけでは、何が何だかさっぱりでしょうから補足説明しましょう。
事の発端は、更衣室で着替えようとした時でした。何やら私のロッカーがガタガタ動いていたので、ロッカーをバンと開いてみると……出て来た物は等身大の姫の御姿を象ったチョコレートでした。
今日はバレンタインデーなので、姫が御用意したものだと瞬時に悟りました。普通は男性に渡す物だと思うんですけど……。
苦笑しながらも等身大の姫チョコを見つめると、瞳の辺りがキュピーンと輝くのを見て、どっと汗が噴き出しました。その場から、全速力で離脱したのは言うまでもないでしょう。
更衣室を出るなり、轟音と共に更衣室の扉が吹っ飛ばされて、姫チョコが私を追いかけてきました。そう……等身大の姫の御姿を象ったチョコではなく、姫御自身が自らの御身体をチョコでコーティングして、ロッカーの中で待ち構えていたのです!
「さぁ、お姉様! 私の愛情の篭ったチョコを食べて下さい!! そして、そのまま私も食べて下さいまし!!」
「いえ、どちらかと言うと、私が食べられそうなんですけどォォォォォォ!?」
ああ、果たして無事に逃げ切れるでしょうか……(涙)。
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